冷蔵庫運搬でやむを得ず横倒しするときに故障を防ぐための注意点

冷蔵庫運搬でやむを得ず横倒しするときに故障を防ぐための注意点/ハウスクリーニング

引越しのとき、とくに悩むのが大型家電製品の移動・運搬。
とくに冷蔵庫を運ぶときは、要注意です。

安定感があるからといって冷蔵庫を横倒しにして運搬してしまうと、故障するおそれがあります。

冷蔵庫は、もともと横向きで使用するように作られていないからです。
ただし、長時間でなければ問題ないんだとか。

そこでこの記事では、引越しにおける冷蔵庫の運搬方法についてご紹介していきます。
引越しまでに冷蔵庫にしておくべきこともお伝えしますので、これから引越しをしようとしている方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

冷蔵庫を横倒しにするリスク

冷蔵庫の運搬

冷蔵庫には後方下部にあるコンプレッサー(圧縮機)をはじめ、さまざまな精密機器が搭載されています。

そんな冷蔵庫を長時間横置きで運んでしまうと、コンプレッサー内にあるオイルが別の場所に流れ出してしまい、正常に動作しなくなるおそれがあるのです。

また横積みすると、移動中の衝撃で冷蔵庫自体が破損するリスクも高まり、それが原因で故障してしまうことも……。

そのため、長時間の横倒し運搬は故障につながってしまうんですよ。

ただし冷蔵庫を動かす際、やむを得ず一時的に傾ける・横に倒すのはOKなんだとか。

※横積みで車での運搬は厳禁です。横積みでの移動は、車の振動で圧縮機内のオイルが冷却システムに流れ込み、故障の原因となる可能性があります。ただし、搬入や搬出時の一時的に横や斜めになった状態で運んでいただく程度は問題ありません。

パナソニックホームページ「【冷蔵庫】 引越しなどで冷蔵庫を運搬/移動する際の注意点は?」

引越し前日までに準備しておくことは3つ

引っ越しの準備

引越し前日までには、冷蔵庫を運べる状態にしておきましょう。
それ以前にしておきたいことを3つ、順番にお伝えしていきます。

その1.中身を空にする

冷蔵庫の中身は、引越しの1~2週間前から減らしていきましょう。
日持ちしない食材を優先的に減らしつつ、足りない分は買い足していくのがコツです。

どうしても食べきれない場合は、ご近所におすそ分けしたり、クーラーボックスを用意して引越し先に持ち運んだりしましょう。

引越し先へクール便で送るという手もありますが、食品代よりも高くつくことも。
そのためできるだけ、食べきってしまうのが一番オトクになりますよ。

引越し前の冷蔵庫の中身についてもっとくわしく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてくださいね。

その2.電源プラグを抜いて水抜きする

引越し前日、遅くとも10時間前になったらコンセントから冷蔵庫の電源プラグを抜きましょう。

「当日まで冷蔵庫が使えないの?」と思われるかもしれません。
しかし、冷蔵庫の運搬前には必ず水抜きという作業が必要なのです。

水抜きとは、冷蔵庫の水受けトレイに溜まった水を捨てること。
水抜きをしておかないと、運搬中に水が漏れて水浸しになってしまうおそれがあるんです。

やり方は簡単で、電源プラグを抜けば庫内の水が水受けトレイに溜まっていきます。
冷凍庫にはった霜も同じように、溶けて流れていくんですね。

また、もし冷蔵庫に自動製氷機がついているなら、タンク内の水は数日前から空っぽにしておきましょう。

冷凍庫へとつながる管にも、水が残ってしまうからです。

その3.掃除をする

冷蔵庫の掃除

冷蔵庫の中を空にしたら、引越し前に掃除を済ませておきましょう。
冷蔵庫は普段は食材が入っているので簡単な掃除になりがちですが、空の状態ならスミズミまで掃除できますよ。

準備するもの
  • 中性洗剤
  • 重曹かセスキ炭酸ソーダ
  • アルコールスプレー
  • 清潔なふきんやクロス(2枚)
  • キッチンペーパー

冷蔵庫の外側、取り外せる棚やトレイなどは、中性洗剤を染みこませたクロスで拭き取ります。

冷蔵庫内は重曹かセスキ炭酸ソーダが、どちらも油汚れを落とすのに活躍します。
エコ洗剤ですので、食品を入れる冷蔵庫で洗剤を使うのに抵抗がある方にも安心ですよ。

またドアや引き出しのゴムパッキンは、水分が付着するとカビが生えてしまうことがあります。

カビ汚れには、アルコール(エタノール)スプレーの出番です。
キッチンペーパーにアルコールを染みこませると拭き取りやすいですよ。

冷蔵庫の掃除手順

STEP1

ふきんに中性洗剤を染みこませる

STEP2

冷蔵庫の外側をまんべんなく拭き取る

STEP3

冷蔵庫内の油汚れが気になる、落ちない場合は重曹水スプレー(またはセスキ炭酸ソーダ水スプレー)を作って拭き取る

STEP4

ゴムパッキンの汚れや仕上げに、アルコールをかけたキッチンペーパーで庫内を拭き取って完了

冷蔵庫を運搬する際のコツ・注意すること

冷蔵庫のパッキング

続いては、いざ引越し先へ冷蔵庫を運搬する際に知っておくと便利なコツや、気をつけたいことをご紹介していきます。
個人で冷蔵庫を運ぶ際は、十分に注意しておこないましょう。

