暖房に限らず、エアコンの電気代は使用環境や外気温との差、電力料金プランなどで大きく変わります。1ヶ月にどれぐらいかかるかは、消費電力と電気代単価を使って計算してみましょう。
電気代が値上げされた今、上手に冬を乗り越えるにはエアコンの使い方が非常に重要です。
この記事では暖房の1ヶ月の電気代やその計算方法、6つの節約術について紹介します。「暖房はつけっぱなしにしたほうがお得?それともこまめに消したほうがいい?」という点も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

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電気代はエアコンの消費電力や使用環境などで大きく変わる
まず、暖房・冷房問わず「エアコンの電気代は〇〇円!」と具体的な数字を挙げるのは困難です。以下のような要素によって電気代は大きく変わります。
- 消費電力
- 使用環境
- 外気温と室内気温の差
- 部屋の広さ
- 地域
- 電力料金プラン
そのため電気代がどのぐらいかかるか知りたいときは、計算式を使って調べてみましょう。
ただし、計算式で出せる金額はあくまで目安です。各家庭によってエアコンの使い方は異なるため「必ずこの金額になるんだ」とは考えないようにしてください。
暖房の電気代の計算方法|1ヶ月いくらになる?

実際に、計算式を使って暖房の電気代を求めてみましょう。
電気代を求めるときに使う計算式
エアコンの電気代を求める際に使う計算式は以下の通りです。
①【1時間あたりの電気代】
消費電力(kW) ✕ 1kWhあたりの電気代単価
②【1日(24時間)あたりの電気代】
消費電力(kW) ✕ 1kWhあたりの電気代単価 ✕ 使用時間
(① ✕ 使用時間)
③【1ヶ月あたりの電気代】
消費電力(kW) ✕ 1kWhあたりの電気代単価 ✕ 使用時間 ✕ 日数
(② ✕ 日数)
④【1年間の電気代】
期間消費電力量(kWh) ✕ 1kWhあたりの電気代単価
「消費電力」と「期間消費電力量」は、各エアコンの取扱説明書またはカタログに記載されています。期間消費電力量とは、1年間にエアコンが消費する電力量の目安を指しており、一定条件をもとに算出されたものです。
目安となる電気代を実際に調べてみよう
それでは以下のモデルをもとに電気代を計算してみましょう。

本記事では、1kWhあたりの電気代単価を31円として計算します。以前は27円/kWhでしたが、電力料金の改定を受けて令和4年7月22日に改定されました。
参考:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
①【1時間あたりの電気代】
0.635(kWh) ✕ 31(円) = 約19.7円
②【1日(24時間)あたりの電気代】(今回は1日8時間使用した場合を想定しています)
19.7(円) ✕ 8(時間) = 157.6円
③【1ヶ月あたりの電気代】
157.6(円) ✕ 30(日) = 4,728円
④【1年間の電気代】
830(kWh)✕31(円)=25,730円
ただし冒頭でもお伝えしたように、電気代は使用環境や電力料金プランなど複数条件によって変わります。あくまで目安として捉えておいてください。
冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなる
少し話はそれてしまいますが、冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなります。冬場のほうが設定温度と室内温度との差が大きくなるからです。
一般的に、エアコンは設定温度になるまでフルパワーで稼働したあと、その温度を維持するような運転へと変わります。冬場は外気温と室内気温の差が大きくなる分、エアコンがフルパワーで稼働する時間も長くなるため、どうしても電気代が高くなりやすいのです。
例えば気温が30度のなか冷房27度に設定した場合、その温度差は3度です。一方で気温10度のなか暖房20度に設定した場合の温度差は10度になります。
つけっぱなしにするか電源をこまめに切るかは状況に応じて判断するのがポイント

エアコンをつけっぱなしにするかこまめに切るかは、そのときの状況に応じて判断しましょう。使用するタイミングを間違えるとかえって電気代が高くなってしまいます。
つけっぱなしにしたほうがいい場合
以下のどちらかに当てはまる場合は、電源をこまめに切るよりもつけっぱなしにすることをおすすめします。
- 一日中家にいる場合
- 1時間以内のちょっとした外出をする場合
電源のオンオフを繰り返していると、起動させる度にフルパワーで稼働させる時間が発生してしまいます。設定温度との差が大きいほどフルパワーでの稼働時間も長くなるため、つけっぱなしにしておくほうが賢明です。
ちなみに「つけっぱなしにしていても大丈夫なの?」と不安な方もいるかもしれませんが、一般的な使い方をしていれば問題ありません。しかし、間違った使い方をしていると火災へ発展する場合もあるため注意しましょう。
詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

