トイレタンクが大量に汗をかいている……。
トイレの床が水浸し!
とくにトラブルがないのにこのような状態になっているときは、トイレで結露が発生していると考えてよいでしょう。
トイレでは、もしやどこかから水漏れ?と疑いたくなるほどの結露が発生することがあるんです。
またトイレの結露は冬だけでなく、夏にも発生することがあります。
トイレの結露はなかなかしつこく、放置すればカビが発生するだけでなく建物を劣化させることもありますので適切な対策が必要です。
今回は、トイレ内の場所別に結露の原因や対処法を解説するので参考にしてください。
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そもそも結露とは
結露は、温度差や湿度が原因で発生するもの。
身近な例でいえば、ガラスのコップに冷たい飲み物を入れると、表面に水滴がつくのと同じ現象です。
水蒸気を含んだ温かい空気が冷やされると、その水蒸気は”水滴”に変化します。
これは温度によって飽和することができる、水蒸気量の限界値が決まっているためです。
一般的に、温度が低くなれば結露が起きやすくなります。
ただし、空気中にある水蒸気量が少なければ結露は起きません。
空気中の水蒸気量が少ない状態。
要するに「湿度」が低ければ、結露は発生しにくくなるのです。
そんな結露の対策で最も大事なのは
- 温度差を作らないこと
- 湿気をなくすこと
この2つなのです。
トイレタンクの結露|原因と対策
トイレのタンクが濡れていると、「もしかしてタンクからの水漏れ?ひび割れ?」など心配になることがあるかもしれません。
でもトイレタンクが簡単に割れる、なんてことはそうそうありません。
また思い当たることがないのにひび割れが起こっていた、ということもほとんどありません。
水がたっぷり入っているタンクの表面が濡れるのは、多くの場合「結露」が原因であると考えてよいでしょう。
ではどのようなメカニズムでトイレに結露ができるのか、そして正しい対処法は何か、について解説していきます。
トイレタンクは結露が発生しやすい
トイレタンク内の水の温度が低ければ、結露ができるのは自然なことです。
これはトイレタンクを、飲み物グラスだと思えば理解しやすいでしょう。
結露は「温度差」や「湿度」が原因で起きるものであり、トラブルではありません。
結露してできた水滴はタンク下へと流れ、床を水浸しにすることもあります。
このようにトイレタンクは、もともと結露が発生しやすい構造となっているのです。
トイレは「梅雨」や「夏」の結露にも注意
トイレタンクに結露ができるのは冬だけではありません。
夏にもできるということをご存じない方は、意外と多いようです。
梅雨や夏の時期は、空気中の温度や湿度が高くなっています。
この状態でトイレタンク内へ冷たい水が流れると、タンク外の空気に含まれる水蒸気が冷やされ、タンク表面に水滴がついてしまうのです。
また、夏の結露では「カビ」にも注意が必要です。
梅雨や夏の空気はそもそも湿度や温度が高く、カビが繁殖しやすい環境となっています。
快適な環境では、カビはあっという間に広がります。
結露に気づかず放置していると、カビや湿気で床下や壁が腐食していた……なんてことにもなりかねません。
梅雨や夏の結露には十分な注意と対策が必要です。
便器が古くなると結露しやすくなる!?
じつは最近の便器についているタンクには、「防露剤」がついています。
防露剤には、「ウレタン製」や「発泡スチロール」のものが使われています。
つまり、タンク内の冷たい温度がタンク表面の空気に伝わりにくくするよう、断熱対策がされているということ。
そのため新しい便器のタンクでは、結露を予防することができる構造になっていることが多いです。
ですが、古い機種の便器の場合は断熱対策がされておらず、結露が発生してしまうかもしれません。
また断熱対策が施されたトイレタンクであっても、いずれ断熱効果が薄れるおそれはあります。
防露剤とタンク内壁との間にすきまができて、そこへ水が入り込むのがおもな原因です。
それまで結露が発生しなかったのに、急にタンクに水滴ができ始めた!
