
キッチンハイターとワイドハイター®の違いは?用途別おすすめ種類もご紹介

キッチンハイターとワイドハイター®って、名前が似てるけどどう違うの?
そんな疑問を持つ方もいらっしゃることでしょう。
キッチンハイターとワイドハイター®は「ハイター®」という名前が共通しているものの、成分や効果はまったく違います。
安易に代用すると、とんでもない事故やトラブルにつながりますので注意してくださいね。
また「ハイター®」にはキッチンハイターやワイドハイター®のほかにもさまざまな種類があり、さらに混乱することも……。
今回は「ハイター®」の種類についてわかりやすく解説、便利な使い分けについてもご紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
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キッチンハイターは塩素系漂白剤でワイドハイター®は酸素系漂白剤!代用にはなりません

キッチンハイターとワイドハイター®は、どちらも漂白剤の仲間です。
漂白剤には化学反応の力で色素を分解し、染みついた汚れを取り除くはたらきがあります。
漂白剤にはさまざまな種類があるのですが、キッチンハイターは塩素系であり、ワイドハイター®は酸素系という違いがあります。
「塩素系と酸素系って何? どう違うの?」という方は、まず塩素系漂白剤と酸素系漂白剤、それぞれの特徴を確認してみましょう。
塩素系漂白剤とは
塩素系漂白剤のおもな成分は「次亜塩素酸ナトリウム」です。
次亜塩素酸ナトリウムには酸化作用・漂白作用・除菌作用があります。
次亜塩素酸ナトリウムの漂白力はかなり強く、素材を脱色させるはたらきがあります。とくに衣類などに付着すると、その部分だけ白く脱色するのです。
また塩素系漂白剤は除菌力も強く、ノロウイルスにも効果があるといわれています。
最近ではコロナウイルス対策にも効果があることも広く知られるようになり、除菌に使われることも多いですね。
食器・手すり・ドアノブなど身近な物の消毒には、
アルコールよりも、熱水や塩素系漂白剤が有効です。
(新型コロナウイルスだけでなく、ノロウイルスなどにも有効です)
厚生労働省ホームページ
「社会福祉施設等に対する「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」の周知について」
ただし塩素系漂白剤を家庭で使用する際には、酸性洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生して大変危険ですので気をつけてください。
市販されている家庭用洗剤で「酸性」のものには、水垢や尿石に効く「サンポール」などがあります。
またお掃除などでよく使われるクエン酸も、弱酸性の性質を持ちます。
キッチンハイターなどの塩素系漂白剤には、「塩素系」「まぜるな危険」の注意書きが大きく書かれていますね。

酸性のものと混ぜると一定値以上の塩素ガスの出る塩素系漂白剤には、このような注意書きの表示義務があります。
これは安全のために、文字の大きさや色まで表示方法が細かく指定されているのです。
参考元:消費者庁ホームページ「住宅用又は家具用の洗浄剤」
塩素系漂白剤を購入したら健康のためにも、パッケージにある注意事項をしっかり読んで、安全に活用しましょう。
酸素系漂白剤とは
酸素系漂白剤のおもな成分は「過炭酸ナトリウム」です。
過炭酸ナトリウムは、最近話題のオキシクリーン®などの主成分として含まれています。
洗濯だけでなく、キッチンの掃除、食器のつけおきなどに使われることが多いようですね。
そんな過炭酸ナトリウムには、漂白作用・除菌作用などがあります。
基本的に無臭であることが特徴で、水に溶けると酸素や水などに分解されてしまいます。
そのため、自然環境にやさしい「エコ洗剤」として使われることが多いのです。
過炭酸ナトリウムの入った酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤のようにツンとした臭いがありません。
塩素系の強い臭いが苦手だという方は、こちらの方が掃除や洗濯に使いやすいでしょう。
また酸素系漂白剤は、素材の汚れだけを落とすことができるのが特徴です。
色柄部分まで脱色する心配がありませんので、白物衣料だけでなく、柄物や色落ちしやすい素材の布類を洗濯するのにも重宝します。
過炭酸ナトリウムは自然環境にやさしい成分ではありますが、それでも強い洗浄力・漂白力を持っています。
そのため素手で扱うと皮脂成分を奪われ、荒れてしまうおそれがあるんです。
酸素系漂白剤を使用するときには、念のためゴム手袋などを着用するのがよいでしょう。
キッチンハイターとワイドハイター®の違いを徹底比較!使い道や注意点について

塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いがわかったところで、キッチンハイターとワイドハイター®の違いをくわしくみていきましょう。
適切に使い分けるために、使い道や注意点を確認してみてください。
キッチンハイター | ワイドハイター® | |
---|---|---|
液性 | アルカリ性 | 酸性 |
おもな成分 | 次亜塩素酸ナトリウム 界面活性剤 水酸化ナトリウム など | 過酸化水素(液体タイプの場合) 過炭酸ナトリウム(粉末タイプの場合) 界面活性剤 アルカリ剤 など |
漂白力 | 染料まで脱色 衣類はほぼ真っ白になる | 染料までは脱色しない 衣類の色柄を残せる |
ニオイ | 塩素のツンとした臭い | 無臭・香料のニオイ |
使い道 | <除菌・消臭> 白物のおしぼり・布巾 <除菌・漂白> まな板・食器 ガラス製品 <ウィルス除去> ドアノブ テーブル | 水洗いできるものの漂白・消臭・除菌 |
使えないもの | 金属(ステンレス以外) 色柄物の衣類 メラミン など | 水洗いができないもの 金属でできたパーツ など |
注意 | 酸性の洗剤と混ぜない 素手で触らない 作業中は換気 | 素手で触らない 粉末タイプは水に溶けにくいのでお湯を使う |