電源を切ったほうがいい場合
以下に当てはまる場合は、一度電源を切ったほうが電気代を節約できます。
- 数時間~半日以上外出する場合
- 一日中(またはそれ以上の期間)家をあける場合
ダイキンが行った暖房に関する検証でも、外出時に運転をオフに(スケジュールに合わせて入り切り)したほうが、つけっぱなしにするよりも消費電力量が少ないことが分かっています。
参考:mission5-2 エアコン暖房を「つけっぱなし」にするのと「こまめに入り切り」するのでは、どちらの電気代が安くなるの?|ダイキン工業株式会社
エアコンにタイマー予約機能が搭載されている場合は、事前にセットしておくと帰宅時も快適です。
暖房の設定温度は20度が目安
環境省では、平成17年度から「WARM BIZ(ウォームビズ)」を呼びかけており、暖房時の室温が20度でも快適に過ごせるライフスタイルを推奨しています。地球温暖化対策の一つであり、暖房に必要なエネルギー量を減らしてCO2削減につなげるのが目的です。
そのため、暖房の設定温度も20度が目安といわれています。設定温度を1度下げると消費電力を約10%削減できるともいわれているため、電気代節約に効果的です。
ただし寒さを我慢しすぎて体調を崩さないよう注意してください。心地良いと感じる温度は人によって異なるため、食べ物や衣服で体を温めつつ、無理のない範囲での温度設定を心がけましょう。
1ヶ月あたりの平均電気代について
日本のさまざまな統計データを閲覧できる「政府統計の総合窓口(e-Stat)」によると、1ヶ月あたりの平均電気代は以下のような結果になっています。一人暮らしの方もご家族と住んでいる方も、一度見比べてみましょう。

家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表|政府統計の総合窓口(e-Stat)
「平均よりかなり高い金額を毎月支払っている」という場合はとくに、節約を意識すると今よりも電気代を抑えられるかもしれません。
暖房の電気代を節約する方法は6つ

暖房の電気代を節約する方法は6つあります。生活に取り入れていくことで、低めの設定温度でも過ごしやすくなるでしょう。
自動運転に設定する
自動運転とは、設定温度に合わせて自動で風量を調節してくれるモードです。もっとも効率の良い運転をしてくれるため、電気代節約に役立ちます。
中には、節約目的で弱運転にしている方もいるかもしれません。しかし、弱運転だと設定温度になるまでの時間が長くなる分、かえって電気代が高くつきます。なるべく自動運転にしておくのがおすすめです。
エアコンからの風を下向きにする
温かい空気は上に、冷たい空気は下にたまる性質があります。そのため暖房を使用するときはエアコンの風向きを下に設定することで、快適に過ごしやすくなります。
反対に風向きを上に設定していると、天井付近に温かい風がたまってしまうため気を付けましょう。
フィルターを掃除する
エアコンのフィルターを掃除していると本来の能力を発揮できるため、電力を無駄に消費せずに済みます。
反対にフィルターが目詰まりすると動作が妨げられ、本来の能力を発揮しようと多くの電力を消費してしまいます。暖房の効きも悪くなるため、2週間に1回を目安に掃除するのが大切です。
エアコンフィルターの掃除に関して詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

また1~2年に1回は専門業者にエアコンクリーニングをお願いしましょう。電気代の節約につながるだけでなく、清潔な状態も維持できます。
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窓に断熱シートを貼る
窓に断熱シートを貼ることで屋外の冷気を遮断でき、室内の温かい空気も外へ逃げにくくなります。窓ガラスからは意外と室内の熱が逃げているため、暖房が効きにくいと感じている方は試してみましょう。断熱シートはホームセンターや通販サイトなどで購入できます。
断熱効果のあるカーテンや厚手のカーテンにするのも有効です。
サーキュレーターで温かい空気を循環させる
サーキュレーターを天井へ向けて設置し、上部にたまった温かい空気を循環させましょう。部屋全体の温度を均一にしてくれるため、暖かさを感じやすくなります。
具体的な設置場所は、エアコンの対角線上もしくは部屋の中央です。サーキュレーターを対角線上に置く場合は、エアコンに向くよう角度を調節します。
電力会社の切り替えもしくは料金プランの見直しをする
「契約時と比べてライフスタイルに変化があった」「電力会社や料金プランをなんとなく決めた」などの場合は、電力会社の切り替えもしくは料金プランの変更を検討してみてください。
電気代の料金設定は各電力会社で異なり、展開しているプランもさまざまです。今よりもお得に使えるプランがあれば家全体の電気代を節約できます。
各社で用意されているプランの例として、電気代を使うほどお得になるプランや深夜の電気代が安くなるプランなどが挙げられます。
ほかの暖房器具との併用もアリ
エアコンとほかの暖房器具を併用するのも一つの方法です。
とくに電気毛布やこたつは、消費電力が小さいながらも下半身を集中的に温められます。「足元は寒いけれど頭は熱くてボーッとする」という方は、電気毛布やこたつを使うとエアコンの設定温度を下げても過ごしやすくなるでしょう。
電気ストーブ(ハロゲンヒーター)やオイルヒーターはエアコンよりも消費電力が高い傾向にあるため、一時的な利用が向いているといえます。
古い機種の場合は新しいものへ買い替えるとお得になる可能性が高い
エアコンの暖房の電気代は、さまざまな条件で変わります。少しでも節約したいなら、エアコンの設定変更やフィルターの掃除、電気料金プランの見直しなどを行うのが大切です。
エアコンクリーニングを依頼したいなら「もちや」の利用をおすすめします。
また、古い機種のエアコンをお使いの場合は、新しいものへ買い替えるだけでも電気代が安くなる可能性が高いです。省エネ性能は年々進化しているため、金銭的に余裕のある方は検討してみましょう。