SDGs(持続可能な開発目標)が浸透し、環境問題やエコに興味を持つ人が増加する昨今。掃除の分野でも、環境にも人にもやさしい「エコ掃除」「ナチュラルクリーニング」が注目を集めています。その中でも、とくにおすすめしたいのが、「重曹スプレー」を使う掃除方法。
重曹スプレーは天然素材を使った洗剤のため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも、体に無害で安心・安全。赤ちゃんと暮らす筆者は、ハイハイする床にシュッ!なめなめするおもちゃにシュッ!と、日頃から大変お世話になっています。
この記事では、身近な素材で手軽に作ることができて、お掃除効果も抜群なスグレモノ「重曹スプレー」について、詳しくご紹介いたします。
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重曹スプレーとは
豆やお肉を柔らかくしたり、山菜のアク抜きに利用したり、お菓子作りのふくらし粉などに使われる重曹(正式名称:炭酸水素ナトリウム/別名:ベーキングソーダ、重炭酸ソーダ)を水に溶かして作るDIYスプレー状洗剤のこと。
重曹スプレーのココがすごい
- 油汚れ
- 皮脂汚れを落とす
家庭内の汚れにはアルカリ性と酸性の2種類のタイプがあり、弱アルカリ性の重曹は、真逆の性質を持つ酸性の汚れを取り除く際に力を発揮します。
酸性の汚れの代表格と言えば、油汚れや皮脂汚れ。コンロや換気扇などのキッチンまわり、洋服の袖口や襟元に重曹スプレーをシュッと吹きかけると、汚れをスルっと浮かして分解してくれます。
また、一般的な洗剤に比べて重曹の粒子は細かいため、素材を傷つけるリスクが少ないことも魅力のひとつです。
市販の洗剤の大半は化学成分が含まれていますが、食用重曹で作る洗剤は天然成分100%の自然派です。
そのため、環境に及ぼす影響が少なく、手肌に触れたり、万が一、口に入っても安心。小さなお子様やペットがいるご家庭や、妊婦さん、敏感肌の方におすすめのやさしい洗剤です。
日々のお掃除に使用するものなので、コストパフォーマンスの良さも洗剤選びの重要なポイントです。
重曹と水さえあれば簡単に作ることができる重曹スプレーはコスパも抜群。重曹やスプレーボトルは100円ショップで手軽に購入することができます。
重曹スプレーの作り方
- 重曹(食用)…小さじ1
- 水またはぬるま湯…100ml
- スプレーボトル
- 計量スプーン(計量カップ)
【作り方】
スプレーボトルに100mlの水またはぬるま湯(65度以上は強アルカリ性になってしまうためNG)と小さじ1杯の重曹を入れます。振りながらしっかり混ぜて、重曹が完全に溶けたらできあがり。
スプレーボトルの口が小さい場合は、あらかじめカップなどで水に重曹を溶かしてから移すのがおすすめです。
※重曹には薬用や工業用もありますが、ここでは安全性を重視して、食用を使う方法をご紹介しています。
実際に重曹スプレーを使って掃除してみた
重曹スプレーの効果やパワーを調べるため、実際に家を掃除してみました。
床の拭き掃除
赤ちゃんがハイハイしたり寝っ転がったりする我が家の床(フローリング)は、手垢や汗、足の裏の皮脂が付いてベタベタしがち。
重曹スプレーを雑巾に吹きつけて拭いたところ、普段、雑巾がけするように力を入れなくても、簡単でスムーズに汚れを落とすことができました。見た目はピカピカ、手触りはツルツルのサラサラで大満足の仕上がり。
汚れが頑固な部分には、重曹スプレーを吹きかけて数分置いてから拭き取るときれいになりました。
赤ちゃんの生活エリアは常に清潔にしておきたいけれど、床に落ちているものを口に入れたり舐めたりするので、化学薬品を使った市販の洗剤を使うのは怖い……、そんな悩みがあっても重曹スプレーなら安心。
ズリバイの赤ちゃんやペットと暮らす家庭の掃除にもおすすめです。
おもちゃの拭き掃除
「ちょっと目を離した隙に、またおもちゃナメナメしてる~!」なんてことは日常茶飯事。赤ちゃんは何でも口に入れるため、おもちゃがよだれでベトベトになります。
重曹スプレーをガーゼに吹きつけて、プラスチックやゴム製のおもちゃを軽く拭くと、全体的にツヤっとしてきれいになりました。とくにゴム製は、水拭きとの仕上がりの差が歴然でした。ちなみに、木製のおもちゃは塗料が剥がれたり、変色したりする恐れがあるため使わない方がよいそうです。
子どものおもちゃに対して、「洗わなきゃ」「干さなきゃ」「消毒しなきゃ」と神経質になってストレス溜まりがちですが、スプレータイプなら手軽に使えることも魅力のひとつだと感じました。
