「世界の山ちゃん」代表・山本久美さんに聞く！仕事、子育て、家事。どう両立してますか？

さっそくですね笑。
両立というよりも、自分が出来ることと人に任せられることを、分けて考えています。
私は代表就任前、中学校3年生と中学校1年生の女の子と、小学校2年生の男の子を育てる専業主婦でした。
それまで、主人から会社の話しを聞くことはあっても、直接関わるということはなかったんですね。

「てばさ記」という、お客様向けのかわら版通信の制作は担当していましたが、お店に立つなどはなかったですね。会社へ行くのは月に1、2回。メインは主婦業でした。

独身時代は、教員として小学校に勤務していました。
でも、もともと家事が好きだったのもあり、「結婚したら専業主婦になろう」と決めていたんです。
私はひとつのことに夢中になる性格なので、仕事をしながら育児や家事をこなすのは難しい。そう思っていたので、結婚を機に専業主婦になりました。

料理、手芸、ガーデニングや「てばさ記」の制作など、いろんなことを割りと器用にこなせるタイプなんですが、一度にたくさんのタスクを進めるのは向いていないんです。
そういう意味で言うと、ちょっと不器用なのかもしれませんね（笑）。

そうですね。
主人が亡くなってから、就任まで一週間ほどしか時間がなかったんです。
突然のことだったので、悩みましたし、不安もありました。
自分が考えていた人生とは、まったく違う方向に進んでいくのを感じていましたね。

専業主婦時代は本当にゆっくり過ごしていました。朝は子どものお弁当と朝食の準備があったので起きるのは早かったですが、彼女たちを送り出したら自分の時間。
そして掃除や家事の合間に、韓ドラを見たりしていました（笑）。

代表取締役に就任してからは、本当に忙しくなりましたね。
一番ハードだった時期は、主人が亡くなったばかりの時で、娘がちょうど受験の時だったんです。
帰宅後に、夕食を作って、塾の送迎をしていました。
送り届けて帰宅したら、家の片付けをして、塾が終わる頃にまたお迎えに行きます。この時期は疲れていて、車のなかで仮眠をとることもありました。

どんなに忙しくても「食」だけは手を抜かないようにしているんです。
できるだけ冷凍食品などは使わず、季節の食材や栄養バランスに気をつけて料理を作るようにしています。

「あらかじめ献立を考えて、当日の朝か前日の夜に材料を仕込んでおく」ですかね。
献立を決めてから料理する、これは専業主婦の時から変わっていません。

毎日買い物をしている時間はないので、人参やじゃがいもなど、日もちする食材はストックしています。都度買いに行くのは、葉物野菜やお刺身くらいですね。
もうひとつのこだわりは、料理は出来立てを食卓に出すこと。
子どもたちには温かい料理を食べさせてあげたい、という思いがあって。
やっぱり温かいものは冷めないうちに食べるのが、一番幸せだと思っています。

素材にもこだわりがあって、お庭でたくさんの野菜を育てているんです。ほかにも、サクランボ、ビワ、レモン、ブドウの木もありますよ。

いえいえ、畑ではなくほとんどプランターで育てているんです。

ミニトマトだけ小さな畑で育てていて、それ以外は全部プランターです。
レモンやビワの木もプランターで育てています。
プランターは新しい土を入れて栽培をするので、作物がよく育つんです。
でも、保水性がないので毎朝水やりは必要になりますが…。

いえいえ、さぼってしまうこともあります。
忙しくて水やりできなかったら、次の日に倍量の水をあげよう、という感じなので。

野菜はお料理でいただきますね。
自宅にサクランボの木もあって、季節になると木に登って実を収穫しています。
ジャムにすると美味しいんですよ。

グリル料理ですね！グラタンとかラザニアとか。子どもたちも大好きです！

子どもたちが一番好きなメニューは「ママ唐」です。

特製の唐揚げのことです。子どもたちからは「外で食べるやつよりおいしい」って言ってもらえます（笑）。
ニンニクとゴマ油、豆板醤、醤油、みりん、酒、砂糖に鶏肉を漬け込んでおいて、片栗粉で揚げるんです。あと、「巻き巻き」も人気があります。

