セスキ炭酸ソーダを掃除に使うときは、正しい活用法を知っておくことが大切です。
汚れを分解する成分が含まれるセスキ炭酸ソーダも、苦手な汚れに使った場合は効果が得られないことがあるからです。
実はセスキ炭酸ソーダでは、ガンコなカビ汚れを完全に除去する効果は期待できないんです。
当記事ではセスキ炭酸ソーダのカビへの効果や正しい活用法などについて解説します。
間違った方法で手間や時間をかけることがないように、セスキ炭酸ソーダの正しい使い方を知っておきましょう。
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セスキ炭酸ソーダはカビの完全除去に向いていない!
セスキ炭酸ソーダは、重曹やクエン酸と並ぶエコ掃除洗剤のひとつです。
重曹よりもアルカリ性が高く汚れを分解する力が強いのが特徴です。
また、水に溶けやすく、環境や人体への影響が少ないことから安心して使うことができます。
しかし、効果的に使うには、得意な汚れと苦手なものがあることも知っておかなくてはいけません。
ここでは、セスキ炭酸ソーダがカビ落としに向いていない理由と効果的に活用する方法について解説します。
セスキ炭酸ソーダがカビの除去に向いていない理由
一般的な家庭でカビが発生しやすいのは、風呂場周りでしょう。
風呂場には、カビの発生や繁殖の原因となる「温度・湿度・栄養」の最適な条件がそろっています。
重曹よりも汚れを分解する力が強いのであれば、カビも落とせるんじゃないかと思われるかもしれません。
しかし残念ながら、セスキ炭酸ソーダにガンコなカビ汚れを完全に除去する効果は期待できないんです。
その原因は、セスキ炭酸ソーダと汚れがもつそれぞれの性質にあります。
セスキ炭酸ソーダや汚れの性質は、「酸性」と「アルカリ性」の2種類に分けることができ、洗剤の場合、容器裏面の液性表示で確認できます。
アルカリ性の汚れなら酸性の洗剤というように、逆の性質の洗剤を使うことで中和作用がはたらき汚れを分解しやすくなるのです。
そして酸性やアルカリ性は、pH(ピーエッチまたはペーハー)という単位で濃度をあらわします。
0~14までの数値で0に近いほど酸性度が高く、14に近いほどアルカリ度が高いということになり、7は中性であることを意味します。
酸性の汚れを落としたい場合は、アルカリ度が強い洗剤ほど効果的です。
pHが9.8前後のセスキ炭酸ソーダは、中性に近い弱アルカリ性となります。
酸性汚れである黒カビの表面を分解する効果は多少あっても、深く根を張ったカビを完全に除去することはむずかしいのです。
セスキ炭酸ソーダは浴槽の掃除で効果を発揮する!
セスキ炭酸ソーダは、カビを完全に除去するのには向いてませんが、浴槽についた皮脂汚れや湯あか掃除には効果的です。
ここでは、セスキ炭酸ソーダを使った浴槽の掃除方法についてご紹介します。
まずは、セスキ炭酸ソーダの水溶液をつくってみましょう。
用意するもの
- セスキ炭酸ソーダ(小さじ1~2杯)
- 水(500ml)
- スプレーボトル
スプレーボトルに水500mlを入れ、セスキ炭酸ソーダを1~2杯入れます。
そしてスプレーボトルの口を閉めたら、よく振ってセスキ炭酸ソーダが水に溶けたらセスキスプレーの完成です。
掃除の仕方も簡単で、浴槽全体にセスキスプレーを吹きかけて数分放置したあと洗い流すだけです。
一般的な中性洗剤のように泡立たないため、サッと洗い流せて便利に使えます。
セスキ炭酸ソーダが得意とする皮脂汚れが落ちて浴槽がツルツルになるだけでなく、消臭効果も期待できますよ。
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風呂場の浴槽や壁についたカビを落とす3つの方法
風呂場のしつこいカビを落とすためにはどうしたらいいんでしょうか。
続いて、セスキ炭酸ソーダ以外でカビの除去に効果があるものをご紹介します。
方法(1)熱湯消毒
手軽にできるカビの除去方法は、熱湯による消毒です。
カビは熱に弱いので、60℃前後の熱湯をかけることで死滅させられます。
風呂場の排水口などのヌメリも落としやすくなるでしょう。
ただし、ヤケドしないように気をつけてくださいね。
方法(2)アルコール除菌
カビは市販されているアルコール(またはエタノール)スプレーで除菌することができます。
一般的に消毒や除菌に使われるアルコールの濃度は70~80%に調整されていて、揮発性も高いことから素材を傷めにくいというメリットもあります。
