育児や家事に追われるドタバタの日々の中で、「やらかした!」という、うっかりミスはありませんか。赤ちゃんと暮らす筆者が体験したそのひとつが、紙おむつの洗濯。ママ友に話したところ、同じ悲劇を経験した方は少なくないことが判明しました。
このコラムでは、紙おむつを洗濯してしまった際の対処法について、詳しくご紹介いたします。
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紙おむつを洗濯機で洗うとどうなる?

洗濯機から洗濯終了のブザーが鳴り、フタを開けてオーマイガー!
洗濯物や洗濯槽に、透明のゼリー状のツブツブや紙くずのようなものが付着しているではありませんか。それは紙おむつを洗濯してしまったときの惨状……。ポケットにティッシュを入れたまま洗濯してしまったときとは比較にならないほどの絶望感があります。
筆者も経験がありますが、ただでさえ赤ちゃんの洗濯物は毎日大量で大変なのに、厄介な後処理が発生したことで、無駄に時間を消費する上にストレスが増えて本当に地獄でした。
ちなみに、厄介なツブツブの正体は紙おむつの吸水部分である「吸水ポリマー(高分子吸収体)」、紙くずのようなものは不織布です。

これらは洗濯機の排水口、排水ホース、排水管などの詰まり原因になるため、ここでは、できる限り流さずに取り除く方法をご紹介いたします。
対処手順1)排水口に吸水ポリマーが詰まっていないか確認!

紙おむつの吸水ポリマーや不織布が、排水口、排水ホース、排水管に残っていると、詰まりの原因になりますので、まずは排水口を確認して掃除するようにしましょう。
- 歯ブラシ
- ゴミ袋
排水口確認のステップ
- STEP1
-
洗濯機のコンセントを抜く
- STEP2
-
洗濯機の吸水口(蛇口)を止める
- STEP3
-
吸水ホースを取り外す
- STEP4
-
洗濯機を移動する
- STEP5
-
排水口のフタとパーツを外す
- STEP6
-
詰まりを確認する
- STEP7
-
歯ブラシで吸水ポリマー・不織布を取り除く
※洗濯機を移動しない場合は、吸水ホースは外さなくても大丈夫です。
排水口の確認時には、排水ホースがある場合、洗濯機本体と排水口との接続部分を取り外す必要があります。詳しい方法については、以下のコラムを参考にしてみてください。
排水口掃除方法【洗濯機編】サボると水漏れや故障の原因にも……/ハウスクリーニング | もちやぷらす (mochiya.me)
洗濯機に隠れて排水口が見えない!という場合は、こちらのコラムを参考に洗濯機を動かしましょう。
洗濯機の動かし方を知っておけば防水パン周りが徹底的に掃除できる! | もちやぷらす (mochiya.me)
対処手順2)排水ホースについた吸水ポリマーの掃除

続いては、排水ホースについた吸水ポリマーを取り出します。
- バケツ
- タオル
- 配管ブラシ
- ドライバー※必要に応じて
排水口確認の手順
- STEP1
-
洗濯機本体と排水口との接続部分を取り外す
- STEP2
-
排水ホースを外してバケツの中に水を出す
- STEP3
-
排水ホースの中を配管ブラシで洗う
- STEP4
-
水を入れたバケツの中で排水ホースを洗う
排水ホースは、金属のクリップで固定されているタイプが多く、つまみを引っ張れば簡単に取り外せます。ネジで固定されているタイプは、ドライバーで外してください。
1)パイプユニッシュや洗剤は使わず、水だけで洗浄する
2)排水ホースから出した吸水ポリマーが混じった水は、必ず排水口ネットなどでこしてから流してください。そのまま流すと、排水管の詰まり原因になります
排水ホースの外し方については、以下のコラムを参考にしてみてください。
洗濯機の排水ホースの外し方は意外と簡単!掃除手順も合わせて解説! | もちやぷらす (mochiya.me)
対処手順3)洗濯槽についた吸水ポリマーの掃除

