
切り花を長持ちさせるには?キッチンハイターと砂糖が延命剤の代用になる理由

大切な人からいただいたプレゼントや、自分でアレンジしたお気に入りの切り花。
すぐに枯れてしまわないよう、できるだけ長持ちさせたいものですね。
切り花は花瓶に入れてそのまま放置すればすぐにしおれてしまうのですが、ちょっとしたコツで長く、美しさを保つことができます。
今回はおうちで常備している方の多いキッチンハイターや砂糖を使った「切り花を長持ちさせる方法」をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
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切り花を長持ちさせるために必要なこと

お花を長持ちさせるテクニックは色々ありますが、本当に必要なポイントについてはあいまいな部分も多いでしょう。
切り花を長持ちさせるポイントは、2つあります。
- 水を腐らせないこと
- 栄養分を与えること
切り花は花瓶の中が汚れて雑菌が繁殖していると、茎の管が汚れて詰まり、水をうまく吸い上げることができなくなります。
そのため水を常に清潔にし、腐らせないようにしておくことが大切なのです。
また花を長く美しく咲かせるためには、栄養分も欠かせません。
市販されている切り花の延命剤には、ブドウ糖などの糖類が含まれていますね。
糖類のような栄養分をしっかり補給してあげると、切り花が鮮やかな色を保ちやすくなるのです。
続いては、水を腐らせないためにキッチンハイター、栄養を補給するために砂糖を活用する方法についてご紹介していきます。
花瓶にキッチンハイターを入れる方法

花瓶の水はとにかく清潔にしておくのが一番です。水は毎日取り換え、花瓶もこまめに洗うのが理想です。
そういったお手入れがむずかしいときは、キッチンハイターを使って雑菌の繁殖を防止し、水をキレイに保っておきましょう。
キッチンハイターには、水がくさる原因となる雑菌を抑える効果があるんです。
キッチンハイターはkao(花王株式会社)から販売されている商品で、塩素系漂白剤として広く知られていますね。
塩素系漂白剤にはそのほか「キッチンブリーチ」などもありますので、そういった別の塩素系漂白剤でも代用できますよ。
花瓶に入れるキッチンハイターの量は、ほんの少し。
水200mlにつき、キッチンハイターを1~2滴だけ入れてください。
なるべくスポイトなどを使って、少量を慎重に投入しましょう。
花瓶に砂糖を入れる方法

切り花は日を追うごとに花の色が劣化したり、つぼみが開かないまま枯れていったりすることがありませんか?
花がすぐに劣化していく原因はさまざまですが、そのひとつに栄養不足があります。
花や植物のおもなエネルギーは糖分です。
糖分を補給する方法はいくつかありますが、中でも延命剤がよく知られていますね。
ここでは延命剤の代わりに、砂糖を使う方法をご紹介します。
花瓶に入れる砂糖の量は、ほんの少量です。
200mlの水に対して、小さじ1杯ほどの砂糖を花瓶に入れて溶かします。
花の量が多い場合には、やや多めに砂糖を入れるのも効果的です。
ただし砂糖は多く入れるほど、水が汚れやすくなります。
砂糖は切り花だけでなく微生物にとっても最適な栄養分ですので、バクテリアが発生しやすくなってしまうのです。
そのため砂糖を使うときには、とくに花瓶の水を清潔に保つことを心がけましょう。
水替えはもちろん、先にご紹介したキッチンハイターを併用すれば効果が期待できますよ。
切り花を長持ちさせる方法に関するQ&A