というケースでは、残念ながら防露剤の効果がなくなってしまったと考えてよいでしょう。
その場合は、こまめに結露対策をしていくしかありません。
トイレタンクの結露を解消させるには
トイレタンクに結露ができているのなら、とにかく乾いた雑巾などで水滴をふき取っておきましょう。
また床にまで水滴が落ちる場合には、ポタポタ落ちる場所に雑巾を敷き詰めておくことも重要です。
タンクの結露の応急処置には、「トイレタンクカバー」を取りつけるという方法もあります。
適当なものが見つからない場合は、タンクに布を巻き付けておいてもよいでしょう。
多少のDIYならできるという方は、防露材の修復をするという方法もあります。
とくにそれまで結露していなかったのに急に水滴がつき始めた、という場合には効果が期待できるでしょう。
まずはタンク内にある防露材を確認してみてください。
防露材とタンク内壁の間にすきまができて水が浸入しているのかもしれません。
防露材がずれてしまっているだけという場合は、防露材をタンクの内壁にしっかり密着させれば、再び結露を防止できるようになるでしょう。
ただし防露剤が膨張して浮いてしまっているといったケースでは、自力での修復が不可能です。
防露材が修復不可能な場合、根本解決には便器自体の交換をするしかありません。
この場合は水道屋さんに相談して結露対策をしっかりしてある便器へ交換するのが、意外と手っ取り早い方法です。
トイレ窓やドアの結露|原因と対策
トイレの窓やドアの結露が気になる場合は、どうしたらよいのでしょうか。
それぞれの原因と対策について解説します。
トイレ窓の結露
冬のトイレの窓には、とくに結露ができやすくなります。
結露対策として効果的なのは換気ですが、寒い冬に窓を開けっ放しにするのもつらい……というのが正直なところですよね。
まずは、換気扇を常時運転させておくのがおすすめです。
それでも結露ができてしまうというときには、通常の窓における結露対策と同様の対処をしていきましょう。
窓の結露対策には
- 結露防止スプレーをかけておく
- 結露防止テープを貼る
- 断熱窓にリフォームをする
などの方法があります。
窓の結露を防止するには「窓のリフォーム」が最も確実で、簡単な方法ですが、費用がかかるというデメリットもあります。
自分で簡単にできる対策は、スプレーやテープなどのグッズを利用する方法です。
トイレドアの結露
トイレのドアノブが金属でできている場合、その付近には結露が発生しやすくなります。
ドアノブが濡れている場合には、内部に水が入り込んで錆が発生してしまうことも。
水滴は、こまめに拭きとっておきましょう。
ドアノブ付近の結露が気になる場合には、
- ドアノブにカバーを取りつける
- ドアノブを樹脂製のものに取り換える
などの方法があります。
トイレ配管の結露|原因と対策
トイレタンクへの給水管や止水栓付近は、トイレ内でも冷たい水が流れる場所。
そのため、結露もできやすくなっています。
また給水管や止水栓の素材は金属ですので、冷たくなりやすい部分です。
ここにトイレ内の空気が触れると、結露ができやすくなります。
配管付近は目立たない場所ではありますが、結露ができやすい部分ですのでしっかり水滴をふき取っておきましょう。
配管の結露防止対策としては、
- 結露防止テープを貼ってお
- カバーを設置する
などのやり方があります。
トイレ床が結露で水浸し!原因と対策
水をこぼしたわけでもないのに、トイレの床が水浸し……。そんなときには水漏れ?便器故障?と慌ててしまいがちですよね。
ですが結露などの自然現象であることも多いので、落ち着いて対処しましょう。
トイレ床に水がたまる理由
トイレの床に水がたまる原因はいくつかありますが、とくに思い当たることがなければ結露が原因であることが多いです。
便器やトイレタンク、壁や窓などで発生した結露が床に滴り落ち、それが原因で水浸しになっていると考えられます。
トイレ床の結露を放置するリスク
結露はトラブルではありませんが、結露を放置することは大きなトラブルへと発展することがあります。
とくに床に水がたまった状態で放置すれば、床材にカビが発生したり腐食したりします。
床材のコーティングに傷がついている場合、そこから水が入り込んでしまうこともあります。
床材が黒ずんで見栄えが悪くなるだけでなく、腐食が進んで大規模な修繕が必要になるリスクもあるので要注意です。
トイレ床の結露を解消する方法
トイレ床に水がたまる現象を解消するには、そもそもトイレ内を結露が起こらない環境にするしかありません。
前述のトイレタンク・窓などの結露対策を、しっかりおこないましょう。
便器周りにトイレマットを敷いておけば、水滴防止にもなってオススメです。
またトイレの床材がフローリングの場合は、とくに変色や腐食の心配があります。
トイレの床材としては、クッションフロアやフロアタイルが丈夫で防水効果もあります。
リフォームの際に、メンテナンスのしやすさや防水効果を重視するならクッションフロアやフロアタイルを選ぶとよいでしょう。
トイレの湿気対策
常に水を溜めているトイレでは、どうしても湿気がこもりやすくなっています。
湿度が高い空間では結露が起こりやすくなりますので、トイレ内の湿気をなくすことで結露対策をしていきましょう。
自分でできる湿気対策としては以下の3つがあります。
- 換気扇を回して排気する
- 窓を開けて換気する
- 除湿剤を置く
換気扇は、できれば24時間運転させておくのがおすすめです。
トイレの換気扇は1か月つけっぱなしにしても、電気代は数十円です。カビや結露対策グッズを購入するよりも安くつくでしょう。
また、窓がない・防犯上開けられないなどの場合は除き、窓はできるだけ開けっ放しにしておくのがよいです。
冬はとくに、換気することで湿度が低くなりますよ。
またトイレ内に除湿剤を置く場合には、なるべく下のほうに設置するようにしましょう。
なぜなら、水を含んだ空気は重く、下にたまりがちだから。
湿気の溜まりやすい場所に除湿剤を置いて、効率よく対策しましょう。
※除湿剤は、市販の商品もたくさんありますが、身近にあるもので代用することもできるんですよ。
除湿剤として代用できるのは次のようなものです。
- 新聞紙
- 段ボール
- 洗濯洗剤粉タイプ
- 重曹
- コーヒーの抽出カス
家にあるものでもトイレの除湿をすることもできるので、一度試してみてください。
まとめ
トイレの結露対策は、その原因やメカニズムを知っておくことが大切。
結露対策は、発生場所や状況によって対策を工夫する必要があるからです。
今回は、そんなトイレ内の場所別に結露対策をご紹介しました。
トイレの結露対策は、とにかく湿気をなくすことが最も重要です。
湿気をなくすためには
- 換気扇を利用する
- 窓を開けて換気する
- 除湿グッズを使用する
といった対策があります。
トイレの結露はちょっとした工夫や改善で予防することができますので、実際にやってみてくださいね。