クエン酸のpHを知って効率よく掃除!「洗剤と汚れの相性」を解説!

汚れと洗剤には-相性があるって-知っていますか?

pH(ピーエッチまたはペーハー)は、物質の性質が酸性かアルカリ性かをあらわす単位です。

クエン酸の「pH」は酸性で、その性質を利用したエコ洗剤としても人気があります。
掃除するときは、洗剤の性質を知っておくと効率よく作業を進められます。
汚れに適した洗剤を使わなければ、本来の洗浄効果を得ることができない場合もあるので、正しい知識を身につけておきましょう。

こちらのコラムでは「pH」のもつ意味のほか、クエン酸と重曹の性質の違いや効率よく掃除するためのポイントについて解説します。
エコ洗剤を使ったナチュラルクリーニングをしてみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

「pH」は酸度とアルカリ度の強さをあらわす単位

pHは、中性をpH7として14段階に分けられています。
0に近いほど酸度が強く、14に近いほどアルカリ度が強いということになります。

pHという単位はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、私たちの生活の身近なところで多く使われているんです。
学校の授業で、食品などの酸性やアルカリ性をリトマス試験紙で調べた経験がある方もいるのではないでしょうか。

たとえば、水道水は摂取しても体に害がないよう水道法でpH5.8~8.6の水質基準を保つように定められています。
また加工食品の腐敗や変色を防止するために、クエン酸などが食品添加物のpH調整剤として使われています。

ちなみに、手洗いなどに使う石けんは、pH9.0~11.0とJIS規格で定められています。
ほかにも、家庭用洗剤は家庭用品品質表示法によって、pHの濃度別に液性の表示をすることが以下のように義務づけられているんです。

pHによる液性の違い

洗剤や汚れはそれぞれに性質をもっている

ここでは、ナチュラルクリーニングの素材に使われるクエン酸や重曹が、それぞれどんな性質をもっているかをpHと一緒に見ていきましょう。

pHは水溶液の温度や濃度でも異なるため、物質ごとに決まっている値というわけではありません。
このため、pHの値は一般的な目安とお考えください。

エコ洗剤のpH値

クエン酸は酸性の性質

クエン酸のイメージ

クエン酸は自然由来の素材で、環境にもやさしいエコ洗剤です。
クエン酸のpHの目安となる値は、pH2.3ほどで酸性の性質をもっています。

柑橘系やお酢・梅干しなど酸味のある食品に含まれているほか、人の体内でも生成されるものでエネルギーを生み出す役割もしています。

重曹やセスキ炭酸ソーダは弱アルカリ性の性質

重曹のイメージ

クエン酸と同じエコ洗剤には、重曹やセスキ炭酸ソーダがあります。
pHは重曹で8.4ほど、セスキ炭酸ソーダは9.8で、性質はどちらも中性に近い弱アルカリ性です。


重曹はクエン酸と同じ自然由来の物質で、入浴剤やベーキングパウダーなどにも使用されています。
肌への刺激が少ないのも特徴で、消臭や吸湿の効果もあるんです。
長期保存もできるので、粉末状のパックをひとつ購入しておけば便利に使えますよ。

セスキ炭酸ソーダは、重曹に炭酸ソーダを混ぜて結晶化したものです。

汚れにも酸性とアルカリ性の性質がある

酸性やアルカリ性といった性質は、洗剤だけでなく汚れにもあります。
家庭内に見られる汚れは、おもに以下のようなものがあげられます。

酸性の汚れとアルカリ性の汚れ

汚れ落としには逆の性質の洗剤を使うのがポイント

クエン酸などのエコ洗剤を上手に使いこなすには、汚れに適した洗剤を使うようにしましょう。
効率よく掃除するには、汚れと逆の性質をもつ洗剤を使うことがポイントなんです。

汚れが落ちるのは中和作用がはたらくから

洗剤で汚れが落ちるのは、汚れと合わさると中和作用がはたらくためです。
洗剤と逆の性質の汚れが混ざると、中和作用によって汚れが分解され落としやすくなるんです。

このことから、性質の違うクエン酸と重曹は、落としやすい汚れがそれぞれ異なることがわかります。
pHのアルカリ度が高いほど酸性の汚れに効果があり、逆に酸度が高いほどアルカリ性の汚れを落としやすくなるというわけです。
同じ弱アルカリ性の重曹とセスキ炭酸ソーダなら、pH値の高いセスキ炭酸ソーダの方が酸性の汚れ落としに向いています。
また、洗剤の性質が中性に近い場合は、汚れ落としの効果が弱くなることも覚えておきましょう。

さらにクエン酸と重曹は、併用することで効果的に洗浄できる方法もあります。
くわしい洗浄方法については、以下のページをご覧ください。

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pHが中性の台所洗剤で汚れが落ちるのはなぜ?

中性洗剤とスポンジ

台所用の洗剤には、弱酸性や弱アルカリ性もありますが、中でも多いのが中性洗剤です。
中性なのに、なぜ汚れが落ちるのか不思議に思われる方も多いのではないでしょうか。

たしかに中性洗剤は、その性質から中和作用による汚れ落としは苦手です。
中性洗剤で汚れが落とせる理由は、油と水を混ざりやすくする界面活性剤や汚れを分解する酵素などが入っているからです。

しかし、界面活性剤自体は分解されにくい性質なので、環境面などの理由から敬遠されることもあります。
中性洗剤は、酸性やアルカリ性よりも手が荒れにくいことから、安全面が優先されている洗剤といえるでしょう。
酸性やアルカリ性の洗剤を扱うときは、手肌を守るためゴム手袋を着用するようにしてくださいね。

汚れの性質を見極めて洗剤を使い分けるのが大切

汚れや洗剤には性質があり、中和作用によって汚れが落ちるということがわかれば、あとは使いこなすだけです。
掃除にクエン酸や重曹を使う場合は、汚れの性質を見極めて適した洗剤を使うことが大切なんです。

ただし、クエン酸や重曹などを掃除に使う場合は、相性のよくない素材もあるので注意しなくてはいけません。
クエン酸や重曹を使うときの注意点などについては、以下のページも参考にしてください。

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まとめ

「pH」は、酸性やアルカリ性の度合いを示す単位で、0~14の数値であらわされます。

洗剤や汚れにもそれぞれpHがあり、種類によって性質が異なります。

クエン酸で掃除をするときは、効果的に落とせるアルカリ性の汚れに使いましょう。

掃除するときは、汚れと逆の性質をもつ洗剤を使うことを覚えておくと便利です。

洗剤と汚れの相性を見極めて、使う洗剤を上手に使い分けながら効率よく掃除してくださいね。

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ライター

料理・掃除・音楽をこよなく愛するロック女子。飲食業の経験から衛生面には人一倍気を使っている。料理も掃除も効率の良さを追求したい派で、キッチン周りはいつでもキレイでないと気がすまない。「おいしい料理はキレイなキッチンから」が座右の銘。

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