そろそろ梅の季節。
今年は、氷砂糖と青梅を使った「梅シロップ」にチャレンジしてみませんか?
約3週間で完成する、お手軽レシピを中日本氷糖さんにレクチャーしていただきました。
「梅シロップ」の失敗しない作り方のコツや、人気の「レモンシロップ」の作り方などもご紹介。
取材協力:中日本氷糖株式会社
【動画で解説】失敗しない「梅シロップ」の作り方
\教えてくれたのはこの方/
Instagramアカウント:@nakanipponhyoto
中日本氷糖の吉居さんに「梅シロップ」の作り方をお伺いしました。
まずは動画でご覧ください!
準備するもの
「梅シロップ」約1.6リットル分
- 青梅 1kg(今回は冷凍品を使用)
- 氷砂糖 1kg
- リンゴ酢(穀物酢) 200ml
- 保存用ガラスビン(今回は3リットル瓶を用意 ※2リットル瓶でも大丈夫です)
- 竹串やつまようじ
青梅を洗ったあと、水気はよく拭きとりましょう。(今回は冷凍梅のため省いています。)
雑菌が入らないように、ヘタを取ります。
また、ヘタを取ることで“えぐみ”がなくなるといわれています。
まだ梅のシーズンではなかったので、青梅は冷凍品を用意しました。
これでも大丈夫でしょうか。
大丈夫ですよ。
ただ、若干熟れてきているので風味は変わってくるかもしれませんね。
生の青梅は、本当にグリーンな青みをしていて、スッキリとした爽やかな香りに仕上がります。色づいた梅だと、芳醇な甘い香りが楽しめます。
梅の成熟度合いで香りが変わってくるんですね。おもしろい!
また、青梅の方が失敗しにくいですね。熟成してくると、傷むまでの期間が短いので。
そうなんですね! できれば青梅を用意したかったです(泣)
材料の準備が整ったら、青梅と氷砂糖を入れていきます。
(※2リットル瓶の場合、全て入りきらない時がありますが、一晩おくと隙間が出来ますので残った氷砂糖を全て入れてください)
すごく初心者な質問になるんですけど、なぜ青梅と氷砂糖を漬けるとエキスがでてくるんでしょうか。
梅からエキスがでてくるのは、浸透圧という作用になります。
梅の表面に濃い濃度の糖液が触れると、梅自体が水分を出して、中和させようとするんですね。
梅に穴をたくさんあけるとエキスがでやすいというレシピがありますが、あまりおすすめはしません。実は、梅に穴をあけると逆にエキスがでなくなるうえに、傷みやすくなるので。
よかれと思ってしたことが、裏目にでちゃうんですね。気を付けましょう!
あと、甘さを控えめにしようと、氷砂糖を減らす方もいらっしゃいますが、梅のエキスを出したいなら減らさない方がいいですね。エキスのでが悪くなります。
また梅を冷凍させる方法も同じ理由で推奨はしません。
やはり、生の青梅を漬けた方が、エキスのではいいですね。
梅のエキスを出すためには、青梅と氷砂糖を使うのが一番ということですね。
リンゴ酢を入れます。
ビンを振り、全体にリンゴ酢をいきわたらせます。ここがポイント!
「梅シロップ」の失敗しないコツは1日1回振ること
おー完成しましたね。あとは3週間待つばかり!(ワクワク♪)
和田さん、「梅シロップ」作りはここからですよ!
発酵させないために、1日1回、ビンを振って梅をシロップでコーティングしてくださいね。
もしかして、それが失敗しないコツ!?
そうです!
実は、梅シロップを発酵させて失敗してしまう方が結構いるんですよ。おそらく、ビンを振ること忘れてしまい、梅が長期間空気に触れ、渇いた状態になるとそこから傷んでしまうことが考えられます。
溶け出している糖でコーティングすることで、梅が傷むことなく美味しい「梅シロップ」が完成するんですよ。
了解です!
1日1回なら、忘れずに振れます。
もしかして、リンゴ酢を入れたのも発酵を防ぐためですか?
ご名答です。
お酢は素材を日持ちさせるために使われるように(寿司、酢漬け等)防腐効果があります。お酢を入れ、瓶を振って梅をコーティングしてあげることで傷みづらくなるんです。
昔は発酵を防ぐためにホワイトリカーを入れるレシピがあったのですが、お子さんが飲めないので、最近はお酢を入れるレシピが主流になりつつあります。
ズボラな私にはピッタリ!
(笑)。
ちなみに、お酢を入れなくても、朝晩しっかり瓶を降ってもらえれば、問題なく作れますよ。
ついに完成!中日本氷糖特製「梅シロップ」を試飲してみた
吉居さんから託された「梅シロップ」を振り続けること3週間。
ついにその時がやってきました!
「梅シロップ」完成です。
ビフォーアフターはこんな感じです。
ビフォー
アフター
冷凍していない青梅で作ると梅の実はほとんどがしわしわになって、梅のエキスが全てシロップにできった仕上がりになります。
さっそく試飲会といきましょう!
「梅シロップ」3種類を飲み比べ!
おい、なぜ3種類なんだ!
というツッコミが入りそうですが、実は取材後に中日本氷糖さんから昨年漬けた「梅シロップ」(写真真ん中)をいただいたのです。青梅(生)と氷砂糖、リンゴ酢で漬けられた正真正銘の「梅シロップ」になります。
そして、もう一種はもちやぷらすスタッフが昨年漬けた「梅シロップ」(写真左)。てんさい糖と青梅のみで漬けたという一品です。
まずは、もちやぷらす編集部・わだ製「梅シロップ」の感想から、どうぞ!
