植木が伸びてくると、
うっとうしいから、スッキリ剪定しておきたい。
そう思うことはよくあります。
ですが、木をテキトーに切ってしまってはいけません。
植木には剪定に適した時期があり、剪定時期をまちがえると木に負担をかけて枯れさせてしまうこともあるからです。
また剪定にベストな時期は、木の種類によって変わります。ここでは木の種類別に、剪定時期を一覧表にまとめてありますので、参考にしてください。
この記事を読めば、
植木の剪定をしたいけど、今切って大丈夫?
そんな疑問がすぐに解決します。木の種類にあった剪定をして、植木を美しく育てていきましょう。
植木の剪定は夏と冬の年2回が基本
植木の剪定は、木の種類や地域差があるものの、夏と冬の年2回おこなうのが基本です。ただし夏と冬とでは剪定する目的がちがうため、剪定方法もちがいます。
剪定の仕方をまちがえると、樹形が整わないだけでなく木が弱ったり枯れたりするので注意しましょう。
夏剪定とは(軽剪定・弱剪定)
夏季の剪定は、伸びすぎて邪魔になる枝や葉をカットするのがおもな目的です。枝や葉をカットすると、次のような効果があります。
このように樹木が活発に成長する夏には、剪定が必要になることが多いです。
ただし夏季の剪定では大胆に枝を切ってしまうのはよくありません。
樹木が活発に成長をするときは多くの養分を使っていて、養分のたくわえに余裕がありません。しかも生育旺盛な状態の樹木は、カットされた部分を修復しようと再び養分を送り続けます。
そうして本来送るべき場所への養分が足りず、弱ってしまうおそれがあるのです。
夏の剪定では強く刈り込むことを避け、邪魔になる部分だけをカットする「軽剪定」が基本となります。
もっさりした木に毛虫が集まっているのを見ると、邪魔な枝をバッサリ切ってしまいたくなりますが、それはやめておきましょう。どうしても大胆なカットが必要になる場合は、プロの剪定業者に依頼してください。
冬剪定とは(基本剪定・強剪定)
冬の剪定では、思い切って樹形をととのえる剪定をしたり、邪魔な枝を大胆にカットしたりします。多くの樹木は、寒い時期になると成長がストップし、休眠期にはいり、太い枝も思い切って刈り込むことが可能だからです。
そのため冬剪定は「基本剪定」や「強剪定」ともよばれます。
ただし休眠期は木の種類によってちがうので確認しておきましょう。冬剪定とはいっても、新芽が5月ごろに出る樹木では、春先に剪定をすることもあります。
大まかな剪定時期を知っておこう
樹木の剪定時期は、木の種類によってちがいます。剪定は冬剪定が基本とはいえ、寒さに弱く、寒い時期に剪定をすると弱ってしまうものもあります。
そのためすべての樹木において夏と冬に剪定するのがよいとは限りません。
まずは大まかな剪定時期を確認してみましょう。
常緑針葉樹
庭木によく使われる常緑針葉樹には、次のようなものがあります。
- コニファー
- マツ
- モミの木
- スギ
- ヒバ
- イチイ
常緑針葉樹の強剪定は、春先が最適です。
常緑針葉樹は寒さに強いので、冬に剪定をおこなうのも可能です。芽が出る前の3~4月に強剪定をおこなえば、生長したときに樹形が美しく整います。
常緑針葉樹の軽剪定は、秋におこないましょう。9~11月に枯れた枝部や伸びすぎて邪魔な部分をカットします。
常緑針葉樹とは
針葉樹には、マツやスギのように葉の細い種類が多いので、葉が針のようにとがっているのが針葉樹だと思われることが多いです。しかし実際には葉の形が平たい種類の針葉樹も存在します。
また針葉樹の大半は通年緑の葉っぱをつけている常緑樹で、庭木によく使われるのも常緑針葉樹が多いです。
ちなみに落葉する針葉樹もあります。カラマツ・メタセコイヤ・イチョウなどです。
常緑広葉樹
庭木によく使われる常緑広葉樹には、次のようなものがあります。
- サザンカ
- シマトネリコ
- ツバキ
- オリーブ
- シラカシ
- ナンテン
- モッコク
常緑広葉樹の強剪定は、芽が出始める3~4月ごろ、または新芽の生長が落ち着く5~6月ごろにおこなうのがよいです。
また真夏の剪定は木に負担をかけるので、避けてください。9~10月ごろに軽剪定をし、伸びすぎた枝葉を軽く透きます。
常緑広葉樹は寒さに弱いので、軽剪定は本格的に寒くなる前に終わらせましょう。
常緑広葉樹とは
常緑樹とは冬になっても一気に葉を落とすことなく、年間を通して緑の葉っぱをつけている樹木のことです。落葉しないので目隠しや生垣には重宝しますし、落ち葉を掃除する手間が省けるというメリットがあります。
ただし常緑とはいっても、一年中同じ葉っぱがついているわけではありません。通年で生え変わりを繰り返しています。
