「布団にカビが生えてしまった……」
原因はさまざまですが、カビは胞子を吸い込むことでアレルギーを発症するおそれがあります。
また、独特の臭いが気になってしまううえ、カビをエサにダニが繁殖することもあるのです。
そうならないためにも布団のカビに気づいたら、早めに除菌しましょう。
布団に発生したカビは、広範囲でなければ花王(kao)の「ハイター®」や「ワイドハイター®」が使えますよ。
ただし、使用の際には注意点がいくつかあります。
この記事では花王のハイター®やワイドハイター®、キッチンハイターなどで布団のカビを除菌する方法についてご紹介していきます。
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ハイター®の除菌力・成分比較
ハイター®には、さまざまな種類が販売されています。まずはそれぞれの違いについて見ていきましょう。
ハイター® | キッチンハイター | ワイドハイター® | |
---|---|---|---|
液性 | アルカリ性 | アルカリ性 | 酸性 |
種類 | 塩素系漂白剤 | 塩素系漂白剤 | 酸素系漂白剤 |
漂白成分 | 次亜塩素酸ナトリウム約6% | 次亜塩素酸ナトリウム約6% | なし |
界面活性剤 | なし | あり | あり |
※次亜塩素酸ナトリウム濃度は製造時のもの。
洗剤の種類としては、ハイター®とワイドハイター®が洗濯用洗剤、キッチンハイターが台所用洗剤とされています。
それぞれの大きな違いは、汚れを落とすのに効果的な界面活性剤の有無です。
通常のハイター®には界面活性剤が入っていませんが、キッチンハイターには界面活性剤が入っています。
そのため泡立ちやすく、汚れも落としやすくなっているんです。
ただしこの2つは強力な塩素系なので、布団の色や柄まで漂白してしまうことも……。
いっぽう酸素系漂白剤のワイドハイター®は、界面活性剤こそ入っていますが塩素系ほど強力な漂白成分は含まれていません。
強力でないとはいっても、その分色柄までは漂白しないので便利ですよ。
それぞれの特徴から除菌・洗浄力がもっとも高いのは漂白成分が強く、界面活性剤も入っている「キッチンハイター」。
反対に一番安全性が高いのは、酸素系洗剤で色落ちの心配がない「ワイドハイター®」です。
布団に色や柄が入っていたり、塩素系洗剤に不安を感じるならやはりワイドハイター®がおすすめですね。
なお、このワイドハイター系の酸素系漂白剤は、抗菌力の高い新商品も展開されています。
気になる方は使用方法をご確認のうえ、試してみてはいかがでしょうか。
ハイター®で布団のカビを除菌する際の注意点
ハイター®やキッチンハイターは、強力な塩素が含まれている洗剤です。
除菌・漂白力こそ確かですが、その取り扱いには気をつけることも少なくありません。
そのため、これからお伝えする注意点を確認したうえで、布団にハイター®を使うかどうか判断してみましょう。
混ぜるな危険
ハイター®やキッチンハイターなどの”塩素系洗剤”やトイレ掃除などで用いられる”酸性洗剤”(サンポールなど)の洗剤には、「混ぜるな危険」という表記がラベルに書かれています。
なぜなら、このふたつが混ざると塩素ガスが発生するおそれがあるからです。
塩素ガスは人体に有害で、吸引すると命に関わることも。
そのため、ハイター®・キッチンハイターを使用するときには酸性洗剤や酸性のもの(クエン酸やお酢など)と絶対に混ざらないようにしましょう。
ちなみにワイドハイター®も酸性洗剤ですが、ハイター®と混ざっても有毒ガスは発生しないとのことです。
「ワイドハイター®」や「ワイドハイター® EXパワー」などは酸性ですが、「ハイター®」と混じると塩素ガスではなく酸素が発生するので、危険ではありません。ただし、混じってしまうと漂白効果は低下します。
花王株式会社「ワイドハイター」など酸性の漂白剤と「ハイター」が混じると塩素ガスが出て危険なの?
