賃貸アパートやマンションは、油断しているとカビだらけになりやすいやすいので注意が必要です。
カビは放っておくとどんどん繁殖していきますので、すぐに対処しましょう。
またカビは適切な対策で予防することもできます。
ここでは賃貸におけるカビ発生の責任の所在や、カビ対策について詳しく解説しますので参考にしてくださいね。
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賃貸ではカビが発生しやすい!?
賃貸アパートやマンションなど集合住宅では、窓が少ないために空気の流れが悪くなりがちです。トイレやお風呂などの水回りに窓がないことも多く、湿気がこもってカビが発生しやすい条件がそろっています。
とくに鉄筋コンクリート造りの建物は、木造の住宅と比べてカビが発生しやすいです。
木はわずかながら呼吸をするので湿気を外に逃がしますが、鉄筋コンクリートは湿気を外に逃がせないので、カビ発生リスクが高まります。
そのほか段ボールなどを放置すると、湿気がたまりやすくなります。
段ボールは紙製なので湿気を吸収しやすいため、その周辺は湿気がこもりがちになるのです。
衣類や小物などを段ボールに入れっぱなしにしていると、カビが発生するのはこのためです。
参考:カビペディア
アパートの1階部分は、上階に比べて湿度が高く、カビが生えやすくなります。
1階部分は地面に近いので、水気が上がってきやすいのです。
また1階の部屋では人目が気になるので、窓を閉めっぱなしにしたり洗濯物を室内干しにしたりすること多いでしょう。
そうすると、さらに湿気がこもりやすくなってしまいます。
最も多いのは結露によるカビ
カビが発生する原因として多いのは、結露です。
気密性の高い集合住宅の場合、結露による湿気がこもりやすくなります。
とくに押し入れやクローゼットの中にぎっしり荷物がつまっていると、通気性が悪くなります。
クローゼット奥の結露は見えにくいものですよね。
気づいたら「カビだらけ」というケースが少なくありません。
結露が発生したら、とにかく水滴を拭き取っておきましょう。
結露による水気を拭き取ったあとは換気をして、湿気を外へ逃がすことが大切です。
換気扇があれば、しばらく運転させておきましょう。
換気扇がない場所では、扇風機やサーキュレーターを活用して空気を循環させるとすばやく乾燥するのでおすすめです。
賃貸のカビ退治はだれの責任?
一般的な賃貸物件の場合、居住中の掃除は借主の責任となります。
そして退去時には「原状回復」といって、入居時の状態に戻す必要があります。
ただし住んでいれば自然に劣化していくものや消耗していくものに関しては、借主には原状回復する義務はありません。
「故意に傷つけたものや汚したもの」については、原状回復のための費用は借主負担となり、退去時に請求されることになります。
では、カビについてはどうなのでしょうか?カビについては、発生原因によって責任の所在がちがってきます。
参考:「賃貸マンションでのカビの発生。健康被害や賠償請求はできる?」
カビ発生の責任が入居者にあるケース
賃貸物件に住む入居者には「善管注意義務」があります。
これは賃貸物件の契約書に書かれているもので、賃貸物件に住む場合には知っておくべき内容となります。
「善管注意義務」とは「善良な管理者としての注意義務」の略で、社会通念上の注意を守っていきましょうという意味です。
たとえば入居者が結露に気づいていながら適切な対処をせず、カビが発生したというケースがあります。その場合、「借主が善管注意義務を怠った」ということになるのです。
入居者が故意に傷つけたり汚したりしたわけではありませんが、借主にカビ発生の責任があります。
入居者に責任があるとみなされるケースを確認してみましょう。
- 結露発生を放置してカビが発生
- あふれた水やこぼした水を放置してカビが発生
- エアコンからの水漏れを放置してカビ&シミ発生
- お風呂の湯を入れっぱなしで生活してカビが発生
- 生活のしかたに起因するカビ(常時部屋干しなど)
- 換気や掃除不足でカビが発生
これらは、とくに専門的な知識はなくとも、ちょっと気をつければ予防できる内容です。
普段からこまめに掃除や換気、何か異変がないかチェックをしておきましょう。
カビ発生責任が大家さんにあるケース
カビ対策は、基本的に入居者がおこなうものです。
ですが、まれに入居者の責任とはならないこともあります。
そもそも大家さんには、家賃を受け取るかわりに、入居者に対して基本的な生活が送るための部屋を提供する義務があります。
そのため建物や部屋自体に欠陥がある場合には、貸主の責任です。
たとえば雨漏りや配管の水漏れなどによって水気が部屋に入り込み、カビが発生した場合などです。
入居者の部屋の使い方や掃除の仕方にとくに問題がない場合には、借主の責任とはならないでしょう。
ただし水漏れやカビの発生に気づきながら放置して大繁殖してしまったというケースでは、入居者の「善管注意義務違反」となることがあります。
入居者は、異変に気づき次第、管理会社や大家さんへ連絡することが大切です。
適切に使用しているにもかかわらず、カビが繁殖して手に負えないといった場合には、部屋や建物に異常があるのかもしれません。
水回り以外のところがぬれていたり、一か所だけカビが大発生したりという場合には、放置しないで早めに大家さんや管理会社へ相談しましょう。
賃貸にカビが生えた場合の退去費用はいくら?
