香村薫さんに聞く!やめる家事探しから始める「トヨタ式おうち片づけ」の流儀

香村薫さんに聞く!やめる家事探しから始める「トヨタ式おうち片づけ」の流儀

「家事を効率的にしたいなら、やらなくてもいい家事を探しましょう」

そう話してくれたのは「トヨタ式おうち片づけ」考案者の香村薫さん。3人のお子さんを育てながら、講演会や執筆活動、お片づけのサポートなどをされているワーママさんです。

第一部では、香村さんに家事を“しくみ化”して効率的におこなうための考え方をお伺いしました。また第二部では、コロナ禍で増えた「新・名もなき家事」の解決術をレクチャーしていただきました。

家族との時間が増えた今だからこそ試して欲しいテクニックが満載。

「私だけがやってる」から「家族もやってくれる」家事に変わる“考え方”を手に入れましょう!

\お話を伺ったのは香村 薫さん/

家事研究家・ライフオーガナイザー(片づけの専門家) 株式会社ミニマライフ代表取締役。
愛知県岡崎市在住。小学5年生男子、小学2年生男子、4才女の子の“リケジョ”ママ。
トヨタグループのアイシン・エイ・ダブリュ(株)勤務時代の経験を活かし、モノを感情ではなく数字で管理する「トヨタ式おうち片づけ」を考案。
2014年に「ミニマライフ.com」 を開業し2020年に株式会社ミニマライフを設立。個人宅でのお片づけをサポートするほか、講演や書籍執筆活動など多岐にわたり活躍中。
著書に「トヨタ式おうち片づけ(実務教育出版)」、「3人子持ちで起業した理系の主婦が名もなき家事をサクッと解決します!(実務教育出版)」他2冊。
香村さんのInstagramやブログ「ほどよいミニマリストに。ミニマライフ.com」では、ご自宅で実践されている片づけや家事のテクニックを紹介されています。

\入居前の空室・入居中の在室も!家中丸ごとキレイ/

目次

「トヨタ式おうち片づけ」とは?

「トヨタ式おうち片づけ」は、香村さんが考案した片づけの技術のことです。

トヨタグループ出身の香村さんが、そこで学んだ「仕事を効率化するロジック」をおうちの片づけに取り入れたことで誕生した「片づけをロジカルに考えて、暮らしやすくする方法」になります。

その考えを家事に落とし込んだのが、香村さんの最新刊「3人子持ちで起業した理系の主婦が名もなき家事をサクッと解決します!」です。

名もなき家事をサクッっと解決します(書籍)

家事をロジカルに考える……。

「私には、ちょっと難しいかも」なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、考え方はいたってシンプル。


ステップ1/やめる家事を探す
ステップ2/家事を見える化する
ステップ3/何かのついでに家事をやる
ステップ4/家事を道具に頼る

意外とできそうではないですか?
第一部では、本のベースとなったメソッドを香村さんにお話ししていただきました。

1.やらなくてもいい家事を探す

香村薫さん

まずは、やらなくてもいい家事を探すところから始めましょう。ひとりでも、パートナーと家事シェアをするにも、まずは家事を減らしてからスタートです。

たとえば、1000個の家事の半分をパートナーに任せるのは、相手も困っちゃいますよね。そうならないために、1000から400に減らして、「200ずつなら許せるよね?」からなら始めやすいんじゃないでしょうか。

家事は、実家でやっていたことを自分もやるべき、そう思い込んでいることが多いんです。だから自分では気付くことが難しくて、誰かから「それ家事だよ」って言われて気付くんですよ。

「あれ、これなんで自分はやっているんだろ?」と。

そういった家事を探して、やめていくのが効率化の第一歩になります。これは、「ムリ、ムラ、ムダ」を省くというトヨタの理念にそった考え方です。

2.家事を見える化する(ラベリング)

水道へのラベリング

やめられない家事については、「見える化」しちゃいましょう。やり方は、テプラでシールを作るかマスキングテープに手書きでラベリングするだけです。

たとえば、洗面所を使う頻度が増えてすぐ汚れてしまうのであれば、水道のところに「水は止めたかな?」「水飛んでないかな?」と印刷したシールを貼っておく。そうすると、家族にいちいち声かけをする必要がなくなります。

できるようになれば、剥がせばいい。

新しいことが入ってきたら、見える化での提案をしてあげて、慣れたらとるでいいかなと思います。

「声かけ」というのは、家族が多いほど増えるもの。それをいかに減らすかが大事です。

「毎日同じこと言ってるでしょ!」となっている家事や「あー忙しいのに」など、イラッとするなと感じる家事に使える方法だと思います。あと、家族がよく発している言葉もそうです。たとえば「あれどこ?」って聞かれるんだったら、お砂糖に「さとう」って書くんじゃなくて、ストックはどこって書いた方が絶対にいいですね。シャンプーもラスト1個だったら、ボトルに「最後の1個」とラベリングして、見える化しておきましょう。

3.動線を意識した「ついで家事」

「見える化」ができない家事は、何かの「ついで」にできないか検討します。

よくあるのが、ビチョビチョになった洗面所を拭きとるという家事。これは、手を拭いてから洗面所もついでに拭いて、洗濯機に入れるという「ついで」を仕組みとして取り入れることで解決しましょう。あくまでも「ついで」だから、苦じゃない。

タオルはフェイスタオルではなくハンドタオルがいいですね。洗濯しやすくて乾きやすい。タオルの共有がしにくくなっている今だからこそ、ハンドタオルがいいと思います。

とくにおすすめなのは、無印良品の「残反端材(ざんたんはざい)を使った ミニタオルセット・薄手」20cm×20cm 6枚組(499円税込)です。

無印良品のミニタオルセット

洗いやすくて、乾きやすいんです。サイズもちょうど良くて、男性のズボンのポケットにも入る。あと、アイロンをかける必要がないのも楽でいいです。玄関に置いておけば、出かけるときに忘れずに持っていけるし、同じ色・柄なので家族で共有しやすいのもいいですね。

