カブトムシの育成マットに白カビ?飼育のトラブルと対処法を解説!

カブトムシの育成マットに白カビ?飼育のトラブルと対処法を解説!

ビートルズを聴いたその日からロンドンに憧れを抱いている、もちやぷらすライターの茶美代(チャミヨ)です。
今回は、カブトムシを育成するマットについてのお話です。

育成マットは幼虫の住処になるだけでなく、カブトムシの成長に必要な栄養分も含まれていて、成虫になってからも産卵場所や隠れ場所として使われます。
ただし、一度敷いたら放置していいわけではなく、マットの状態によっては定期的に交換や手入れも大切なんです。

この記事では、カブトムシの育成マットにカビ・虫などが発生したときの対処法交換のタイミングについて解説します。
とくに、はじめてカブトムシを飼う方は、健康なカブトムシを育てるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

白い菌糸はカブトムシの成長に必要なもの

伸びた菌糸

育成マットは、オガクズや広葉樹などを発酵させたもので、エサとなる栄養が豊富に含まれています。
その中には、キノコ類の菌類も含まれていて菌糸が成長すると、根っこのような白いカビ状のものが見られるようになります。

この菌糸は、オガクズを分解して幼虫に必要な栄養を作る働きをしているので、カブトムシの幼虫や成虫に害はありません。
むしろキノコ類の菌糸は、カブトムシの成虫には欠かせないものなんです。
クワガタの幼虫を育てるときには、菌糸が詰まった菌糸瓶で育てるという方法もあります。

キノコ類の菌糸は、低温で管理すると発生しやすくなります。
もし菌糸の量が多くなり見た目が気になる場合は取り除きましょう。

青カビや緑カビは取り除くのがおすすめ

育成マットにはキノコ類の菌糸の他に、青カビや緑カビなどが発生することがありますが、カブトムシの幼虫や成虫に直接的な害はありません。
しかし、青カビや緑カビからキノコ類の菌類が攻撃を受けてしまうと、幼虫が食べる栄養分が減ってしまうおそれがあるので取り除くようにしましょう。

特に青カビは空気中に浮遊しているカビなので、湿度・温度・栄養の条件が揃う飼育ケース内ではどうしても発生しやすくなります。
気付かないうちにカビが繁殖していたなんてことにならないよう、定期的にマットの状態を確認してくださいね。

育成マットを交換するタイミングの目安

一般的に、育成マットを交換する目安は2~4ヵ月ごととされていますが、飼育ケースの大きさや個体数によって交換するタイミングは変わります。
とくに、以下の症状が見られる場合は早めに追加や交換をしましょう。

マットの表面が幼虫のフンで覆われている

育成マットの表面がフンでいっぱいになっている場合は、マットの栄養素が少なくなっている可能性があります。
栄養が足りないと幼虫の成長に影響が出ることもあるので、新しいマットに交換しましょう。

マットの量が減っている

マットをはじめに敷いたときより量が減っているときは、幼虫が栄養分を食べて減っていることが考えられます。
栄養分を補給するために、新しいマットを追加して混ぜ合わせてください。

ダニやコバエが発生している

育成マットには栄養が豊富に含まれているため、ダニ・コバエ・線虫などの虫が発生することがあります。
いずれの虫も、カブトムシの幼虫や成虫にとって直接的な害はありません

しかし、大量発生するとマットに含まれている栄養素が奪われてしまうこともあります。
もし虫が気になる場合は、取り除くかマット交換するのがおすすめです。
また、コバエやダニの発生を抑えるシートもあるので、活用してみるのもよいかもしれません。

成長段階によってはマット交換時に注意が必要

カブトムシの成長過程

カブトムシの成長段階によっては、マットの交換を避けるべき時期があります。

カブトムシの幼虫は、マットに含まれる栄養を摂取するために、成長期は手や口が活発に動いています。
そして蛹(さなぎ)になる時期が近づくと、白い身体が黄色に変わりはじめ、蛹室(ようしつ)といわれる部屋を作り始めます。

飼育環境によって異なりますが、カブトムシが蛹になる時期はおもに5~6月です。
カブトムシの蛹はデリケートで、少し衝撃を与えただけでも死んでしまうことがあるので、この時期のマット交換はおすすめできません。

どうしても交換が必要という場合は、蛹にダメージを与えないように人口蛹室などを使い、取り扱いには十分に注意してください。
また、幼虫の時でも頻繁にマットを交換すると、成長を阻害してしまうおそれがあるので注意しましょう。

育成マットは「湿度」と「温度」の管理が重要なポイント

温湿度計

夏の暑い時期に活動するイメージのカブトムシですが、どんな環境でも立派に育つというわけではありません。
健康なカブトムシを育てるには、適切な湿度や温度を一定に保つように管理することが大切なんです。

適度な水分を保って乾燥を避ける

育成マットは、適度に湿度を保ち乾燥させないことが大切です。
軽く握るだけで固まり、指で突くと崩れるくらいの水分量にしておくと長持ちします。
マットの湿度が不足すると、羽化したあとカブトムシの関節が切れてしまうこともあります。
乾燥した状態が続くと弱って死んでしまうこともあるので、加水して湿度を保つようにしましょう。