部屋のドアノブや電気のスイッチの拭き掃除
家族が頻繁に触る部屋のドアノブと電気のスイッチ。重曹スプレーを直接吹きつけて、乾いた布で拭き取ったところ、ゴシゴシこすらなくても汚れがスルスルっと落ちました。
とくにドアノブは布が茶色くなり、「こんなに手垢が溜まっていたのか」とショックな結果に。ドアノブや電気のスイッチを触った手で、赤ちゃんに触れていたことが怖くなり、日頃からこまめに掃除しようと肝に銘じました。
キッチンまわりの拭き掃除
油汚れや食品汚れ、焦げ付きの多いキッチンまわりで重曹スプレーのお手並み拝見。ガスコンロにサッと吹きつけてキッチンぺーパーで拭き取ってみたところ、油でベタベタしていた箇所がきれいになり、全体的にピカピカ輝いて鏡のようになりました。
五徳やバーナーの頑固な汚れを落とすパワーには欠けますが(ホーロー製は塗料が剥げる可能性があるので要注意)、油跳ねや手垢を落とす程度なら重曹スプレーで十分でしょう。電子レンジとオーブントースターの拭き掃除にも問題なく使えました。
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まだまだ使える!重曹スプレー活用術
重曹スプレーが力を発揮するのは家の拭き掃除だけはありません。まだまだ使える活用術をご紹介いたします。
消臭剤・脱臭剤として
重曹は消臭剤・脱臭剤としても優秀。弱アルカリ性のため、酸性の臭いに対して中和反応を起こします。これを利用して、ゴミ箱・冷蔵庫・排水溝・トイレ・靴箱・タンスなど部屋の気になる臭いを取り除くことができます。
また、脱湿効果もあるため、カビの予防にも効果的です。
掃除・洗濯できない場所にも
ソファ、カーペット、ラグ、カーテン、ベビーカーなど、なかなか掃除・洗濯できない場所にシュッとひと吹き。重曹には消臭効果に加えて、雑菌の繁殖を抑える働きもあります。
子どもがおねしょした布団がすぐに洗えないときに利用することもできます。
アロマオイルを入れて癒し効果アップ
重曹スプレーボトルの中に好みの香りのアロマオイル(精油)を数滴垂らすことで、癒し・リラックス効果がアップします。除菌や消毒、防虫効果のあるアロマオイルもあるので、掃除する場所によって使い分けるのも良いでしょう。
重曹スプレーの使用時に注意すること
重曹スプレーの使用時に注意することをまとめました。
重曹スプレーは、間違った方法や使用する場所によっては期待した効果が出ない場合もあるため、きとんと確認してから使いましょう。
市販の洗剤と比べると効果が落ちる
家庭内のあらゆる汚れを落とす重曹スプレーですが、ナチュラル洗剤ゆえ、市販の洗剤と比べると効果が劣ります。頑固な汚れやカビには対処できないこともあるため、完璧な掃除を求める場合は、他の洗剤と組み合わせて使いましょう。
肌荒れを起こすことも
天然成分由来で肌にやさしい重曹スプレーは、短時間であれば素手で触っても構いません。しかし、素手で長時間掃除すると肌荒れを起こす可能性もあります。使用時はなるべく家事用のビニール手袋をはめるのがおすすめです。
重曹の分量をしっかり計る
重曹の分量が多すぎると水に溶けきらないため、計量スプーンや計量カップでしっかり計るようにしましょう。濃度の高い重曹スプレーは、掃除した箇所に成分が白く残ってしまうこともあります。その場合は、水拭きをしてください。ちなみに、重曹をたくさん使用しても、掃除の効果は変わりません。
使えない場所もある
畳、大理石、漆、無垢材や生木のフローリング、アルミ製の鍋や食器、銅製品には使えません。これらに使用すると、黒ずんだりシミができたりする恐れがあります。また、ワックスがけをしている床に使用すると、ワックスが剥げてしまう可能性もあるので注意しましょう。
一度に使い切れる量だけを作る
手づくりの重曹スプレーには安定剤や防腐剤を使用していないため、時間が経つと効果が落ち、腐ってしまいます。一度に使い切れる量だけを作るようにしましょう。作り置きの場合、消費期限は1週間程度です。
一家に1本、万能スプレー!
水に重曹を溶かしただけで簡単に作れて、環境や人だけではなく、お財布にもやさしい重曹スプレー。油汚れや皮脂汚れに強く、消臭効果にも優れており、家中のあらゆるところに使えるマルチクリーナーでした。
シュッと吹いて、サッと拭くだけ。掃除にあまり手間をかけられない育児中のママ・パパにとって、時短で大活躍する重曹スプレーは救世主です。身近な場所に一本用意しておき、うまく活用しながら、日々の掃除をラクにこなせるといいですね。
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