1:もちやぷらす編集部・わだ製「梅シロップ」
2:中日本氷糖製「梅シロップ」
3:もちやぷらすスタッフ「梅シロップ」
そのほかの感想はこちら。
1:もちやぷらす・わだ製「梅シロップ」
・若い梅の香りと少しとげのある梅の味が口のなかであばれ、幼稚園の園庭を彷彿とさせる。
・ビネガージュースのようにスッキリした感じでした。
・朝に飲みたいサッパリ味。
・すごくサッパリ飲めます。リンゴ酢がまだ強めですが、梅の香りもします。もう少し時間を置いて梅の香りを付けるともっと美味しいハズ!
2:中日本氷糖製「梅シロップ」
・スタンダードな梅の香りとその後ろからリンゴの香りが漂い、梅の木がたくさん生える公園でお散歩しているような、リラックス感が身体を包み込む。
・わだ製より味にコクがでている感じです。リンゴ酢の味がほぼ消えて梅の香りと甘みが強くなります。炭酸で濃いめに割ると美味しいはず!
・お酒と割りたい。
・「梅で健康」なドリンクっぽいです。酸っぱいのが苦手な人にはちょっと飲みにくいけど一番効きそう。ゼリーにしても美味しそうですね。
3:もちやぷらすスタッフ製「梅シロップ」
・まろやかな甘さのなかに温かい梅の香りがあとから口のなかに広がり、実家の畳の上で昼寝をしている安心感が味わえる。
・甘みが一番強い。少し熟したコクのある飲み口でした。
・嗜好品。
・コクがあっておいしいです!
・あとからしっかり梅の香りと味わいが口のなかに残ります。
3種類それぞれの味の感想はいかがでしたでしょうか。
私の作った「梅シロップ」は、まだ味が落ち着いていない印象。しかし、爽やかな酸味と梅の香りが楽しめると、おおむね好評でした。
もう少し熟成させれば、より味に深みがでてくることでしょう。
それと3週間、ずっと育てていたというのもありますが、ものすごく愛着がわきました。
毎日変化する梅と氷砂糖を観察するのは、想像以上にワクワクしますよ。
お子さんもそうみたいですね。毎日、まだかな、まだかな?ってワクワクしているみたいですよ。
とのことなので、お子さんがいらっしゃる方は、ぜひ試されてみてはいかがでしょうか。
氷砂糖でアップルジェリーにチャレンジ!
「梅シロップ」試飲会に出品していた、もちやぷらすスタッフが、氷砂糖を使ったデザートに挑戦してみました。
氷砂糖の純度の高さを活かしたデザートを作りたい!
ということでセレクトした「アップルジェリー」ですが、予想外の結末に…!?
準備するもの
- リンゴ(ジョナゴールド、サンフジ) 1.2kg
- 水 1リットル
- レモン汁(ポッカレモンで代用) 140cc
- 氷砂糖 2kg(アップルジェリー用1,400g、ジャム用600g)
作り方
①ジュース抽出用に目の細かい布(サラシやガーゼ等)を用意。煮沸消毒して固く絞る。
②リンゴを塩できれいに洗って水気を切る。
③皮をむき、芯ごとさいの目切りにする。
④水とレモン汁を入れた鍋にりんごを入れて柔らかくなるまで煮ます。
⑤柔らかくなったリンゴをヘラなどで潰し、汁ごとボウルへ移して、こします。
2~3時間かけて煮崩れさすか、15分くらい煮てブレンダーなどで潰す。
こす時は、絞らず自然に任せる。大体一晩(6~8時間くらい)待つべし。
⑥ビン詰め用のガラス容器と蓋を煮沸消毒する。
⑦ビンをひっくり返して自然乾燥。ビンのフタを使って隙間を作るときれいに乾燥できます。熱いので気を付けて。
⑨ジュースを量りながら鍋へ移します。今回は1,400ccできました。実はジャムにするので、芯や皮は入れないように一旦ボウルへ移します。
⑩1,400ccのジュースに対して1,400gの氷砂糖を入れます。
⑪ジュースに氷砂糖を入れて溶けるまで加熱。氷砂糖が入るとアクがでてくるのでこまめにすくう。
⑫氷砂糖が溶けたら少し火を強めて沸騰させる。アクを取りつつ液体の量が半分くらいになるまで煮詰める。
⑬別の鍋でリンゴの実と氷砂糖600gを入れて火にかける。砂糖が溶けるまでは焦がさないようとろ火で。
⑭ジュースはある程度煮詰めたら粘度を確かめる。
コップの水に1滴落としてすぐに散らなければいい感じとのこと。
熱いうちに瓶へ入れて蓋をし、あとは自然に常温になるまで冷まして冷蔵庫へ。
そして翌朝。
「完成という名の失敗」。
ジェリーにならずサラサラジュースのままでショック。
調べたら煮詰めた状態で糖度60%以上、ペクチン1%以上が必要らしい(泣)
氷砂糖追加して再度チャレンジ予定なので、こうご期待!?
まとめ
身近なようで、遠い存在だった氷砂糖。
ですが、果実と組み合わせることで、その距離はグッと近くなりました。
今回ご紹介した「梅シロップ」は、仕込み作業だけなら30分もかかりません。
また、それ以外の果実についても同様です。
あとは1~3週間、1日一回振るだけ!
果実のシロップは、1度作ってしまえば、あとはさまざまな料理にアレンジできる優れものです。
季節のフルーツから、通年あるものまで、漬けられないものはない!とまではいきませんが、ある程度カバーできるので、ぜひお好みのフルーツで楽しんでみては?
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