切り花を長持ちさせるための情報はいろいろあり、迷う方も多いことでしょう。
ここではそれらのテクニックに関してよくあるQ&Aをまとめてみました。
花瓶にサイダー入れると花が長持ちするってホント?
花に糖分を与えるために、サイダーを投入するという方法がありますね。
おうちにサイダーがあれば、じつは砂糖よりも効果が期待できます。
サイダーに含まれる果糖ブドウ糖液糖は砂糖よりも粒子が細かく、茎の管から栄養を吸い上げやすいのです。
ただし炭酸の刺激が切り花にダメージを与える可能性もあるので、少しだけ気が抜けた状態にしてから投入しましょう。
量は、水4に対してサイダー1くらいの割合。
おおよそ、全体の2割がサイダーになれば適量ですね。
キッチンハイターとハイター®はどちらがおすすめ?
切り花を長持ちさせるには、ハイター®よりもキッチンハイターのほうがおすすめです。
キッチンハイターもハイター®も、主成分は同じ次亜塩素酸ナトリウムであり、塩素系の漂白剤という共通点があります。
しかしキッチンハイターには界面活性剤という洗浄成分が入っており、これはハイター®には入っていません。
界面活性剤には、花を老化させる「エチレン」というホルモンの発生を抑えるはたらきがあります。
そのため切り花を長持ちさせるには、界面活性剤の入ったキッチンハイターのほうがおすすめです。
どちらがよいのか迷うときには、キッチンハイターを選ぶのがよいでしょう。
ただハイター®にも除菌効果があるため、キッチンハイターの代用として使うことができます。
花を長持ちさせる力はキッチンハイターよりやや劣るものの、十分な効果は得られますよ。
花瓶に10円玉を入れたら花が長持ちする?
10円玉を水に浸しておくと銅イオンが発生し、銅イオン水となることで抗菌効果が期待できます。
しかしその効果は水道水よりわずかに細菌を減らすはたらきがある程度です。
そのため、期待するほどの効果は得られないでしょう。
水道水にはわずかに残留塩素が含まれていますので、毎日こまめに新しい水に交換するほうが効果的です。
花の頭だけがぐったりしたときの対処法はある?
ひまわりやバラなど、重量のある花の頭が重みでぐったりしてしまうことがありますね。
枯れたり、ポッキリ折れたりしていないのなら、復活させることができますよ。
植物が弱るおもな原因は水不足。
水不足を解消するには、水切りが最も効果的だとされています。
茎を水中で斜めにスパッと切ってあげると、水をしっかり吸い上げやすくなりますよ。この水切りは、毎日おこなってください。
水切りをしても花の元気が戻らないときには、「深水法」という奥の手を使ってみましょう。
- 新聞紙
- バケツ
- 水
- 霧吹き
「深水法」の手順
- STEP1
-
花を花瓶から取り出す
- STEP2
-
花首をまっすぐにして新聞紙を巻いていく
- STEP3
-
バケツに半分以上水を入れる
- STEP4
-
バケツに新聞紙で巻いた花を入れる
- STEP5
-
新聞紙の水に浸かっていない部分に霧吹きをする
- STEP6
-
花の頭がシャキッとするまで放置(半日~1日)
- STEP7
-
新聞紙を外し、花を花瓶に戻す
深水法は上手くいけば、ぐったりした花をシャキッと復活させてくれますよ。
切り花にキッチンハイター入れたら何日くらい持つのか検証してみた!
切り花の水にキッチンハイターを注いだら、どれくらい長持ちするのでしょうか?
実際にやってみた結果を写真でご覧ください。
こちらはもちやぷらす編集部の飯太さんに協力してもらいました。
- 季節は夏で、花が傷みやすい時期。
- 一人暮らしで日中は密閉状態になりやすい部屋。
といった条件での実験結果となりますので参考にしてみてくださいね。
初日写真がこちら↓左側の花の水に、キッチン用の塩素系漂白剤「キッチンブリーチ」を数滴注ぎました。左側のペットボトル内には、葉っぱつきの茎も入れて様子を見ていきます。

2日目がこちら↓両方ともとくに変わりありませんね。

3日目がこちら↓変わりなさそうに見えますが、右側のペットボトル内の水が少し濁っているようですね。

4日目がこちら↓キッチンブリーチを注いでいない右側のペットボトルの水は明らかに濁ってきていますね!!!

5日目がこちら↓塩素系漂白剤を注いだ方はまだ健在ですが、水道水のみの花はポッキリ折れてしまいました…。

6日目がこちら↓塩素系漂白剤を注いだ方はまだシャキッとしています。

7日目がこちら↓塩素系漂白剤を注いだ方は、花ビラがぐったりしていますが茎や葉はシャキッとしていますね。

実験の結果、切り花にハイターなどの塩素系漂白剤をほんの少し入れておけば、水道水のみの場合よりも2~3日は長く花を楽しめることがわかりました。また茎や葉のみであれば、夏でも7日以上シャキッとさせることができそうですね。
枯れてしまう前に!ドライフラワーという選択も
お気に入りのお花を、長く楽しみたいなら、ドライフラワーにするという選択もあります。
お家にあるハサミや麻紐などで、カンタンに作れるんですよ。
贈り物の花束、ブーケをオシャレに飾れるドライスワッグ、好きなアロマオイルで作るポプリなど、ドライフラワーにすればお花の楽しみ方は広がります。
ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
くわしい作り方は、下記のコラムを参考にしてみてくださいね。

まとめ
切り花は、冬なら10日から2週間ほど、夏でも4~5日はキレイに保つことができます。
切り花を花瓶や花器に飾るときには、毎日しっかり水替えをし、花瓶をしっかり洗うのが基本です。
しかし毎日水を変えることができないときには、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を活用するという方法があります。
塩素系の漂白剤は水中のバクテリアなどを滅菌するはたらきがあり、水が腐るのを予防できるからです。
また、花を元気に咲かせるにはエネルギーを補充してあげるのも効果的。
市販の延命剤を使用するのがベストではありますが、手軽に用意できる砂糖やサイダーなどで代用することもできます。
ただし栄養分を補給したときには、水中に雑菌も増えやすくなります。
水をこまめに取り替えたり、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を活用したりして、花瓶の中を清潔に保つようにしましょう。
※ワイドハイター®は花王株式会社の登録商標です。




