ドレンパンとは結露水を受け止める受け皿のことです。熱交換器で発生した結露は、ドレンパンを通ってドレンホースへと流れていきます。掃除するには分解作業が必要なため、きれいにしたいときはドレンパン分解クリーニングに対応している業者へ依頼しましょう。
汚れを放置していると、場合によっては水漏れが起きる可能性もあります。
この記事では、ドレンパンの構造や汚れを除去する方法について説明します。プロによるドレンパン分解クリーニング(基本的な取り外し方)にも触れているため、ぜひ最後までご覧ください。
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そもそもエアコンのドレンパンって何?
冒頭でも少しお伝えした通り、ドレンパンは結露水の受け皿のことです。ドレンホースと接続されており、ドレンパンにたまった結露はドレンホースを通して室外へ排出されます。
ドレンパン単体で外せるタイプが一般的ですが、中にはドレンパンとファンが一体型になっているタイプもあります。
冷房や除湿は、室内の暖かい空気を熱交換器で冷やしたあと、再び室内へ放出する仕組みです。そして空気の温度が下がると、含みきれなくなった水蒸気が結露として現れます。
その結露を漏らすことなく室外へ排出するのがドレンパンです。
ドレンパンの汚れを放置すると起こりうる3つのトラブル
どれだけ気を使っていても、ドレンパンには汚れがたまってしまいます。ひどく汚れている状態で放置していると、3つのトラブルが発生する可能性があるでしょう。
水漏れを起こす
ドレンパンに汚れがたまると、通常よりも結露水の通り道が狭くなります。その状態でエアコンを使い続けた場合、ドレンパンが結露水を受け止めきれなくなり室内へと水が漏れてしまう恐れがあります。
たまった汚れがドレンパンとドレンホースをつなぐ穴を塞いでしまい、水があふれることもあるでしょう。
エアコンの水漏れの原因はドレンパンだけではありません。ドレンホースの排水不良やエアコンの施工不良などいくつか考えられます。そのうちの一つとして、ドレンパンの汚れが挙げられるのです。
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カビが繁殖する
カビは、以下の3つの条件がそろうと繁殖しやすくなります。
- 20~30度の温度
- 60%以上の湿度
- ほこりや汚れ、水といった栄養分になるもの
ドレンパンや熱交換器などのエアコン内部は、これらの条件がそろいやすいです。とくに冷房や除湿を使う季節は結露が発生するため、カビにとっては住みやすい環境になります。
また、ドレンパンはすべての結露水を完全に排出できるわけではありません。メーカーや機種によっては、ドレンパンに水がたまりやすい構造になっているものもあります。
その場合は、さらにカビが繁殖しやすくなるでしょう。
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悪臭が発生したり健康被害を引き起こしたりする可能性も
エアコン内部にカビが繁殖していると、嫌な臭いがしたり健康被害を引き起こしたりする可能性もあります。
ドレンパンはエアコン内部にあり、分解しないと掃除できない場所です。そのためフィルターよりも汚れがたまりやすく、カビも発生しやすくなります。
カビの胞子を含んだ空気を吸い込んでしまうと、喘息やアレルギー症状、肺炎などに悩まされるかもしれません。高齢者や小さなお子様がいるご家庭は、とくに注意が必要です。
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ドレンパンの掃除は自分でもできる?