退去費用とは、賃貸物件を退去するときに必要な原状回復やハウスクリーニングなどにかかる費用のことです。一般的に、入居する際の敷金にハウスクリーニング費用が含まれており、退去時には別途費用を支払う必要はない場合が多いようです。
ただしハウスクリーニング費用をだれがいつ負担するのかは、契約書を確認してください。退去時にハウスクリーニング費用を支払うようになっているケースもあるからです。
それほどひどくないカビであれば基本的なハウスクリーニングで落とせますから、退去費用を別途追加される心配はないでしょう。
ただ賃貸の部屋がカビだらけになってしまったときには、退去費用を追加請求されるのでは?と心配になることもありますね。
一般的なハウスクリーニングで対応できないようなカビであれば、カビ専門業者に依頼することになります。そのため敷金で足りなかった分を請求される可能性はゼロではありません。
ちなみに一般的なカビ除去業者にカビ取りを依頼すると、1㎡あたり約2,000~3,000円が相場となっています。床材を修復する場合、普及品のフローリング相場は1㎡あたり3,000円~8,000円です。
とくに結露の放置によってカビやシミが拡大してしまった場合は、退去時に費用請求されることがあるので注意が必要です。
結露を放置したことにより拡大したカビ、シミ
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)平成23年8月 国土交通省住宅局
(考え方)結露は建物の構造上の問題であることが多いが、賃借人が結露が発生しているにもかかわらず、賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合には、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられる。
退去までに時間があるのなら、カビ除去のための掃除をおすすめします。退去費用を節約するという目的のほか、カビ繁殖による健康被害の心配もあるからです。
カビ菌が家財道具や洋服、食べ物などへ繁殖していくのを防ぎましょう。
自力での掃除が手に負えない場合、プロによるハウスクリーニングを利用するという手もあります。
最近ではハウスクリーニングを普段使いする方も増えており、ハードルの高いものではありません。一度試してみてはいかがでしょうか。
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賃貸で発生したカビを退治する方法
カビが発生したら、はやめに対処することが大切です。
気密性の高い集合住宅では、カビが繁殖しやすいからです。
カビに対する除菌力があるのは、除菌用アルコールや塩素系漂白剤になります。
ただし塩素系漂白剤は漂白力があるため、脱色が気になる場所には使えません。
塩素系漂白剤は、浴室やキッチンなどの水回りに使うのが便利です。
塩素系漂白剤が使えるかどうか迷う場所では、除菌用アルコールを使うのが無難でしょう。
除菌用アルコールは揮発性があり、すぐ乾くので壁クロスや床などに使いやすいです。
ただし、除菌用アルコールには漂白作用がありません。
漂白には、色落ちの心配のない酸素系漂白剤を使うのがおすすめです。
参考:カビペディア
壁クロスに発生したカビの落とし方
賃貸住宅に使われる壁クロスは、撥水(はっすい)効果のあるものが多いです。
念のため少し水をつけて、はじくかどうかを確かめてから作業を始めましょう。
まずは、除菌用アルコールでカビを除菌します。
そのあとで、酸素系漂白剤を使用して漂白してください。
酸素系漂白剤のオキシクリーン®を使った壁掃除の方法をこちらの記事で詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。
フローリング掃除に重曹・酸素系漂白剤はNG!