ただし漂白力は落ちてしまうので、どちらにしても混ぜて使うのはおすすめできません。
ハイター®は素手で触らない
ハイター®など、塩素系洗剤は素手や素肌で触れると皮膚のタンパク質が分解され、手荒れや炎症の原因となります。
もし使用する際は、ゴム手袋やビニール手袋を用意しておきましょう。
換気する
ハイター®は塩素のニオイが強く、長時間嗅いでいると体調不良を起こすおそれがあります。
必ず換気扇を回すか、窓を開けてニオイがこもらない状態で使用するのがポイントですよ。
金属製のものに浸さないようにする
布団カバーには、金属製のファスナーが付いているものが多いです。
このファスナーにハイター®が触れると、変色や劣化が起こることがあります。
そのため布団カバーを除菌するときには、できるだけファスナー部分にはハイター®を漬けないようにしましょう。
色柄物には塩素系ハイターを使わない
前述したように、塩素系のハイター®は漂白力に優れているので色物・柄物の布団には使用すると色落ちしてしまいます。
色落ちが気になる方は、ワイドハイター®やオキシクリーン®などの酸素系洗剤を使用しましょう。
上記以外にも製品のラベル部分にはいくつか注意事項が記載されていますので、必ずご一読のうえご使用ください。
また布団の洗濯マークには、塩素系洗剤が使えるかどうかが記載されています。
塩素系が使えない素材も多い(ウールや絹など)ので、きちんと確認しておきましょう。
少しでも塩素系漂白剤を使うのは不安、と感じたら、やはり酸素系漂白剤やエタノールなどで除菌するのが安心ですよ。
ハイター®で布団のカビを除菌する方法
ここまでの注意点をしっかり確認したら、さっそく布団のカビを除菌していきましょう。
白地で塩素系漂白剤に対応している布団なら、ハイター®かキッチンハイター。
酸素系漂白剤に対応している布団なら、ワイドハイター®がおすすめですよ。
- ハイター系の各種洗剤
- ゴムまたはビニール手袋
- 洗面器またはバケツ
- お湯
- 雑巾またはタオル3枚
※事前にゴム手袋と換気をした状態でおこなってください。
手順
- STEP1
-
お湯を入れた洗面器にハイター®またはキッチンハイターを規定量入れる
(ワイドハイター®は、粉ならお湯で溶かす。液体ならそのまま使う) - STEP2
-
タオルに、「ハイターを薄めたお湯」を染みこませる
- STEP3
-
カビの付着している部分をタオルで軽く叩きながら拭く
- STEP4
-
漂白成分が残らないよう、お湯で湿らせたタオルで叩くようにして拭き取る
- STEP5
-
乾いたタオルを用意して、同じように軽く叩きながら水気を取る
- STEP6
-
布団乾燥機または天日干しでしっかりと乾かす
ベッドのマットレスも、同様の方法で除菌します。
布団カバーにカビが付着していたら、ファスナー部分にハイター®が付着しないように気をつけましょう。
カビ汚れを完璧に落とすのは難しい……買い替えや布団クリーニングの検討も
布団についたカビは、ハイター®などで除菌こそできても、黒ずみまで落としきるのは難しいです。
塩素系漂白剤でしっかり漬け置き漂白したら、多少は薄まるかもしれません。
しかし塩素によるニオイや脱色、布団生地の劣化・痛みが気になってしまうことでしょう。
もし広範囲にカビが生えている状態なら、布団クリーニングを利用するか買い替えを検討することをおすすめします。
布団のカビは、できるだけ生やさないようにすることが重要ですよ。
布団にカビを生やさないための対策方法
最後は、布団のカビ対策方法についてお伝えしていきます。
とくに湿気の多い梅雨や結露しやすい冬には、カビ対策が必須です。実践してカビを防いでいきましょう。
布団を敷きっぱなしにしない
敷布団にカビが生える原因は、敷きっぱなしにしてしまうことがあげられます。
人は寝ているときに大量の汗をかきます。さらに汗による水分と体温で、湿気を帯びるのです。
またカビは、皮脂やアカなどをエサとします。
そのため就寝中は、知らず知らずのうちにカビの生えやすい環境になってしまうんですね。
そのため、朝起きたら布団を畳んで敷きっぱなしにしないようにしましょう。
休日など週に1~2度は天日干しして、しっかり布団を乾燥させることが大切ですよ。
毎日布団を畳むのが面倒だと感じたら、折り畳み式の「すのこマット」を活用するのもひとつの手ですね。
換気をする
部屋に湿気をため込まないことは、カビ対策にとても有効です。
窓を開けたり換気扇を使用したりして、湿気を追い出して空気の流れを作りましょう。
まとめ
この記事では、ハイター®で布団のカビを除菌する方法についてお伝えしてきました。
ハイター®はとても強い漂白力をもった洗剤ですので、注意事項はしっかりと確認したうえで使用しましょう。
カビの除菌はできても黒ずみまでは、完璧に落とすことは難しいです。
布団を畳んだり、換気をしたりして、カビが生えにくい環境にしていきましょう。
※ワイドハイター®は花王株式会社の登録商標です。
※ハイター®は花王株式会社の登録商標です。