豚肉で野菜を巻いて、揚げたり、焼いたりするメニューです。栄養がしっかり摂れるように、カボチャ、人参、ゴボウ、ブロッコリーの茎、オクラ、アスパラガスなどを使っています。
子どもたちも野菜をたくさん食べてくれるので、定番メニューですね。お肉ばっかりだと、偏っちゃいますから。

あと、専業主婦時代はスイーツも作っていました。
ガトーショコラやメロンパン、アップルパイなんかも手作りしていましたね。そういうことが好きなんですよ（笑）

お弁当は子どもたちが食べたいメニューを取り入れています。
例えば、長女からは「野菜中心のお弁当」、次女からは「お肉の入ったお弁当」とリクエストをもらえば、2種類作っちゃいます。

お弁当は食べたいものを食べて欲しいので、2種類用意していましたね。
身体のことも気遣いますが、どちらかに合わせてがまんするより、子どもには喜んでお弁当を食べてもらいたいと思っています。

もちろん！
子どもへの愛情として、お弁当も朝作ったものを食べさせてあげたいんです。
夕食で仕込んだ唐揚げやエビフライなどを残しておいて、朝揚げるようにしています。
冷凍してストックすることも出来ますしね。

洗濯は私が洗って干しますが、あとは娘たちに任せています。取り込んで、畳むまでを一週間交代制で。
私が働くようになってからは、帰りが遅くなることが増えたので、お風呂掃除も手伝ってもらっています。

洗濯機は乾燥機能付きですが、私は外干しにこだわっています。
お日様でカラッと乾かしたいんですよ。

洗濯物が雨で塗れたら、また洗い直していますね。
夏は突然雨が降り出すのでもう大変です。変なこだわりが自分を苦しめる（笑）。

逆に、お掃除にはこだわりはありませんね。

ロボット掃除機を使ってはいますが、ひと部屋しか充電がもたないのがネックなんですよね。中途半端にキレイになる（笑）。

しかも、私は機械との相性が悪いんですよ。電化製品がすぐに壊れてしまう。会社でもよく「電波を発している」って言われるんです（笑）

お掃除だけは、利用していますね。
汚れが蓄積しないように、2週間に一度、3時間の掃除をお願いしています。

そう感じないように、なるべく家に人がいない時間にお願いしていますね。
仕事を始めたばかりの頃は、私の母が手伝うという話しもありましたが、それは難しいかなと。そこでスポットで家事代行サービスを利用することにしました。

エアコンと換気扇も業者さんに依頼していますね。
例えば、エアコンは臭いが気になってくるので、数年に一回は業者さんに掃除してもらうんです。
換気扇は、自分で外せる部分は食器洗い洗浄機で洗いますが、中はどうしても洗えないので、業者さんにお願いするようにしています。

そうですね、サービスというよりは、女性がベビーシッターさんや、家事代行さんを頼みやすい世の中になればいいのに、とは常々思っています。

例えば、男性が単身赴任をしていて、食事の準備や掃除を家事代行さんにやってもらうとします。そうすると、周りからは「工夫されているんですね」と言われ、非難はされづらいじゃないですか？

でも女性がそれをすると、やっぱり非難されやすいですよね…。
仕事に関しても、社会に進出したいと思っている女性の方もいらっしゃると思うし、家庭のことをやりたいと思う男性の方もいらっしゃると思うんですよ。だから性別に関係なく、やりたいことが当たり前に出来る世の中になればいいと思っています。

主人も従業員には「家族を大事にしなさい」と言っていて、最近は男性も育児休暇をとれるようにしていました。
私が代表になってからは、業務によっては在宅勤務も出来るように取り組んでいます。
飲食店勤務だと在宅は難しいですが、本部で働いている方は、柔軟に対応してもよいと考えているんです。
少しでも社員が働きやすい環境になっていけばいいな、と思っています。

「幻の手羽先」は、もともとは会長が他社の味をまねして作ろうというところから始まったんです。でも、同じような味にならなかったんです。
それなら違うものを作ろうということで、コショウをたっぷりきかせて、まったく別の味にしてしまったそうです。

全国に広がったのは、辛いものブームのおかげですね。
メディアに取り上げられて広がっていきました。
「幻の手羽先」は先代が生み出した味なので、私たちは受け継いでいかなければいけないと思っています。

味の決め手となる幻のコショウは、香りと風味が本当に豊かなのが特徴です。各店の店長さんは、同じ見た目のコショウを出しても、違いがわかるそうです。