洗濯槽に目視で確認できる吸水ポリマー・不織布がある場合は、できるだけ丁寧に取り除きましょう。
ティッシュペーパーを使うと水を吸ってボロボロになってしまい、かえってゴミが増えた!掃除が増えた!ということにもなりかねないので、キッチンペーパーやウェットティッシュなどがおすすめです。
- キッチンペーパー(ウェットティッシュ)
洗濯槽掃除の手順
- STEP1
-
洗濯槽内の吸水ポリマー・不織布を取り除く
- STEP2
-
糸くずフィルターも確認する
- STEP3
-
槽洗浄を行う
- STEP4
-
排水口を再度掃除する
槽洗浄を行う際には、洗剤は使わず水だけで掃除する
槽洗浄の詳しい内容については、以下のコラムを参考にしてみてください。
槽洗浄コースとは?黒カビ汚れや臭いには長時間モードがおすすめ | もちやぷらす (mochiya.me)
洗濯槽や排水口・排水ホースについた吸水ポリマーが、どうしても残るときは、プロの洗濯機クリーニングを利用するのもひとつの方法です。
洗濯機クリーニングの内容は、以下のコラムを参考にしてみてください。
洗濯機クリーニングのプロが回答!分解洗浄とは?頻度は?ドラム式もできる?【18項目】 | もちやぷらす (mochiya.me)
衣類についた吸水ポリマーや不織布の取り除き方

衣類についてしまった吸水ポリマーや不織布は、すぐに洗い流さず、まずはできる限り手で落とすのが吉。ある程度きれいになった上で、丁寧に洗うようにしましょう。
ちなみに、吸水ポリマーは乾燥すると粉状になるため落としやすくなります。
衣類の吸水ポリマーや不織布を取り除く手順
- STEP1
-
洗濯機から衣類を取り出す
- STEP2
-
衣類を振ったりはたいたりして、吸水ポリマーや不織布を落とす
- STEP3
-
大き目のたらいに水を入れ、柔軟剤を投入。その中で衣類を洗う
- STEP4
-
衣類を洗濯機に戻し、水ですすぎ洗い
- STEP5
-
排水口を再度掃除する
1)洗面所や風呂場で行うと排水口の詰まりの原因になるため、外やベランダで新聞紙を敷いて行う
2)乾燥運転は吸水ポリマーが溶けるので絶対にしない
洗濯物についた紙おむつ(吸水ポリマー)は柔軟剤で落ちる!
「紙おむつ 洗濯」「おむつ 洗濯機」などのワードでネット検索すると、対処アイテムとして柔軟剤を使うとよいというコラムが多数ヒットします。
柔軟剤を使うと、衣類から吸水ポリマーや不織布が取れるのでしょうか?その噂の真相を確かめるべく、紙おむつを使って実験してみました。
【実験1】紙おむつがついた衣類を柔軟剤で洗ってみた!
【実験内容】洗濯機で紙おむつを洗ってしまった状態を再現
【準備するもの】紙おむつ(テープタイプのSを使用)、ビーカー、割り箸、柔軟剤、桶、端切れ、着色料
【実験手順】
ステップ1:紙おむつの吸水ポリマー部分を切り抜く

ステップ2:ビーカーに紙おむつの吸水ポリマー部分を入れる

ステップ3:着色した水を吸水させて、よくかき混ぜて1分間放置する。



ちなみに、吸水ポリマーが色水を吸って膨張しており、ビーカーを横にしても水はまったく漏れません。吸水ポリマーの吸水力、恐るべし!
また、触ってみるとベトベトしていて、これは排水口や排水ホースの詰まりの原因になりそうです。
ステップ4:ステップ3の中に端切れを入れて、吸水ポリマーを付着させる。

