
浴室暖房の電気代は高い?他機能との比較と消費電力を抑える6つの工夫

「浴室暖房の電気代ってどのくらい?」「冬場に重宝しそうだけど、電気代が気になってなかなか使えない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、浴室暖房の電気代は比較的高めです。涼風機能や換気機能と比べるとかなりの差があります。
だからといって無理に寒さを我慢すると、風邪を引いたりヒートショックを引き起こしたりする恐れがあります。「使用時間を短くするには、少しでも節約するにはどうすればいいか」を意識して使用するのが大切です。
そこでこの記事では、浴室暖房の電気代や他機能との比較結果、少しでも節約する方法について解説します。
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「浴室暖房」とは浴室を暖めてくれる機能のこと

そもそも「浴室暖房」とは、その名の通り浴室を暖めてくれる機能を指します。浴室暖房乾燥機に搭載されており、そのほかに乾燥・涼風・換気といった機能があります。
入浴前に使用することで、浴室に入った瞬間のヒヤッと感を防げるのが大きなメリットです。「お風呂に入りたいけれど、シャワーのお湯にあたるまでの寒さが辛い」と感じている方にぴったりでしょう。
ヒートショック対策にもなります。
浴室暖房の電気代は意外に高い

メーカーや機種によって多少の差はあるものの、浴室暖房の消費電力は大体1,300W前後です。これはドライヤーを使うときに必要な電力量とほぼ同じといわれており、消費電力が大きい分、電気代も高くなります。
例として、パナソニックが販売している電気式バス換気乾燥機「FY-13UG7E」の電気代を挙げてみましょう。1kWhあたりの電気代は31円として計算しています。
消費電力 (50hZ/60hZ) | 1時間あたりの電気代 | 1ヶ月(30日)あたりの電気代※ | 1年間にかかる電気代※ |
---|---|---|---|
1300W/1320W | 40.3円/40.92円 | 2,418円/2,455.2円 | 29,419円/29,871.6円 |
※1日2時間使用した場合
電気代は、1時間あたりの消費電力(kW) ✕ 電気代単価(円/kWh)で算出しています。今回の場合は以下の計算式となっており、そこに使用時間や日数をかけたものが表の右側2つの数値です。
1.3(kW) ✕ 31(円/kWh) = 40.3(円)
1.32(kW) ✕ 31(円/kWh) = 40.92(円)
浴室乾燥・涼風・換気機能と電気代を比較してみよう
先程紹介したパナソニック「FY-13UG7E」の乾燥・涼風・換気機能の電気代も計算してみると、以下のような結果になりました。
FY-13UG7E (50hZ/60hZ) | 予備暖房 | 自動乾燥、乾燥(タイマー) | 涼風 | 換気(強) | 換気(弱) | 24時間換気 |
---|---|---|---|---|---|---|
消費電力 | 1300W/1320W | 1250W/1250W | 25.5W/28.5W | 25.5W/28.5W | 19.5W/18.0W | 19.5W/18.0W |
1時間あたりの電気代 | 40.3円/40.92円 | 38.75円/38.75円 | 0.79円/0.88円 | 0.79円/0.88円 | 0.60円/0.56円 | 0.60円/0.56円 |
ここでは、浴室暖房との比較結果をより深掘りしていきます。
乾燥機能の電気代は浴室暖房と同程度

浴室暖房と乾燥機能の電気代は、1時間あたりそれぞれ40円前後と約39円で、どちらも同じくらいの電気代がかかります。温風を出すには、それほど多くの電力が必要になるのです。
機種や洗濯物の量によっても変動するものの、浴室乾燥のみで洗濯物を乾かす場合は1回につき2~4時間かかるといわれています。そのときの電気代は77.5~155円と高めです。
電気代を節約したいなら、十分な間隔をあけて洗濯物を干したり、気温の高い日中に使ったりすると良いでしょう。
ちなみに浴室暖房と浴室乾燥の違いは使用目的です。浴室暖房は浴室を暖めるために、浴室乾燥は湿気を除去して浴室を乾燥させるために使います。
涼風機能の電気代は浴室暖房より安い