フローリング掃除に、重曹や酸素系洗剤などのエコ洗剤を使うのはおすすめできません。
重曹や酸素系洗剤は、環境に悪影響のない洗剤ではありますが、大変洗浄力が強く、研磨力もあります。
そのためフローリングに使用すると、ワックスや表面のコーティングがはがれて変色や変質を招くおそれがあります。
フローリング掃除には、ウタマロ®クリーナーなどの中性洗剤を使うのが無難です。
フローリング掃除の詳しい方法は、こちらの記事で解説していますので参考にしてください。
塩素系漂白剤の使用には注意しよう
部屋にカビが発生した場合、カビキラー®などの塩素系漂白剤を使ったら落ちるかな?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが塩素系漂白剤を使うと素材の色が落ちてしまうので、使用には十分な注意が必要です。
塩素液漂白剤を使ってもよいのは次のような素材です。
- 白い布類
- ステンレス
- シリコン
- 人工大理石
- 陶器
- ガラス
- プラスチック類
塩素系漂白剤を使えないのは次のような素材です。
- 色柄物の布類
- ステンレス以外の金属類
- メラミン食器
- 漆塗り
- 天然石
- その他水洗いできないもの
塩素系漂白剤を使用するときには、必ず手袋を着用しましょう。
ツーンとしたニオイがありますので、換気をしながら作業をしてください。
賃貸におすすめのカビ予防策
賃貸物件に居住するときには、カビ予防をしておくのがおすすめです。
効果的な対策を紹介しますので、できるものから取り入れてみてくださいね。
お風呂に燻煙タイプの「防カビ剤」
入居してすぐのタイミングで、燻煙タイプの「防カビ剤」を焚いておくのは最もおすすめです。
入居前には、お風呂はキレイに清掃してあるはず。
そこでカビ防止をしておけば、しばらくの間はカビが生えません。
こちらは、カビを退治するものではありません。
カビをしっかり除去したキレイな状態で使用すると、カビ防止になります。引越したばかりのカビが生えていないお風呂なら、とくに効果を感じられるはずです。
家具の配置を工夫する
賃貸アパートの場合、窓が少なく風通しがよくない間取りが多いですよね。
家具の配置を工夫して、できるだけ風の通り道を作っておきましょう。
まずは窓を家具でふさがないこと。窓側のスペースには、できるだけ背の低い家具を置くようにしましょう。
また、換気口にも注意が必要です。換気口は目立たないところにあるので、うっかり家具でふさいでしまいがちです。換気口の周辺は、広くスペースを開けておきましょう。
こまめに換気(クローゼットや下駄箱・棚の扉も開ける)
湿気をため込まないためには、こまめに換気をすることも効果的です。
窓やドアだけでなく、クローゼットや押し入れ、靴箱などの棚も開けて風を通しましょう。
棚類やクローゼットは、2か所を開けて風が通るようにすると効果的です。
クローゼットの結露対策
賃貸の部屋では、クローゼットや押し入れの壁が結露しやすいので要注意です。
壁や天井の温度と室温との温度差が激しくなると、結露が発生します。
クローゼットの結露対策としては、
- 壁にモノが触れないように置く
- 除湿剤を置く
- 除湿器を使用する
- クローゼット内の空気を循環させる(扇風機など使用)
- 扉を2か所以上開けておく
などの方法があります。可能な方法を取り入れてみてください。
換気扇を24時間まわしておく
洗面所やお風呂には換気扇がついていますので、常時運転させておくのがおすすめです。
換気扇を1か月間、24時間つけっぱなしにしていた場合の電気代は数百円。
省エネタイプの換気扇の場合は数十円です。
カビ・湿気対策としては、費用対効果が高いので、ぜひ試してみてくださいね。
参考:エネチェンジ
エアコンの除湿運転を使う
梅雨などのジメジメした時期には、エアコンの「除湿運転」を活用するのもいいです。
除湿モードやドライモードで湿度を下げましょう。
エアコンは、フィルターにホコリがたまっていると稼働率が悪くなります。
エアコンがしっかり効かないだけでなく、電気代が余分にかかることも…。
エアコンのフィルターはこまめに掃除しましょう。
エアコンの内部には、カビの胞子がたまっていることもあります。
年に一度は、エアコンのクリーニングをおこなうのがおすすめです。