逆に、マット内の水分が多すぎる場合も注意が必要です。
水分が多くなりすぎ腐ったマットは黄土色に変色して、幼虫が食べなくなってしまいます。
さらに、ドロドロになったマットは通気が悪く、幼虫が弱ってしまう原因になるんです。

生育環境に合わせた温度管理をする

カブトムシを育てるには、飼育環境を把握しておくことも重要です。
飼育ケースは、直射日光が当たらないようにして、30℃を超す場所には置かないようにしましょう
自然界に住んでいるカブトムシも、常に30℃を超える環境にいるわけではなく、日陰など涼しい場所を選んで過ごしているものです。

さらにいえば、種類によって生息地域が異なるため、生育環境に近い温度管理が必要です。
特に標高の高い地域で生息しているカブトムシは、夏季の暑さ対策としてクーラーや保冷剤などを使って温度調整しなくてはいけません。
また、冬の温度対策も同じように寒くなりすぎないように、パネルヒーターなどを使って一定の室温を保つことも大切です。

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マットの再発酵にも注意が必要

育成マットは、高温の環境下や加水すると再発酵して熱を帯びることがあります。
再発酵すると熱を帯びるだけでなく、ガスが発生しマット内が酸欠状態になるため、放置しておくと幼虫が死んでしまうこともあるんです。
幼虫がマットの表面に出たままになっているときや異臭がする場合は、再発酵しているサインかもしれません。

マットが熱を帯びているときや異臭がする場合は、開封して別容器に移し、風通しのよい日陰で2~3日空気にさらしてガス抜きをしましょう。

ガス抜きでマットをほぐすときは、必ずゴム手袋を着用してください。
素手で混ぜると手に付いた雑菌がマットに入り込む可能性があります。
飼育ケースの中で雑菌が繁殖すると幼虫にダメージを与えてしまうことがあるので注意が必要です。

新しい育成マットを使うときの注意点

すくいあげた育成マット

育成マットは使う前や交換時など、取り扱ううえでいくつか注意点があります。

カブトムシ専用の育成マットを使うこと

育成マットは、カブトムシだけでなくクワガタなど昆虫の種類に合わせて、それぞれ適した発酵状態で作られています
カブトムシに使う育成マットは、発酵熟成し切ったものが向いています。
違う昆虫の育成マットを使うと生育に影響する場合があるので、カブトムシを育てる場合は専用のものを使うようにしましょう。

育成マットには、幼虫用や成虫用だけでなく、すべての成長段階に対応できるタイプがあります。
なかには、消臭成分やコバエ・ダニの発生を抑える成分が配合されたものもあるので、好みに合わせて選んでみましょう。

もし成虫を飼育する場合や産卵をさせないなら、発酵したものではなく乾燥したマットをおすすめします。
乾燥したマットは、カビが発生しにくく再発酵もしないので管理しやすく安心です。

育成マットは使う前に下準備をしておく

新しい育成マットを使用する前は、あらかじめ下準備をしておきましょう。
育成マットは輸送時の摩擦で再発酵することがあり、表面に菌糸が発生している場合もあります。
このためマットを使う前は、ほぐしてガス抜きをしてから使うのがおすすめです。
まんべんなく揉みこめば、菌糸が見立たなくなり栄養も均一に行き渡ります。

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使用後の育成マットや死骸の処理方法

カブトムシの寿命は1年~1年3カ月ほどです。幼虫として10カ月ほど過ごしたあと、成虫になってからは3カ月から半年ほどしか生きられません。長生きしてほしくても、いつかはお別れが来てしまうものです。

使ったあとの育成マットやカブトムシの死骸を、庭の土などに埋めて処理するのは避けるようにしてください。
育成マットやカブトムシには、本来生息していないダニや病原菌などが寄生しているおそれがあるからです。
そうしたダニや病原菌が、他の生物の生態系に悪影響を与えることもあります。

このため、育成マットや死骸は自治体のルールに従って、可燃ゴミとして廃棄しましょう。
トラブルを避けるためにも、死骸は中身が見えないように包んでおくことをおすすめします。

もしカブトムシの死骸をゴミとして出すことに抵抗がある方は、昆虫の供養や埋葬をしてくれるサービスを利用するのもひとつの方法です。
直接足を運べない方のために、専用キットで亡骸を郵送できるサービスもあります。

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飼育できなくなっても逃がさないこと

生きているからといってカブトムシを近くの公園などに放すのも生態系の破壊などの観点から避けなくてはいけません。
また、飼育している虫やマットをむやみに捨てることは、法律違反になる可能性があります。
軽犯罪法の第1条27号では、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」は、拘留または科料に処することが定められています。

参考:軽犯罪法 (衆議院公式ページ)

虫取り網と虫かご

もし何らかの事情でカブトムシの飼育できなくなってしまった場合は、採取した場所に返すか購入したお店に相談してみるといいでしょう。

カブトムシを飼うときは、最後まで責任をもって育てることが大切です。

育成マットの管理だけでなく、マナーも守りながら健康なカブトムシを育てましょう。

ライター

料理・掃除・音楽をこよなく愛するロック女子。飲食業の経験から衛生面には人一倍気を使っている。料理も掃除も効率の良さを追求したい派で、キッチン周りはいつでもキレイでないと気がすまない。「おいしい料理はキレイなキッチンから」が座右の銘。

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