涼風機能の電気代は1時間あたり0.8円前後です。浴室暖房と比べると非常に安く、毎日2時間使用したとしても1ヶ月にかかる電気代は50円前後です。
「そもそも涼風機能ってどんな機能?」と感じる方もいるかもしれませんが、涼風機能は湿気を屋外へ排出しつつ空気を循環させてくれるものです。扇風機のような役割を果たすため、夏場に重宝します。
換気機能の電気代は4つの機能の中でもっとも安い

換気機能の電気代は、弱運転や24時間換気モードで1時間あたり0.6円前後です。今回紹介した機能の中でもっとも安くなっており、強運転でも0.8円前後です。
入浴中に肌寒さを感じる方は、24時間換気モードを一時的に停止しておくと良いでしょう。
少し話はそれてしまいますが浴室用換気扇の中には、24時間換気モードの消費電力が2~3W程度で済むものもあります。
浴室暖房乾燥機と洗濯乾燥機の電気代はどちらが高い?

洗濯物を乾かす目的で浴室暖房乾燥機を使った場合、洗濯乾燥機よりも電気代は高くなります。
洗濯乾燥機は主に「縦型ヒーター式」「ドラム型ヒーター式」「ドラム型ヒートポンプ式」の3種類あります。例として、パナソニック製の洗濯乾燥機の電気代をまとめてみました。
縦型ヒーター式 「NA-FW12V1」 | ドラム型ヒーター式 「NA-VG2700L」 | ドラム型ヒートポンプ式 「NA-LX127BL/R」 | |
---|---|---|---|
定格洗濯乾燥時(標準乾燥モード)の消費電力量 | 約2550Wh | 約1980Wh | 約890Wh |
乾燥にかかる電気代(1回あたり) | 79.05円 | 61.38円 | 27.59円 |
ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG2700L 詳細(スペック)|洗濯機/衣類乾燥機|パナソニック
ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX127BL 詳細(スペック)|洗濯機/衣類乾燥機|パナソニック
※電気代単価31円/kWhの場合
前項で紹介した「FY-13UG7E」の電気代は、2時間の浴室暖房で80円前後、2~4時間の乾燥機能で77.5~155円です。どちらの場合も洗濯乾燥機を使ったほうがお得になります。
ただ、浴室乾燥は多くの洗濯物を干せるだけでなく、洗濯乾燥機よりもシワになりにくいというメリットがあります。状況に合わせて使い分けるのがベストです。
浴室暖房のメリット
電気代だけに注目すると驚くかもしれませんが、浴室暖房を導入すると以下のようなメリットが得られます。
- 真冬でも寒さを感じずに入浴できる
- ヒートショック対策になる
浴室暖房は浴室を暖める機能なので、入浴前に使用すれば真冬でも寒さを感じずに入浴できます。浴室に足を踏み入れた瞬間から暖かさを感じられるのは、心地よいバスタイムを過ごすうえでも大切な要素でしょう。
また、高齢者に多いといわれるヒートショックも未然に防げます。ヒートショックとは、激しい温度変化によって血圧が急上昇・急降下した結果、失神や心筋梗塞などを引き起こす現象のことです。
浴室暖房を使うと暖かい場所と寒い場所の温度差が少なくなるため、体への負担が軽減してヒートショックを引き起こしにくくなります。
浴室暖房のデメリット
一方で、浴室暖房のデメリットは以下の2つです。
- 電気代が高い
- これから導入する場合は設置費用がかかる
メーカーや機種によっても消費電力は変わりますが、浴室暖房はどうしても電気代が高くなってしまいます。乾燥機能も使いたい場合は1日の稼働時間が長くなる分、さらに電気代が高くなるでしょう。
少しでも節約したいなら、後述のような消費電力を抑える工夫が必要です。
これから浴室暖房を導入する場合は設置費用もかかります。
浴室暖房乾燥機は、電気式とガス式の2種類あります。本記事で紹介したような電気式は、初期費用が抑えられるものの電気代が高くなりやすいのが特徴です。ガス式は非常にパワフルなので1回の稼働時間が短くて済みますが、初期費用は比較的高い傾向にあります。
浴室暖房の電気代を節約するには消費電力を抑える工夫が必要

