枕をひっくり返してみたらそこには黒い点々…。
まさか枕にカビ!?
カビの生えた枕を見るとショックを受けますが、わりとよくあることなんですよ。
ただ枕のカビは健康被害をもたらしたり、ダニの発生原因となったりしますのですぐに対処しておきましょう!
枕のカビは、オキシクリーン®などの酸素系漂白剤で漂白すれば、ついでに黄ばみや悪臭も除去できます。
ここでは枕をオキシ漬け®する方法をご紹介しますので、さっそくチャレンジしてみましょう。
そのほか洗えない枕のカビ除去方法、枕のカビ予防法などをご紹介していますので参考にしてくださいね。
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そもそも枕はカビが生えやすい
そもそもカビは「真菌類」と呼ばれる微生物で、胞子を飛ばして繁殖する生物です。
その胞子は空気中に浮遊しているものなので、環境がそろってしまうとどこでもカビが発生してしまうんです。
カビが好む環境とは次のような条件のそろったところです。
- 栄養(ホコリ・フケ・皮脂・食品カス)
- 水分(湿度65%以上)
- 酸素
- 温度(20℃以上)
枕周辺の環境は、これらの条件がそろいやすい場所ですね。
寝ている間に汗をかいたり皮脂やフケが落ちたりするので、栄養や水分は十分にあります。
またカビが好む温度や湿度を見てわかるように、人間が過ごしやすい環境をカビも快適だと感じるようです。
そのためどの家庭でも、枕にカビが生えることはめずらしくありません。
ですが、カビは放置すると健康被害を及ぼすことがありますし、アレルギーの原因となったりもします。
適切な方法で除菌&漂白をしていきましょう。
ここからは、枕の素材別に洗浄方法を紹介しますので参考にしてくださいね。
枕をオキシ漬け®する方法
枕を洗う前に、洗濯表示を確かめておいてください。
洗濯表示タグに選択可能のマークがついていれば、ここで紹介する方法で枕を洗濯していきましょう。
一般的に丸洗いできる枕の素材は、
- ポリエステル
- パイプ
- コルマ・ミニボール
などです。羽毛枕は、商品によって洗えるものと洗えないものがありますので、洗濯表示を確認しましょう。
準備するものは
- アルコール除菌スプレー(アルコール度数70%以上)
- オキシクリーン®などの酸素系漂白剤
- 洗濯用洗剤
- 枕が入る洗い桶(衣装ケースで代用可)
- お湯(50℃くらい)
- ラップ
- ゴム手袋
です。それでは、さっそく枕を洗っていきましょう。
ステップ1:アルコール除菌スプレーで消毒する
はじめに、アルコールをふきかけて除菌していきます。
カビ除菌というと、カビキラーなどの「塩素系漂白剤」を思い浮かべる方が多いでしょう。
もちろん塩素系漂白剤はカビには効果がありますが、アルコールでも十分カビを退治できるんですよ。
カビの胞子は、アルコールに少し触れただけで死滅します。
アルコールは、傷口の消毒などにも使われるほど安全性が高いもの。
塩素系漂白剤と比べると、素材を傷めにくいのでカビ除菌には安心して使えるんですよ。
ただしアルコールには、漂白力がありません。
カビを死滅させることはできても、黒カビの色を落とすことはできないのです。
アルコールで除菌したあとには、酸素系の漂白剤を使って黒カビを落としていきましょう。
ステップ2:オキシ漬け®する
アルコールでカビを除菌したあとは、オキシクリーン®を使って黒カビ汚れを落とします。
オキシクリーン®がないときには、酸素系漂白剤で代用しても大丈夫です。
ドラッグストアやホームセンターなどで手軽に購入できる酸素系漂白剤には次のようなものがありますので、買いやすいものを準備してくださいね。
- オキシシャイニー®
- オキシファイン®
- オキシフィニッシュ®
- ワイドハイター®(粉末)
これらの洗剤の成分はほぼ同じですので、どれでも効果があります。
酸素系漂白剤を使う最大のメリットは、色柄物の漂白に使えることです。