運搬前にドアや引き出しにテープを貼る

移動中に冷蔵庫の扉が開いたり、引き出しが飛び出したりしないように、丈夫なテープを貼ってしっかりと固定させましょう。

庫内に取り付けられている棚や仕切りなども、テープで固定しておきます。

機種によっては、あらかじめ取り外しておくという手もありますよ。

冷蔵庫の移動には毛布や取っ手が便利

冷蔵庫の移動に使う毛布

室内から冷蔵庫を運搬するとき、平坦な場所であれば持ち上げて運ぶよりも、毛布に乗せて引きずれば疲れにくく安全です。

方法は、冷蔵庫の下に毛布を敷くだけ。
まずは前に傾かせて毛布を下に入れ、今度は後ろにを傾かせて毛布を広げれば冷蔵庫をのせやすいですよ。

このときうっかり倒してしまうと、故障はもちろん大ケガにもつながります。
細心の注意を払い、慎重に作業しましょう。

また毛布で冷蔵庫を引きずっている間も、倒れないように支える人が必要です。
必ず、複数人でおこなうようにしましょう。

なお冷蔵庫には、背面上部や下部に持ち運び用の取っ手がついているタイプが多いです。

表面部分を持って運ぼうとすると、手を滑らせるおそれがあります。
そのため、必ず取っ手を活用して持ち運びましょう。

横倒しにする時間をなるべく減らす

冷蔵庫を横倒しにする危険性は先ほどお伝えしましたとおり、故障の原因になるからです。
とはいえ、常に縦にした状態で運ぶのは難しいですよね。

多くのメーカーでは家から車まで運び出したり、搬入したりする程度の時間でしたら横にしても問題ないとのことです。
しかし車での運搬中は、縦置きにしておいたほうが故障のリスクは減らせます。

自力で冷蔵庫を運ぶなら、縦置きできるトラックをレンタルしましょう。
運搬中に倒れないよう、運転席後部の荷台の壁や柵などに、ロープで括り付けて固定させます。

また冷蔵庫と柵の間に毛布を挟んでおくと、傷つきにくくなりますよ。

運搬後は半日ほど電源をつけないようにする

冷蔵庫は内部が冷えるまで時間がかかるので、引越し後は早めに電源を付けたいところですが、半日は縦置きしたままにしましょう。

移動中には冷蔵庫を少なからず傾けてしまうので、冷媒やオイルが冷却システムに流れてしまっていることも。

半日ほど縦置きにすることで、冷蔵庫を通常の状態に戻すことができるんですよ。

編集部ボイス

メーカーや機種によっては運搬してすぐ、もしくは数分で電源をさしても構わないことがあります(近年発売の機種に多いです)。

早く冷蔵庫を使いたい方は、念のためご使用のメーカーの公式サイトを確認してから、電源を入れてみてくださいね。

自力で冷蔵庫の運搬は心配だと思ったら……引越し業者の選び方

引越しのトラック

「自分で冷蔵庫運ぶの難しそう……」
「近場だけど、心配」

冷蔵庫が故障するかもしれない、冷蔵庫を固定させるのが大変そうだと思ったら、プロである引越し業者に任せたほうがより安全に運んでもらえますよ。
最後は、そんな引越し業者の選び方についてお伝えしていきます。

【その1】相見積りをとる

引越し業者の選び方に悩んだら、インターネットで一括見積りサイトを利用するのがおすすめです。

流れとしては、おもに日にち・引越し前の郵便番号、引越し先の都道府県名。サイトによっては引越しのタイプ(部屋の大きさ)や荷物の種類などを入力します。

条件に合った費用相場が確認でき、後日業者から見積り料金案内が届きますので、そのなかから希望に沿ったところへ依頼するという仕組みです。

費用やサービス比較がしやすいというメリットがありますが、条件によってはひっきりなしに電話がかかってくることも。
そのつど電話対応するのは億劫だと思ったら、事前に業者を2~3社に絞ったうえで直接見積り依頼する方法がおすすめですよ。

【その2】質問に答えてくれる

見積りや問い合わせの際に、質問にきちんと、誠実に答えてくれる業者は信頼性が高いといえます。

気になったことはうやむやにせずに、きちんと質問して納得したうえで依頼すれば失敗が少ないですよ。

【その3】冷蔵庫など運搬が難しい家電のみの引越しを受け付けているか確認する

少しでも費用を抑えたいなら単身引越しパックなど、比較的安価なパックに申し込んで、冷蔵庫など最低限の荷物だけ運搬してもらう手もあります。

ただし3月から4月ごろなど繁忙期には、通常の引越しプランしか受け付けてもらえないことも。

その場合は費用比較をして、最適な引越しプランを検討しましょう。

まとめ

冷蔵庫はその仕組みから横倒し運搬をすると故障のおそれがあります。
長距離移動の際には、縦置き状態で運搬しましょう。

とくに気をつけておきたいことは、

  • 前日までに中身を空にする
  • 水抜きをする
  • 運搬は複数人でおこなう

です。とくに水抜きしないで運搬すると床が水浸しになるおそれがあります。

個人で、運搬するにも手間や費用はかかります。
引越し業者に依頼して、より安全に運搬してもらうのもひとつの手ですよ。

ライター

わたナギ子のアバター わたナギ子 ライター

主婦歴20年の元転勤族。度重なる引っ越しでの苦労から、「身軽に生きるのがベスト!」という結論に至る。以来、汚れもモノもため込まない暮らしへシフト。
趣味はポイントやマイルをコツコツ貯め、格安で沖縄へ行くこと。お気に入りの離島は阿嘉島。真夏以外の趣味はキャンプ・サイクリングなどアウトドアが中心。
コロナ渦で地方へ移住し、賃貸経営を開始。プチDIYやリフォームを研究中。

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