4.それでも解決策が出てこない場合は便利グッズ

どうしても解決策が出ない家事は、便利グッズや電化製品に頼りましょう。

たとえばお風呂掃除には、「ルックプラス バスタブクレンジング」がおすすめです。

ルックプラス バスタブクレンジング
「ルックプラス バスタブクレンジング」(撮影:香村薫さん)

同じ条件下にして、さまざまなメーカーを比較してみたんですが、一番洗浄力が強いと感じました。スプレー後は、シャワーで流すだけと書かれているんですけど、とどまる力が強く、軽く流しただけでは落ちないので、ご注意を。笑

料理もやめられない家事のひとつですよね。なので、できる限り時短できるように最新家電を活用するんです。

我が家は、基本的に電気調理鍋とオーブンレンジで料理しています。電気調理鍋ならT-fal(ティファール)の電気圧力鍋「クックフォーミーEXPRESS」が便利です。

煮込みはもちろん、フタを開けたまま炒め物や煮詰めることもできるんです。底が深いので、油が飛び散ることもほとんどありませんよ。また本体にセットされている内釜を洗うだけなので、後片付けもすごく楽です。

フライパンはないですが、カセットコンロとストウブ(鋳物ホーロー鍋)は置いてあります。災害が起きた時用に、お鍋は必要ですもんね。

我が家のキッチンには、コンロと換気扇がないんです。家電で料理をするようになって必要なくなったので、リフォーム時にとりました。五徳や換気扇の掃除をしなくてよくなったので、本当に楽ですね。

クックフォーミーEXPRESS
香村さん宅のキッチン。コンロと換気扇の代わりに電気圧力鍋「クックフォーミーEXPRESS」が置かれています。(撮影:香村薫さん)

ネットスーパーと電気調理鍋があれば家事シェアがはかどるかも!

実は、コロナを機に夫が料理をするようになったんです。今まで経験がなかったにもかかわらず、ネットスーパーと電気調理鍋を使えばできるようになりました。

なぜネットスーパーかというと、買い間違いを防ぐためです。以前、夫にゴミ袋を買ってきてと頼んだら、見たことないぐらい大きいのを選んできたんですね。そのあと、「もっと小さいサイズのを買ってきて」と伝えたら、今度はめっちゃ小さいのを持って帰ってきたんです。笑

これは私の頼み方がよくないなと思って、ネットスーパーを使うことにしたんです。一緒に確認しながら購入できるので、間違うことがなくなりました。

ネットスーパーで買い物
指さし確認をしながらネットスーパーでお買い物。(撮影:香村薫さん)

もうひとつが電気調理鍋。T-fal(ティファール)の電気圧力鍋「クックフォーミーEXPRESS」なら、「次は醤油を入れてください」という感じでナビゲートしてくれるので、それに従えば料理が完成するんです。

電気調理鍋なら油はねもしないので、後片付けも気にせず作ってもらえます。男性は、作ったらそれで最後じゃないですか。だけど、お母さんは飛んだ油を拭きながらイラッくるから。笑

メニューを限定してチャレンジ

あと、メニューを3種類に絞ったのも上手くいったポイントだと思います。料理の本からお父さんに作って欲しい&食べたいものを選んで、家族投票で1〜5位を決めたんです。ただ子どもは、から揚げやトンカツを選びがちなので、私の得点は高めにして栄養バランスのいい料理がランクインするようにしました。

お父さんに作ってほしい料理のランキング表。栄養や作りやすさなども分かりやすく書かれているのは、さすがですね。(撮影:香村薫さん)

メニューを決めないでお願いすると、栄養とか仕上がりに一言申したくなる可能性があるので、それを防止するにはいい方法だと思いますよ。

同じ料理なら、作るたびに腕も上がりますしね。夫の場合は3ヶ月でかなり上達して、新しいメニューにも挑戦していました。自粛期間中に、レパートリーがけっこう増えていましたよ。

まとめ

香村さんにお伺いした「家事をロジカルに考えて効率化する方法」は、

  1. やめてもいい家事を探して
  2. やめられないなら見える化し
  3. それでも解決できなければ何かやった「ついで」に家事をやるというルール(しくみ)化
  4. それでもムリなら、ものに頼る

という、シンプルな方法でした。

私の場合、家事の効率化=便利アイテムに頼っていたので、とても勉強になりました。このメソッドを取り入れれば、家事にかける時間を減らして、自分時間をもっと楽しめそうです。

香村さん曰く「考えるのが難しいなら、専門家の本やサイトを参考にする。これで十分だと思います」とのことだったので、この記事と「香村薫さん直伝!コロナ禍で生まれた「新・名もなき家事」の解決術11」を参考に、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

トヨタ式おうち片づけ(実務教育出版)3人子持ちで企業した理系の主婦が名もなき家事をサクッと解決します!(実務教育出版)

※「名もなき家事」は、大和ハウス工業株式会社の登録商標です。

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ライター

和田まりのアバター 和田まり 編集長

お一人さま歴20年以上のアラフォー女子。掃除・洗濯・料理など、家事一切を外注したいタイプ(お財布事情が許せば)。だるま職人を目指し、28歳で大阪から群馬へ移住、30歳でライターを目指し東京に引っ越し、現在は名古屋在住。趣味は非常階段巡り(建築の方)とプロレス観戦。ゴキブリ専門ライターとしても活動中!「ゴキラボ」https://goki.jp/

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