「漂白」というと、「真っ白になってしまうのでは?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが酸素系漂白剤は、汚れだけを浮かして落としてくれるという優れものですので安心です。
お気に入りの枕の色柄はしっかり残せますよ。
それでは酸素系漂白剤を使って、枕を漂白していきましょう。漂白のしかたは「つけおき」です。
手が荒れるので、作業は手袋をはめてからおこなってくださいね。
枕を漂白する手順
- STEP1
-
洗い桶(衣装ケース)に枕を入れる
- STEP2
-
カビが気になる部分に酸素系漂白剤をふりかける
- STEP3
-
枕の上からお湯をかける(枕が浸るくらい)
- STEP4
-
お湯が冷めないよう、洗い桶にラップでフタをする
- STEP5
-
汚れが落ちるまで放置してつけおきする(最大2時間)
これで枕のカビ汚れはスッキリ落とせますよ。
あとは洗濯表示に従って枕・枕カバーを洗いましょう。
真っ白な枕カバーを使っている場合には、ハイターやキッチンハイターなどの塩素系漂白剤を使うという手もあります。
酸素系漂白剤よりも短時間で真っ白にできますので時短になりますよ。
ただし塩素系漂白剤には安全上注意しなければいけない事項がありますので、洗剤のパッケージにある注意をよく確認して作業してくださいね。
ステップ3:丸洗いして乾燥させる
枕のカビを除菌して漂白も終えたら、最後に丸洗いをしましょう。
洗い方は、枕の洗濯表示をよく確認してくださいね。
「手洗い」での枕の洗濯は次のような手順でおこないます。
枕の手洗い方法
- STEP1
-
洗い桶にお湯を入れる
- STEP2
-
洗い桶に洗濯洗剤を溶かす
- STEP3
-
枕を入れてもみ洗いをする
- STEP4
-
洗剤がなくなるまで水ですすぐ
- STEP5
-
大きめのタオルで枕の水分を吸収させる
- STEP6
-
風通しのよいところで丸一日よく乾かす
洗濯機で洗う場合は次のような手順でおこないます。
枕を洗濯機で洗う方法
- STEP1
-
枕を洗濯ネットへ入れる
- STEP2
-
洗濯機へ枕と洗濯用洗剤を入れる
- STEP3
-
「ドライ」や「ドライクリーニング」など優しく洗うコースで洗う
- STEP4
-
洗濯がおわったら軽くたたきながら形を整える
- STEP5
-
風通しのよいところでよく乾燥させる
枕が大きすぎて(洗濯槽が小さくて)洗濯機に入らないという場合には、コインランドリーを使用するのが便利です。
洗濯表示に「洗濯機で洗える」「手洗いできる」の2点があれば、コインランドリーでも問題なく洗えますよ。
また洗濯表示に「高温の乾燥機にも耐えられる」というマークがついていれば乾燥機にもかけられます。
乾燥機×のマークがついている場合には、乾燥機が使えませんので注意しましょう。
丸洗いできない枕のカビを落とす方法
丸洗いできない枕の素材には次のようなものがあります。
- そばがら
- ウレタン
- 羽根
そのほか、洗濯表示で水洗い不可となっているものは丸洗いできません。
丸洗いできない枕の場合、まずはカバーを外して除菌と漂白をします。
カバーは上記で説明したように、アルコールで除菌、酸素系漂白剤で漬けおきして漂白をし、通常通りの洗濯をしましょう。
枕本体は、カビ部分にアルコールスプレーを吹きかけて除菌し、中身は天日干しにするという方法でカビを除去していきます。枕本体の素材別お手入れ方法を解説しますので参考にしてください。
そばがら枕のお手入れ方法
そばがらは、水濡れ厳禁!丸洗いしたい気持ちをぐっと我慢して、天日干しをするのが基本のお手入れとなります。
天気の良い日に新聞紙を広げ、その上に広げて乾燥させましょう。
そばがらは洗えませんので、ふだんからこまめに天日干しをすることが大切。
中身まで出して干すのは大変ですので、カバーをつけたまま、こまめに風通しのよいところへ干すようにしましょう。
またそばがらは消耗していくので、中身を入れ替えるという方法もあります。
定期的に中身を交換し、清潔な枕で気分一新していきましょう。
ウレタン素材・低反発枕のお手入れ方法