浴室暖房の電気代は比較的高めなので、使いすぎには注意しなければいけません。しかし、ただ単に寒さを我慢するのではなく、無駄な電力を消費しない心がけや浴室を暖める工夫が重要です。
冬場を心地よく過ごすためにも、以下のような点を意識しましょう。
入浴前に浴室の壁や床へシャワーのお湯をかける
入浴前は壁や床へシャワーのお湯をかけて温めておきましょう。浴室に入ったときのヒヤッと感が軽減されます。
服を脱いだ状態で行うと体が冷えてしまうため、入浴直前に服を着たまま行うのがポイントです。
熱めのお湯を浴槽にためて入浴前にふたを外す
熱めのお湯を浴槽にためて入浴前にふたを外しておけば、お湯から出る蒸気で浴室を温められます。湿度が高いと体感温度も上がるため、寒さを感じにくくなるでしょう。
ここでのポイントは、入浴する少し前に行うことです。ふたを開けたまま長時間放置すると浴槽内のお湯が冷めてしまいます。もう一度沸かし直すとなると無駄な電気代がかかってしまうため注意が必要です。
浴室の床にマットを敷く
「浴室に入るときに足裏がヒヤッとするのが苦痛」という方は、マットを敷くのが良いでしょう。とくにタイルの床は冷たさを感じやすいため、マットを使うことで足元からの冷えを予防できます。
転倒防止にも効果的です。
滑り止めのあるタイプや折りたためるタイプなど種類が豊富なので、購入したい場合はホームセンターや通販サイトで探してみてください。
床に敷いたままにするとカビが発生しやすくなるため、入浴後はマットを壁に立てかけて乾燥させるのが大切です。
浴室に窓がある場合は断熱シートを貼る
窓に断熱シートを貼ると、外からの冷気を遮断できるだけでなく室内の熱が逃げにくくなります。
窓のような開口部は、冬の暖房時の熱が58%も流出します。それほど熱が逃げやすい部分なので、対策しておくと暖かさを感じやすくなるでしょう。
参考:Q&A 開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?|一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
フィルター掃除や浴室暖房乾燥機のクリーニングをする
フィルターにほこりがたまっていると運転効率が悪くなります。その結果、稼働時間が長くなって電気代も高くなるため、定期的な掃除が必要です。推奨されている頻度はメーカーによって異なるものの、3ヶ月~半年に1回が目安といわれています。
また、長期間使用している場合は浴室暖房乾燥機のクリーニングを依頼して、内部の汚れを徹底的に除去してもらうのもおすすめです。
「もちや」に登録している業者の中には、浴室暖房乾燥機のクリーニングを行っているところがあります(相場は5,000~10,000円です)。一度もクリーニングしたことのない方は、利用を検討してみましょう。

料金プランの変更もしくは電力会社の切り替えをする
料金プランを変更したり電力会社自体を切り替えたりすると、節電を意識しなくても電気代が安くなる可能性があります。
各電力会社ではさまざまなプランが用意されています。例えば「電気使用量が多いほどお得になるプラン」「夜間の電気代が安くなるプラン」などです。今よりもライフスタイルに合ったものを見つければ、家全体の電気代を無理なく節約できるでしょう。
できることからコツコツ節約して寒い季節を乗り越えよう
浴室を暖めてくれる浴室暖房ですが、電気代は高めです。少しでも電気代を抑えたいなら、入浴前にシャワーのお湯をかけたり窓に断熱シートを貼ったりしましょう。自分ができる範囲の行動をコツコツしていくことで、節約につながります。
ライフスタイルが変わった方は、料金プランや電力会社を見直すのも一つの方法です。切り替えることで、今までと同じように浴室暖房を使っても電気代が安くなるかもしれません。
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