キッチンハイターとワイドハイター®は混ぜると危険?
キッチンハイターの注意事項として、「酸性洗剤と混ぜない」というものがありますね。
それでは酸性のワイドハイター®と混ぜては危険なのか? という疑問がわきます。
じつはキッチンハイターとワイドハイター®は混じっても大丈夫。
公式より、「塩素ガスは出ないので大丈夫」という情報があります。
塩素系の漂白剤と「ワイドハイター®」シリーズが混じっても塩素ガスが発生することはありません
「ワイドハイター® EXパワー」「ワイドハイター® クリアヒーロー 抗菌リキッド」「ワイドハイター®」やなどの液体の酸素系漂白剤は酸性ですが、塩素系漂白剤と混ざっても塩素ガスではなく酸素が発生するので、危険はありません。
花王ホームページ「Q.塩素系の漂白剤と「ワイドハイター®」シリーズが混じると塩素ガスが出て危険なの?」
ハイター®は成分で分けると3種類!うまく使い分けよう

Kao(花王株式会社)のハイター®は、シリーズでいろいろな商品がありますね。
一般の消費者から見れば、いったいどれを使うべき?と混乱することも少なくありません。
さらにハイター®は消費者のニーズに合わせて改良し、どんどん新しいものも出てきているのです。
ここでは成分別に分けて解説していきますので、洗剤選びの際に役立ててくださいね。
1.塩素系:ハイター®シリーズ
ハイター®といえば、キッチンハイター®を思い浮かべる方が多いでしょう。塩素系漂白剤のキッチンハイターは、台所での除菌や漂白によく使われるロングセラー商品ですね。
そんな塩素系ハイター®には、次のようなものがあります。
液状の洗剤で、おもに薄めて使います。洗浄成分「界面活性剤」入りで、汚れもしっかり落とせます。
キッチンハイターのスプレー・泡タイプで、汚れに直接吹きかけることができます。
排水口内部に使いやすいジェルタイプで、つまりや悪臭の解消、ウィルスの除去ができます。
衣料の漂白、及び除菌用のハイター®です。洗浄成分である界面活性剤は入っていません。
おもにお風呂掃除用の泡スプレータイプ。カビの根まで、しっかり落とせます。
粉末を排水口に入れ、水を注ぐと発泡するタイプ。泡と塩素の力で除菌・消臭・汚れ落としができます。
ジェルタイプの塩素系洗剤で、便器のフチ裏にも届きやすい「さかさノズル」がついています。
2.酸素系:ワイドハイター®シリーズ
ワイドハイター®シリーズは、おもに洗濯用の洗剤です。
通常の洗濯用洗剤では落としきれない汚れや、臭いを解決するはたらきを持つ製品が多いようです。
色柄物にも安心して使える液体タイプの漂白剤です。洗濯用洗剤と一緒に洗濯機へ入れて使うこともできます。
ワイドハイター®のパワフル版で、使い方は同じです。漂白・除菌はもちろん、悪臭の原因に除去してくれます。
旧「ワイドハイター®EXパワー粉末タイプ」は名前とデザインが変わり、現在こちらになっています。弱アルカリ性で、血液や皮脂などのたんぱく質汚れから泥汚れまでラクに落とせます。
脇汗ジミや襟の黄ばみにサッとスプレーするだけの、便利なスプレータイプです。
2020年9月に発売された商品で、抗菌力はワイドハイター®史上最強レベル(ワイドハイター®比10倍の抗菌力)とうたわれています。
酸素系ですのでこちらに分類。
洗濯槽に入れて回すだけの、便利な粉末洗浄剤です。
※つけおきが十分にできないドラム式及び、二層式洗濯機には使えません。
3.還元系:ハイドロハイター®
漂白剤といえば「塩素系」と「酸素系」がよく知られていますが、じつは「還元系」というものもあります。
塩素系や酸素系は「酸化作用」つまり、酸素と結びつけることで色素を分解するものです。
いっぽう還元系は、酸素を分離させることで変色してしまったものを元に戻すものです。
そのため漂白で黄ばんでしまったものを、白く戻すのに役立ちます。
そのほかなかなか取れない鉄サビや、赤土によるシミなどにも効果があります。
グラウンドを使う野球やサッカーなど、ユニフォームについた泥ジミ落としに役立つことでも知られていますね。
ハイター®シリーズの中の還元系漂白剤には「ハイドロハイター®」があります。
正式な品名は「黄変回復用漂白剤」で、白無地の衣類にのみ使えますよ。
ハイター®とキッチンハイターの違い
ハイター®とキッチンハイターは、どちらも塩素系漂白剤です。
主成分がどちらも次亜塩素酸ナトリウムであり、代用することができます。
ハイター®とキッチンハイターの違いは、洗浄成分がプラスされているかどうかです。
台所用の塩素系漂白剤であるキッチンハイターのほうに、洗浄成分がプラスされています。
キッチンハイターは漂白と同時に汚れも落とせる効果があります。
キッチンハイターは、洗濯や掃除での漂白に使うことができるものの、花王株式会社の公式サイトでは、それぞれの商品を用途に合わせて使うよう推奨しています。
*ハイター®、ワイドハイター®、ハイドロハイター®は花王株式会社の登録商標です。