中には「業者に頼むのが面倒だから、できるなら自分で掃除したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは、自分でできる掃除について説明します。
不可能ではないがプロに任せたほうが良い
ドレンパン掃除を自分でやるのは不可能ではありません。しかし、エアコン分解作業の経験がない方や専門知識がない方は、プロへ任せることをおすすめします。
そもそもドレンパンを取り外すには、前段階としてルーバーやエアコンカバーの取り外しが必要です。その後、複数のネジを外したりドレンホースからドレンパンを引き抜いたりして、ようやく掃除できる状態になります。
たとえドレンパンを上手く取り外せても、知識がないと元の状態に戻すのは難しいです。作業後に水漏れが発生して、エアコン業者にお願いしなければならない可能性も十分考えられます。
少しでも不安が残る場合はプロへと依頼しましょう。
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自分で掃除できるのはフィルター・吹き出し口
自分で掃除できるのは、基本的にフィルターと吹き出し口周りです。大まかな手順は以下のようになっています。
【フィルターの掃除】
- エアコンの前面カバーを開ける
- フィルターを取り外す(ほこりがたまっている場合は、取り外す前に掃除機で軽く吸い取る)
- 表面、裏面の順番に掃除機でほこりを吸い取る
- 汚れている場合は水洗いする
【吹き出し口の掃除】
- コンセントから電源を抜く
- ルーバーをゆっくり開ける
- 固く絞った布で汚れを拭き取る
- 汚れが取れない場合は薄めた中性洗剤を染み込ませた布で拭いたあと、水拭き・乾拭きする
お掃除機能付きエアコンであれば、ダストボックスの掃除も必要です。
業者のドレンパン分解クリーニング|基本的な取り外し方
ほとんどの業者ではフィルター・ルーバー・エアコンカバーを取り外して洗浄しています。ドレンパン分解クリーニングを依頼したい方は、ドレンパンの取り外しに対応している業者を選びましょう。
ドレンパン分解作業の基本的な流れは以下の通りです。
- エアコンの電源を抜く
- フィルターやルーバー、エアコンカバーを取り外す
- 向かって右側(基盤がある側)にあるルーバーモーターを取り外す(ネジを外す、もしくは基盤のコネクタを抜く)
- 向かって左側にあるネジを外す
- ドレンパンを手前に引っ張り出す
- 左右どちらかにあるドレンホースの接続口からドレンパンを抜き、完全にドレンパンを取り外す
ドレンパン分解クリーニングは、より細かい部分まで洗浄できるのがメリットです。一般的なエアコンクリーニングでも十分きれいになりますが「できる限り汚れを除去してほしい」という方は、ぜひ検討してみてください。ファンまで分解してくれる業者もあります。
【番外編】ドレンホースの詰まりによる水漏れを解消する方法
番外編として、ドレンホースの詰まりが原因で起きている水漏れの解消方法を紹介します。
室内機からの水漏れは、ドレンパンだけが原因ではありません。ドレンホースの先端が上向きになっていたりホース自体が詰まっていたりと、いくつかあります。
そのため水漏れが起きたときは、以下のような方法でドレンホースの異物を取り除くと解消される場合があります。
掃除機で異物を吸い取る
掃除機を使って、ドレンホース内部の異物を吸い取ります。水分を吸い込むと掃除機が故障する恐れがあるため、数秒吸ったらすぐ離すようにしましょう。
【作業手順】
- エアコンの電源を抜く
- ドレンホースの先端に布を巻き付け、輪ゴムでしっかり固定する
- 掃除機の吸い込み口をあてて電源を入れ、2~3秒吸ったらすぐ離す
- 布を外してゴミや水が出てくるか確認する
- 出てこない場合は何度か繰り返す
掃除機とドレンホースを直接つなぐのではなく、ペットボトルを中継して異物を吸い取る方法もあります。詳しくは、こちらのコラムをご覧ください。
専用ポンプを使う
「掃除機を使っても解消されない」「もっと手軽にできる方法が知りたい」という場合は、ドレンホースの詰まりを解消する専用ポンプを使いましょう。ホームセンターやネット通販などで購入できます。
【作業手順】
- ドレンホースの先端に専用ポンプを差し込む
- 専用ポンプのハンドルを勢いよく引っ張る
- ゴミや水が出てくるか確認する
繰り返し行うときは、専用ポンプをドレンホースから取り外した状態でハンドルを押し込んでください。ドレンホースにつなげたまま押し込んでしまうと、水が逆流して室内機から水漏れする恐れがあります。
ドレンパンの掃除に対応している業者を探してみよう
エアコンのドレンパンは内部にある部品なので、自分で掃除するのは困難です。頻繁に掃除する必要はありませんが、汚れをできる限り除去したいときはドレンパン分解クリーニングの依頼をおすすめします。
ただし、ドレンパンの掃除に対応しているかは業者によって異なります。「もちや」で近くの業者を検索し、対応可能かを相談してみましょう。