ステップ5:端切れに吸水ポリマーが付着していることを確認し、水気を絞る(脱水)。

ステップ6:水を張った桶に柔軟剤を適量入れ、吸水ポリマーの端切れを入れる。



【実験結果】
柔軟剤を入れた桶で端切れをゆすると、こびりついていた吸水ポリマーがスルっと取れて、端切れがきれいになりました。
この結果より、紙おむつを洗濯してしまった場合、吸水ポリマーを落とすのに柔軟剤を使うことは効果的であることがわかりました。ただし、衣類から剥がれ落ちた吸水ポリマーは桶の中にプカプカと浮いており、これをそのまま流してしまうと、排水口の詰まりの原因になりそうです。
衣類を洗った後の排水は、必ず吸水ポリマーを排水口ネットなどで“こして”から流すようにしましょう
注意!洗濯機に柔軟剤を入れて洗うのはやめた方がいい
実験結果より、柔軟剤を使うと衣類についた吸水ポリマーはスルッと落ちます。
ただし、吸水ポリマーがプカプカ浮いた水をそのまま流してしまうと、排水口や排水ホース、排水管に詰まる原因となるリスク大。面倒ですが、洗濯機から衣類を取り出して別洗いをした上で、あらためて洗濯機に戻すことをおすすめします。
紙おむつの中身が飛び散ったので、もう一度洗濯機を回してしまった…。
洗濯機に柔軟剤を投入して洗濯してしまった…
そんな場合には排水つまりを起こすおそれがあります。自力で洗濯機や排水ホースを掃除できない場合は、洗濯機クリーニングを利用するのがよいでしょう。
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衣類についた吸水ポリマーは塩では落とせない!
前項目に書いた柔軟剤と同様に、紙おむつを洗濯してしまった際の対処アイテムとして語られがちなのが「塩」。なんでも塩を使うと、吸水ポリマーが溶かされるんだとか。その噂の真相を確かめるべく、またまた紙おむつを使って実験してみました。
【実験2】紙おむつの吸水ポリマーは塩を入れると溶けるか検証してみた!
【実験内容】吸水ポリマーは、塩によって溶けてなくなるのか検証
【準備するもの】紙おむつ(テープタイプのSを使用)、ビーカー、割り箸、塩、桶、着色料
【実験手順】
ステップ1:紙おむつの吸水ポリマー部分を切り抜く

ステップ2:ビーカーに紙おむつの吸水ポリマー部分を入れる

ステップ3:着色した水を吸水させて、よくかき混ぜて1分間放置する。

ステップ4:塩を加えて、よくかき混ぜて3分間放置する



水だけを吸収した吸水ポリマー

水と塩を吸収した吸水ポリマー

【実験結果】
吸水ポリマーに塩をかけて放置すると、粒子が小さくなりました。
これは、塩が吸水ポリマーの水を排出させる働きをするためです。
ただし、吸水ポリマーは小さくなるだけで、溶けてなくなってしまうわけではありません。なめくじに塩をかけた場合と同じで、「消える」わけではなく「縮む」だけ。「紙おむつを洗濯してしまっても、塩かけときゃOKっしょ!」という甘い話ではありませんでした。
たとえ小さくなった吸水ポリマーが洗濯槽をすり抜けたとしても、排水口で再度膨らんでしまうと、排水口や排水管の詰まりの原因になりそうです。
というか単純に、洗濯機が塩で錆びそうですよね。
二度と紙おむつを洗濯しないための対策
- 洗濯機の近くでオムツの交換をしない
- 洗濯機周辺に「二度と紙おむつを洗濯しない」と貼り紙する
- 洗濯機のスイッチを入れる前に中身を確認する
- 紙おむつを洗濯してしまったときの絶望感を忘れない
- 二度と紙おむつを洗濯しないと心に強く誓う
育児や家事で積み重なるストレスをこれ以上増やさないために、二度と紙おむつを洗濯しないように心がけたいものですね。万が一、悲劇を繰り返してしまっても、洗濯機の掃除をするチャンスが巡ってきたんだとポジティブに受け止めましょう。
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紙おむつの吸水ポリマーが洗濯機内に残るリスク
吸水ポリマーは、乾燥すると小さくなり、水を含むと膨れ上がる性質があります。吸水ポリマーは、乾燥して小さくなると排水ホースを通って排水口へと流れやすくなるものの、途中で水を含むと膨らんで排水をせき止めるリスクがあるのです。
紙オムツから飛び散った吸水ポリマーは、排水つまりや水漏れの原因となるため、しっかり除去しておかなければいけません。まずは自分でできる範囲の洗濯機掃除をしてください。
自分での洗濯機掃除に限界を感じるときは、洗濯機クリーニングの活用も検討しましょう。これまでいちども洗濯機クリーニングをしたことがないというケースでは、汚れやニオイをリセットできるので、やってみる価値はありますよ。
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