常緑樹を大まかに分けると「広葉樹」と「針葉樹」があります。
針葉樹には、マツやコニファーのように葉っぱが細くとがっているものが多いです。いっぽうで広葉樹には平たいものや丸みを帯びたものなど、さまざまな形の葉っぱがあります。
落葉広葉樹
庭木によく使われる落葉広葉樹には、次のようなものがあります。
- モミジ
- ハナミズキ
- ロウバイ
- ドウダンツツジ
- アジサイ
落葉広葉樹は、落葉後の休眠期に基本剪定をおこないます。葉っぱがなくなり、枝の状態がよく見える12~2月ごろがベストです。
活発に成長する4~8月ごろは、剪定をすると樹液が出て木が弱ってしまいます。邪魔な葉っぱは、その都度「軽剪定」をおこないましょう。
落葉広葉樹とは
落葉樹とは、ある時期になると一気に葉を落とす樹木の総称です。落葉樹には針葉樹や広葉樹がありますが、庭木に使われる落葉樹の多くは広葉樹です。
落葉広葉樹は、夏には木が生い茂って木陰をつくり、秋には美しく紅葉し、冬には落葉し、春には芽吹きます。移りゆく季節を感じられ、木そのものを鑑賞する楽しみがあるのがメリットです。
いっぽうで落葉時期には落ち葉の掃除が必要、若芽や新緑の時期には虫が寄りやすいので消毒が必要、など手間がかかるというデメリットもあります。
木の種類別剪定時期一覧(アイウエオ順・44種)
剪定に適した時期は、木の種類によってちがいます。ここでは基本剪定に適した月を一覧表にまとめましたので参考にしてください。
樹木名 | 写真 | 剪定月 |
---|---|---|
アオキ | 3,4,5 | |
アオダモ | 1,2,3,11,12 | |
アオハダ | 1,2,3,12 | |
アジサイ | 11,12 | |
アセビ | 2,3,4 | |
イチイ | 1,2,3,11,12 | |
イチジク | 1,2,12 | |
イチョウ | 2,3,11 | |
イヌツゲ | 9,10,11 | |
イヌマキ | 5,6,7 | |
イロハモミジ | 1,2,11,12 | |
ウメ | 1,11,12 | |
ウメモドキ | 1,2,3,12 | |
オリーブ | 3 | |
カツラ | 1,2,11,12 | |
キンモクセイ | 3,4 | |
クチナシ | 3,4 | |
コニファー | 3,4,5 | |
サクラ(ソメイヨシノ) | 1,2,12 | |
サザンカ | 3,4 | |
サルスベリ | 1,2,3,11,12 | |
シマトネリコ | 3,4,6,7,9,10 | |
ジューンベリー | 1,2,3,12 | |
シラカシ | 5,6,7,10,11 | |
シラカバ | 1,2,11,12 | |
ジンチョウゲ | 4,5 | |
ソヨゴ | 4 | |
タケ | 2,3 | |
ツツジ・サツキ | 5,6 | |
ツバキ | 5 | |
ドウダンツツジ | 1,2,3 | |
ナンテン | 2,3,12 | |
ニオイシュロラン(ドラセナ) | 5,6 | |
ハクモクレン | 1,2,11,12 | |
ハナミズキ | 2,3 | |
ヒイラギ | 3,4 | |
マツ | 1,2,3,11,12 | |
モチノキ | 1,2,6,7 | |
モッコク | 6,7,11,12 | |
ヤマボウシ | 2,3 | |
ユズリハ | 7,8,11,12 | |
ライラック | 5,6 | |
レッドロビン | 3,6,10 | |
レモン | 3,4 |
参考:一番よくわかる庭木の剪定(新星出版社)、剪定110番、庭.pro、PWLIFE!
よい植木屋さんを探すコツ
大事な庭木の剪定は、よい植木屋さんに依頼したいものです。とはいえ、はじめて剪定業者に依頼するときには、業者選びに困ることが多いでしょう。
まずは次の2点を押さえた業者選びをするのがおススメです。
地元にくわしい業者を探す
植木屋さんを料金や評判で選ぶのもよいですが、庭木に関しては地元にくわしい業者選びをすることが大切です。
お住まいエリアの気候や土壌、発生しがちな害虫や近所で流行している木の病気について、くわしく知っている植木屋さんなら安心して任せられます。
まずは近くの植木屋さんを探してみましょう。
複数業者を比較する
剪定を依頼するときには、複数の業者を比較してみましょう。お住まいエリアの植木屋さんでよさそうなところをいくつかピックアップできたら、料金や口コミを比較してみてください。
選び方がわからないときには、実績の多い植木屋さんを選ぶのがコツです。実績の多い植木屋さんの中から、自分に合う業者を選んでください。
ただし繁忙期には日程調整がむずかしいこともあります。希望日が決まっている場合は、早めの予約をおススメします。