キッチンハイターとカビキラー®は同じ塩素系漂白剤だけど、カビに効くのはどっち?
お風呂掃除でカビキラー®がなくなったら、キッチンハイターで代用して大丈夫?
今回は、そんな疑問にお答えします。
キッチンハイターとカビキラー®は、それぞれ別の使用目的で作られている洗浄剤です。
使用方法をまちがえると、思い通りに汚れが落とせなかったり思わぬトラブルにつながったりすることもあります。
ここではキッチンハイターやカビキラー®などの塩素系漂白剤をうまく使いこなす方法や、知っておくとよい基礎情報を解説しますので参考にしてください。
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キッチンハイターとカビキラー®はどちらも同じ塩素系漂白剤!代用は?

キッチンハイターは、花王株式会社が生産・販売している塩素系漂白剤です。
おもな成分は、次亜塩素酸ナトリウムとなっています。
一方カビキラー®は、ジョンソン株式会社が生産・販売している塩素系漂白剤。
おもな成分はキッチンハイターと同じく、次亜塩素酸ナトリウムです。
この次亜塩素酸ナトリウムは、やっかいなカビの洗浄に効果的!
カビの細胞や色素を分解してしまうので、スッキリ漂白できるのです。
そのため、キッチンハイターとカビキラー®はどちらも除菌・漂白力にすぐれた洗浄剤として広く使われています。
キッチンハイターはカビを根こそぎ除去できない
キッチンハイターもカビキラー®も、カビの漂白ができることはわかりました。
しかし、カビを根こそぎ落とせるのはカビキラー®です。キッチンハイターは、表面的なカビにしか効果がありません。
カビは、発生場所に菌糸と呼ばれる根をはやします。表面的にとるだけでは、根が残り、そこから再度カビが発生するんです。
カビキラー®には、カビの根まで次亜塩素酸塩が浸透するのを助ける有効成分が入っています。この効果で、カビを根こそぎ除去できるというしくみなんです。
お風呂掃除に使うカビキラー®を切らしてしまった……。
という際にはキッチンハイターで代用はできますが、しつこい黒カビをスッキリ消し去りたいという場合はカビキラー®を使いましょう。
参考:カビとカビ胞子の気になるハナシ|ジョンソン株式会社、カビキラー(よくあるご質問)|ジョンソン株式会社
液体のキッチンハイターを浴室のカビ掃除に使うコツ

キッチンハイターには、液体タイプと泡タイプ(キッチン泡ハイター)があります。
キッチン泡ハイターであれば、お風呂のカビにスプレーすれば吸着しやすいため使いやすいですが、液体の場合はどうやって使ったらよいか悩みますね。
キッチンハイターの液体タイプをお風呂掃除に使うときには、次の2つの方法があります。
- 液体を2~3倍の水で薄め、キッチンペーパーなどに染み込ませてパックする
- キッチンハイターに同量程度の片栗粉を混ぜ、ペースト状になったら塗る
どちらかの方法で洗浄成分をカビにしっかり吸着させて、除菌・漂白しましょう。
くわしい方法については、下記のコラムで説明しているので、参考にしてみてくださいね。

キッチンハイターとカビキラー®の違いを徹底比較!

キッチンハイターとカビキラー®の成分や特徴には、どんな違いがあるのでしょうか。
使い分けや代用をするときには、違いについて確かめておきたいですね。
キッチンハイター | カビキラー® | |
---|---|---|
成分 | 水 次亜塩素酸ナトリウム(6%) 水酸化ナトリウム 界面活性剤 など | 水 次亜塩素酸塩 水酸化ナトリウム(0.5%) 界面活性剤 など |
液性 | アルカリ性 | アルカリ性 |
特徴 | 使用目的:台所汚れ 界面活性剤の効果で、 漂白と同時に汚れも落とせる | 使用目的:浴室のタイル、目地 小物や扉の黒カビを除去する |
※成分濃度は製造時のもの
なお塩素系漂白剤は、できるだけ「新しいもの」を使用するほうが効果は高くなります。
次亜塩素酸ナトリウム濃度は生産時のものです。
次亜塩素酸ナトリウムは時間の経過とともに分解し、濃度が低下していくという特徴があります。
とくに購入から3年以上経過した古い製品では、次亜塩素酸ナトリウム濃度が低下しているおそれがあります。
メーカーでは、経年劣化した古い製品の使用を推奨していません。
花王公式サイト
「花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?」
カビキラー®とカビハイターの成分を比較!濃度が高いのはどっち?
キッチンハイターとカビキラー®は用途は違えど同じ塩素系漂白剤なので、成分が近いです。
ただし液体か、泡タイプのスプレーかの違いで、成分の“濃度”は少々異なります。
原液のキッチンハイターとカビキラー®を比べると、キッチンハイターのほうが成分濃度が濃い、といわれています。
簡単にいえば、液体(原液)タイプのほうが濃度が濃いことが多いんです。
また花王株式会社からは、お風呂などに使いやすい「強力カビハイター」という塩素系漂白剤も販売されています。
カビキラー®とほぼ同じ用途で作られていますので、キッチンハイターよりもお風呂掃除に便利です。
そんな強力カビハイターもカビキラー®と同じ泡タイプのスプレーなので、成分表に書かれた濃度も同じぐらいになっているんですよ。
- カビキラー®の水酸化ナトリウム濃度:0.5%
- 強力カビハイターの水酸化ナトリウム濃度:0.5%
※次亜塩素酸塩の濃度は非公開
液体のキッチンハイターは、製造時の段階で次亜塩素酸濃度が約6%と、非常に高濃度。
そのため、基本的には水で薄めてから使う前提の洗剤になっています。
カビハイターとカビキラー®はどちらがおすすめ?
強力カビハイターとカビキラー®は、ほぼ同じ成分であり、濃度もかわりません。どちらにも同じような注意書きがあり、内容量も同じです。
価格は購入先によって違いがあるため、コスパの良さを比べることもできません。
あとは実際に使ってみて、使用感が好みのほうを選ぶしかありません。

ちなみに私は両方使ったことがあるものの、使用感の違いをあまり感じません。ただカビキラー®の泡のほうが細かくて硬い(液だれが遅い)ような感じがします。
*あくまでも個人的な感想です
キッチンハイターとカビキラー®を混ぜたらどうなる?