ただし注意点として、カビに直接スプレーするのではなく、アルコールを吹きかけた雑巾などで拭き取るようにしてください。
カビに直接スプレーしてしまうと、胞子が周辺に飛び散ってしまいカビの被害が大きくなるおそれがあるんです。
以下で、おすすめのエタノールをご紹介しますので参考にしてみてください。
無水エタノールP 500ml 健栄製薬
エタノールは、80%前後の濃度がもっとも除菌効果を発揮するといわれています。
カビ掃除に使うときは、エタノールと水を8:2で薄めて使うのがおすすめです。
方法(3)漂白剤
カビ掃除に使う漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムが含まれている除菌力の高い塩素系が効果的です。
漂白剤は強アルカリ性なので、掃除する際は手荒れなどを防ぐためにゴム手袋の着用をおすすめします。
また漂白剤には刺激臭があることから換気をしっかりおこない、目や口に入らないようにメガネやマスクなども着用しましょうね。
漂白剤でカビ掃除をするときは、カビが発生している場所を乾かした状態にしてから使いましょう。
濡れた状態で漂白剤を使うと、除菌力が薄れてしまうことがあるんです。
また、スプレー式の漂白剤を使う場合は、直接吹きかけることはおすすめできません。
胞子が飛び散るだけでなく、目線より高い場所は目に入るおそれがあるからです。
このため、漂白剤を染み込ませた雑巾などに吹きかけてから拭き取るとよいでしょう。
ガンコなカビ汚れには、漂白剤を染み込ませたキッチンペーパーを貼り付けたあとにラップしておくと、より浸透しやすく落ちやすくなりますよ。
ただし、アルカリ性の漂白剤を酸性の洗剤と混ぜると、人体に有害な塩素ガスが発生するので絶対に避けましょう。
カビを効果的に落としたいときには、漂白力や除菌力が高い漂白剤がおすすめです。
強力カビハイター® 浴室カビとり剤 花王
強力カビハイター®は、次亜塩素酸塩や界面活性剤を含んだカビ専用洗剤です。
スプレー式で詰め替えもあり、移し替える手間などもなく便利に使えます。
※カビハイター®は花王株式会社の登録商標です。
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カビを除去したあとはセスキ炭酸ソーダで予防しよう!
セスキ炭酸ソーダは鉱石を原料とした無機物のため、カビの栄養にはなりません。
カビを除去したあとのカビ予防として効果的に使えます。
セスキ炭酸ソーダで壁や床の表面をコーティングすることで、カビが育ちにくい環境をつくることができるんです。
カビ掃除をしたあとには、セスキスプレーをつくって定期的に吹きかけて予防しておきましょう。
ピンクカビは黒カビ発生のサイン
風呂場には黒カビのほかに、ヌメリのあるピンクカビ(または赤カビ)といわれるものが発生することがあります。
ピンクカビの正体は、カビではなく「メチロバクテリウム」というバクテリアで、黒カビとは違い乾燥に強く繁殖しやすいのが特徴です。
ただし、ピンクカビは簡単に取れるからといって放置するのは危険です。
また、ピンクカビがあるということは、黒カビも発生しやすい環境になっているというサインなんです。
ピンクカビは、中性洗剤などをつけたスポンジで軽くこするだけで簡単に落とせるので、見つけたときにはしっかり除去して対策しましょう。
セスキ炭酸ソーダは油汚れ落としにもおすすめ!
セスキ炭酸ソーダは、風呂場周りのほかキッチンの油汚れを落とすのに便利です。
コンロや換気扇など、セスキ炭酸ソーダを活用できるところはたくさんあるので、上手に使い分けて家中をキレイにしましょう。
以下のページでは、場所別にセスキ炭酸ソーダを使って掃除する方法をご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
まとめ
セスキ炭酸ソーダは、カビを完全に落とすのには向いていません。
風呂のカビ掃除をするときは、汚れの種類に対してどの洗剤がよいか特徴を知っておくことが大切になります。
カビの除去には熱湯のほか、アルコールや漂白剤を使うことが効果的です。
そしてセスキ炭酸ソーダは、カビが発生しないように予防対策として活用しましょう。
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