クエン酸はさまざまな食品に含まれている成分で、人の体を健康な状態に保つために必要です。
しかし、クエン酸の効果や効能を正しく知っておかないと、摂取しても逆効果になってしまうことがあります。
こちらのコラムでは、クエン酸から得られる効果や効能などを解説します。
またクエン酸を使った掃除についてもふれています。
クエン酸を効率よく使うためにも、ぜひご覧ください。
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クエン酸で得られる効果
クエン酸は酸味成分のある柑橘類、お酢や梅干しなどに含まれています。
酸味があることから酸性食品と思われがちですが、これらはすべてアルカリ性食品になるんです。
人の血液や体液は常に弱アルカリ性の性質を保つようになっていて、アルカリ性食品は酸性に傾いた体をもとに戻すはたらきをしてくれます。
また、梅干しをおにぎりや弁当の具材として使えば、雑菌の繁殖を抑えてくれるので、食中毒の予防にもなりますよ。
そしてクエン酸は体内でもいろんなはたらきをしています。
体内ではエネルギーを生み出すはたらきをする
クエン酸はアルカリ性食品に含まれている栄養成分ですが、じつは体内で生成されている物質でもあるんです。
クエン酸は、糖質・脂質・タンパク質などが分解された物質と結びついて、7つの酸に変化しながらふたたびクエン酸に戻るというサイクルを繰り返します。
この過程をクエン酸サイクル(またはクエン酸回路)といい、体を動かすエネルギーを生み出すしくみになっているというわけです。
このため、クエン酸が不足してしまうとクエン酸サイクルの機能がスムーズに回らなくなり、免疫力の低下などを引き起こすおそれがあるので注意しなくてはいけません。
ただし健康につながるからといってクエン酸を大量摂取しても、その分の効果が得られるわけではないということも知っておきましょう。
なぜならクエン酸は摂取したすべてが吸収されるわけではなく、数時間もすれば体外に排出されてしまうからです。
このことから、クエン酸は大量ではなく適した量をこまめに摂取することが大切といえます。
摂取することで食欲の増進や消化吸収のサポートもしてくれる
クエン酸には酸味成分によって唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があります。
とくに食欲不振になりがちな夏などには、酢の物などを積極的に摂るようにするといいでしょう。
またクエン酸には、水に溶けにくいマグネシウムやカルシウムなどの金属ミネラルを包み込んで、体内に吸収されやすくするキレート作用といわれる効果もあるんです。
このため水分補給にクエン酸が含まれているものを摂取することで、熱中症の予防対策になるといわれています。
スポーツドリンクにミネラルとクエン酸が含まれていることが多いのは、効率よく栄養を吸収されやすくするためなんですね。
ほかに柑橘類もクエン酸とミネラルを豊富に含んでいるので、ミネラル不足を補いたいときにはおすすめですよ。
クエン酸の効能には信ぴょう性に欠けるものもある
クエン酸は、栄養補給するための食品添加物やサプリメントなど、さまざまな形で市販されています。
しかし医学の発展などにより、これまで定説とされてきていたクエン酸の効果や効能には信ぴょう性に欠けるものもあるんです。
クエン酸の摂取によって体のバランスが整えられ、疲労が回復したと感じるケースもあります。
しかし「クエン酸を摂取することで疲労回復に効果がある」ということは、医学的な有効性のあるデータはありません。
またクエン酸を食事の中で摂取する分には問題ありませんが、サプリメントの場合は注意しなくてはいけない点もあります。
サプリメントなどの濃縮物は、過剰摂取すると体質によっては下痢や吐気などのほか、胃腸障害を引き起こすこともあるんです。
クエン酸を食事以外から摂取する場合は、過剰摂取しないように注意しましょう。
クエン酸が疲労回復に効果がないといわれる理由などについては、以下のページも参考にしてください。
クエン酸は掃除アイテムとしても効果的に使える
クエン酸は摂取するだけでなく、特有の性質を活かして汚れ落としの掃除アイテムとしても使うことができます。
ここでは、クエン酸で汚れが落ちるしくみのほか、得意な汚れや注意点などについて解説します。
中和作用のしくみ
洗剤で汚れが落ちるのは、性質の違いに関係があります。
クエン酸は酸性の性質をもっていて、アルカリ性の汚れやニオイを中和する効果があるんです。
この中和作用が起きることで、ニオイのもととなる汚れを分解洗浄することができるというわけです。
では、アルカリ性の汚れやニオイにはどんな種類があるんでしょうか。
水垢の汚れ落とし
クエン酸は中性洗剤では落としにくい水垢汚れに効果があります。
水垢は水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの金属ミネラルなので、クエン酸と結合することで、汚れが落ちるというわけです。
さらに重曹と一緒に使うことで、より効率よく汚れを落とすことができるんです。
具体的な掃除方法や注意点については以下のページも参考にしてみてください。
投稿が見つかりません。トイレなどの消臭効果
クエン酸はトイレのアンモニア臭を中和する作用もあるので、消臭剤として使うこともできます。
またトイレ内のアルカリ性の汚れにも効果があるので、掃除アイテムとしても便利に使えますよ。
クエン酸でニオイを取る具体的な方法や酸性のニオイへの対策については、以下のページも参考にしてみてください。
クエン酸を掃除に使うときの注意点
クエン酸を掃除に使うときは、注意しなくてはいけないことがあります。
むやみに使ってしまうと取り返しのつかないことになるおそれもあるので、ここでしっかり身につけておきましょう。
・素材との相性に注意すること
クエン酸には使う素材との相性があり、場合によっては変色やシミだけでなく劣化させてしまうことがあるので注意しなくてはいけません。
たとえば大理石に使うと、主成分である炭酸カルシウムがクエン酸によって分解されてツヤがなくなってしまいます。
ほかにもアルミ製の金属に使用すると黒ずんでしまい、畳や白木はシミになってしまう可能性があります。
タイルの目地も劣化させてしまうおそれがあるので、クエン酸の使用はおすすめできません。
クエン酸を使用する前に、目立たないところで試してみるといいでしょう。
・塩素系の漂白剤と併用しないこと
クエン酸は塩素系の漂白剤と混ざると、人体に害のある塩素ガスが発生します。
場合によっては、命にかかわる重大な事故につながるおそれもあるんです。
安全にクエン酸で掃除をおこなうためにも、塩素系漂白剤と併用は絶対に避けるようにしてください。
クエン酸を使用する前には、製品に表示されている注意事項をよく読んでおくにしましょう。
まとめ
クエン酸は柑橘類など酸味のあるアルカリ性食品に含まれており、エネルギーを生み出すことや体を健康に保つためのはたらきをしています。
ほかにもクエン酸の効果には、食欲の増進や消化吸収のサポートなどがあり、日ごろの食事の中で適度に摂取することがおすすめです。
またクエン酸はアルカリ性の汚れやニオイを中和する効果があり、掃除アイテムとして使える点も便利です。
ただし、塩素系漂白剤との併用など注意点もあるので、安全に使うためにも使用上の注意をよく読んでからおこなうようにしましょうね。