お風呂掃除にカビキラー®を使っていたらなくなってしまったので、続きはキッチンハイターで掃除したい……。
といったケースでは、2つの洗剤が混じっても大丈夫なのかと気になるかもしれません。
何しろ塩素系漂白剤のパッケージには、太字で「まぜるな危険」という注意書きがあるので不安になりますよね。
結論からいえば、キッチンハイターとカビキラー®が混じることで有害なガスが発生する、とは、公式サイトや注意書きにも書かれていません。
「まぜるな危険」とは、「塩素系同士を混ぜてはいけない」という意味ではないんです。
しかし塩素系漂白剤そのものにツーンとした臭いがあるため、閉鎖空間で多く吸い込むと危険です。
キッチンハイターやカビキラー®を使用するときには、しっかり換気をしてから作業をしてください。
洗剤同士の危険な組み合わせは、想定外のタイミングや環境下で起きることがあります。
いつどこで有害なガスが発生するかはわかりませんので、塩素系の洗剤はなるべく混ぜず、単独で使うのがよいでしょう。
たとえばカビキラー®をしっかり洗い流し、そのあとでキッチンハイターを使用する、といった方法を取ることをおすすめします。
塩素系漂白剤と混ぜてはいけない洗剤は何?


塩素系漂白剤と混ざってはいけないのは、酸性洗剤です。
酸性洗剤にはサンポール®やクエン酸などがありますので、掃除の際には注意してください。
そのほか食酢、アルコール、アンモニアなどと混ぜないようにしましょう。
こちらもまた、有害なガスが発生するおそれがあります。
ちなみに花王株式会社が販売する洗浄剤に、酸性の洗剤はありません。
ワイドハイター®などの液体タイプの酸素系漂白剤は弱酸性ですが、公式サイトの表記によると、塩素系漂白剤と混ぜても有害なガスは発生しないようになっているそうです。
「ワイドハイター®」や「ワイドハイター EXパワー®」などは酸性ですが、「ハイター®」と混じると塩素ガスではなく酸素が発生するので、危険ではありません。
ただし、混じってしまうと漂白効果は低下します。
花王公式サイト
「「ワイドハイター」など酸性の漂白剤と「ハイター」が混じると塩素ガスが出て危険なの?」
洗剤を断捨離!塩素系漂白剤は1種類にするという手もある


塩素系漂白剤はキッチン用・お風呂用・トイレ用など、何種類も販売されているので、家にもそれぞれ場所別に常備しているという方がいらっしゃるでしょう。
ですが、塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムは時間の経過とともに濃度が薄くなり、効果も徐々に薄れていきます。
そのため、塩素系漂白剤の種類や本数はなるべく絞って、早めに使い切るのがおすすめです。
なかには洗剤を断捨離して、1種類にまとめてしまうというツワモノもいるようです。
塩素系漂白剤はキッチンハイターや衣類用ハイター®など、極力1本に絞り、家中で代用して使いまわすという手もあるでしょう。
ただし商品に応じて、用法用量が異なることもあります。
安全のためにも必ず商品裏面、もしくは公式サイトの注意書きを確認し、必ず守ってくださいね。
キッチンハイターにもカビキラー®にも殺菌力はない!
冒頭でも触れたように、キッチンハイターやカビキラー®など、市販の塩素系漂白剤に殺菌力はありません。できるのは次の2つだけです。
- 汚れや雑菌を取り除くこと
- 色素を分解すること
カビ菌を死滅させる効果については未確認。つまりカビの胞子は生き残る可能性があるわけです。
そのため市販の洗剤を使ったお風呂掃除には限界があります。
浴室のカビが手に負えないときは
浴室のカビが手に負えないときは
お掃除業者による浴室クリーニングを利用しましょう。
浴室のカビは、簡単に根絶できるものではありません。
天井や浴槽エプロン内など、手が届きにくい場所に黒カビが根をはやしてしまうと、自力で掃除するのは困難です。また掃除中に、洗剤の成分や大量のカビを吸い込んでしまうリスクもあります。
自力での浴室掃除に限界を感じたら、プロの手を借りるのが得策です。



お掃除業者による浴室クリーニングをおこなえば、ホテルや旅館の浴室並みにキレイになります。賃貸でいえば入居時のレベルにもどります。
一度試してみる価値はありますよ。
\プロの技術で!カビ・水アカ・石鹸カスを徹底除去/
まとめ
キッチンハイターとカビキラー®の違いは、成分的にはほとんどなしといえます。
ただし、カビを根こそぎ除去できるのはカビキラー®です。キッチンハイターは表面的なカビはとれますが、根こそぎとはいきません。
お風呂の黒カビを徹底的にやっつけたい、再発を防ぎたいのであれば、カビキラー®か強力カビハイターのご使用をおすすめします。
※カビキラー®はエス シ- ジヨンソン アンド サン インコ-ポレ-テツドの登録商標です。
※サンポール®は大日本除虫菊株式会社の登録商標です。