低反発枕の素材としてよく使われているのがウレタン素材ですね。
ウレタン製の枕、じつは水を通しにくいので洗濯不可能なんです。
水で濡らしたときには、ウレタン内部に浸み込んでたまってしまい、乾かせなくなります。
うっかり水につけて洗ってしまうと、乾燥するのに1週間ほどかかってしまうでしょう。
1週間も濡れた状態が続けば、雑菌が繁殖、カビも増える一方です。
それではウレタン枕は「天日干し」がよいのかといえば、それもNGなんです。
ウレタン素材は紫外線に当たると急速に劣化が進み、ボロボロになります。
というわけでウレタン素材の低反発枕をお手入れする方法はただひとつ。
- 陰干し
だけです。
表面についたカビ菌はアルコールをスプレーし、こまめに陰干しをしましょう。
ウレタン素材の枕は、お手入れ方法が限られます。
万が一カビが生えたときには思い切って新調するのがよいでしょう。
羽毛枕のお手入れ方法
洗えないタイプの羽毛枕は、部分的に手洗いをします。
洗剤は、「エマール®」などのオシャレ着洗いを選びましょう。
大きめの枕の場合、浴槽で洗うのがおすすめですよ。
それでは手順を解説します。
枕を部分洗いする方法
- STEP1
-
浴槽にお湯をためる(40℃くらい)
- STEP2
-
枕の汚れ部分にお湯をつける
- STEP3
-
汚れ部分に洗濯洗剤をつけてもみ洗いする
- STEP4
-
洗剤がなくなるまですすぎ洗いをする
- STEP5
-
水気を絞る
- STEP6
-
形を整えて風通しのよいところで陰干しする
枕の中に湿気が残っていると、カビが生えやすくなります。
しっかり乾燥させてくださいね。
羽毛枕はこまめに陰干しして乾燥させることが大切!
湿気をなくせば、枕のニオイも解消されますよ。
枕のカビは予防できる
枕のカビは、使い方や普段のお手入れ次第で予防することができるんですよ。
カビが繁殖しやすい環境を作らないようにしましょう。
ここでは簡単にできる対策3つを紹介しますので、できることを取り入れてみてくださいね。
寝室に湿気がこもらないようにする
人は寝ているときに大量の水分を放出します。
そのため寝室には湿気がこもりやすく、カビが生えやすいんですよ。
枕の湿気対策は、まず寝室の湿気対策から!ということで、寝室の湿度を下げていきましょう。
枕以外の場所のカビ対策にもなるのでおすすめですよ。
寝室の湿気対策としては
- 換気をする
- 除湿剤を置く
- 過度な加湿に注意する
- 除湿器を使用する
などがあります。とくに春先から梅雨にかけては、気温も湿度も高くなりがちです。
知らぬ間に黒カビの大発生…。
ということにならないよう、寝室の湿度に気を配っていきましょう。
髪を乾かしてから寝る
髪がぬれたまま寝ると抜ける・はげる…?といったウワサが本当かどうかはわかりません。
でも、髪の毛に残っている水分は枕へ浸透し、カビ発生の原因となります。
適度に湿っていて温かい、そしてフケやホコリがあれば、カビ菌にとっては快適な環境となります。
すこしでもカビ発生の原因は取り除いておきましょう。
髪が濡れたまま寝ると、よいことはあまりないようですね。
しっかり髪を乾かしてから寝ることをおすすめします。
枕の洗濯やお手入れをこまめにおこなう
枕は、就寝中に大量の汗などを吸収します。
そのためこまめに風を通して乾燥させることが大切です。
外へ干せないときには、室内のよく乾燥する場所や風通しのよいところへ移動させておくだけでも効果があります。
また洗える枕は、こまめに洗うのがおすすめです。
最近の枕は洗えるタイプが増えているようです。
洗濯ネットに入れて「ドライコース」で洗うだけですので、それほど手間もかかりませんね。
枕カバーは週に1回、枕本体は半年に一度程度洗ってリセットしましょう。
*オキシ漬け、オキシクリーンはチャーチ・アンド・ドゥワイト・カンパニー・インコーポレイテッドの商標登録です。
*オキシフィニッシュはライオン株式会社の商標登録です。
*オキシファインは扶桑化学株式会社の商標登録です。
*ワイドハイター、エマールは花王株式会社の商標登録です。