エアコンクリーニングのプロに知られたら、
「やめておきなさい」
といわれそうですが…
エアコンのファン掃除、ついに自力でやってしまいました。
ファンについた黒いカビ汚れを見てしまったら、放ってはおけませんよね。
ファン掃除をするには、ファンの手前にあるルーバーを外さなければいけません。そのルーバーについても、プロによれば
「ルーバーは素人が触ると破損するから、外さないように」
とのこと。機種によってはパーツの交換ができず、エアコン自体を交換となることもあるんだそうです。
エアコンのファン掃除どころか、ファン手前にあるルーバーを外すのもタブー。
そのためエアコンのファン掃除は、すべて自己責任のもとでおこなうこととなります。
今回ファン掃除はやり遂げたものの、多少の失敗やリスクもありました。掃除してみた様子を公開しますので、自力でファン掃除をしようかどうか迷っている方の参考になれば幸いです。
なお良識ある方は、プロによるエアコンクリーニングの利用をオススメします。
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エアコンのファンは分解なしで掃除できる

エアコンのファンとは、風の吹き出し口からのぞくと見える黒い円筒状のパーツです。
手が届かないので、エアコンを分解しないと掃除できないんじゃ…?と思う方は多いでしょう。
ですがエアコンのファンは、分解なしでも掃除できるんです。プロがおこなうエアコンクリーニングでも、標準コースではファンを外さずに掃除します。
「完全分解」をおこなうコースでは、ファンを取り外して掃除します。エアコンの完全分解は高額の別メニューまたはオプション扱いです。
ファンを自力で分解するのはオススメしません。
*戻し方がわからなくなる
*戻すのに失敗して故障やトラブルを引き起こす
といったリスクがあります。
ファン掃除の手順1:エアコンパーツの取り外し
エアコンの掃除をするときには、なるべくパーツを外したほうが掃除しやすくなります。自力で外せるパーツを外して、ついでに洗浄してしまうのが効率的です。
- エアコンカバー(前面パネル)
- エアコンフィルター
- ルーバー
自力で外したのはこの3つ。それぞれ外し方を紹介していきます。
エアコンカバー(前面パネル)の外し方

エアコンカバーは、両サイドにあるくぼみに指を引っかけて手前に引っ張ると外れます。両手を使って左右を均等に開けながら上へ跳ね上げていきます。

さらに上へ跳ね上げると、カバーが外れます。外すときは左右どちらか片方ずつ外すのがポイントです。両サイド同時には外れません。
エアコンフィルターの外し方

エアコンフィルターは、左右2枚に分かれています。エアコンフィルターの下部にツマミがあるので、ツマミをもって少し上にあげれば、固定箇所が簡単に外れます。

エアコンフィルターの固定箇所を外したら、ツマミを持ったまま下にずり下げながら抜いていきます。ホコリが舞い上がらないよう、静かに動かすのがポイントです。
エアコンフィルターにホコリが大量についていたら、外す前に、まず掃除機で吸い取っておくのがオススメです。
ルーバーの外し方
エアコンフィルターまでは外したことがあるけれど、ルーバーは外したことがないという方は多いでしょう。はじめて外すときには、ちょっとむずかしく感じるかもしれません。
ここでは、富士通エアコンノクリアのルーバーの例を紹介します。

富士通エアコンノクリアのルーバーは2枚あります。電源を入れて運転をスタートすると2枚が同時に開いてきます。開いた状態でコンセントを抜けば、ルーバーが開きっぱなしで停止します。
手前(前方)のルーバーは薄く、奥(後方)のルーバーはとても厚みがあります。手前のルーバーを先に外すと奥のルーバーが外しやすいです。

まず手前のルーバーを外しましょう。
手前のルーバーは4か所で止められています。そのうち真ん中の2つを先に外すのがコツです。フックにネジなどはついておらず、引き剥がすように外します。
真ん中2つの留め具を外したら、両サイドは外しやすくなります。

続いて奥のルーバーを外します。なんとこちらは2枚重ねになっているので、ドライバーを差し込んで引き剥がします。
下の部分が外れたら、残りの上部分を外します。外し方は手前ルーバーと同じです。

ファン掃除の手順2:エアコンの養生のやり方
パーツを外したら、エアコンを養生します。養生とは、壁や床などの周辺が汚れないように保護しておくことです。
- 45Lのゴミ袋
- 養生テープ
- バケツ
- 雑巾
養生テープはガムテープよりも粘着力が弱くて剥がしやすいのが特徴です。テープを剥がすときに壁や床の材質が傷みません。
- STEP1
-
ビニール袋の片側をハサミで切って開く
- STEP2
-
切り開いた部分をエアコンの下に貼り付ける
- STEP3
-
養生テープを隙間なく貼り付ける
【1】ビニール袋の片側をハサミで切って開く

ビニール袋は45L入りのものがちょうどよい大きさです。左右どちらか片側をハサミでカットして開いておきます。
【2】切り開いた部分をエアコンの下に貼り付ける

ゴミ袋の切り開いた部分を養生テープでエアコン下に貼り付けていきます。エアコン横側もぐるっと囲むと、汚水をためるスペースのでき上がりです。
【3】養生テープを隙間なく貼り付ける
エアコンとゴミ袋にスキマがないよう養生テープを貼り付けていきます。テープを数か所止めるだけでは、汚水が壁に伝っていきますのでテープをケチらず貼り、隙間を埋めるのがポイントです。
万が一床に汚水が流れ落ちた場合にそなえて、バケツと雑巾をスタンバイさせておきます。
ファン掃除の手順3:ファンの汚れ落とし
いよいよファンの汚れ落としをしていきます。
- アルカリ電解水
- 霧吹き(水入り)
- ビニール手袋
- タオル
今回はアルカリ電解水を使います。アルカリ電解水は水100%から作られた洗剤なので安全性が高いです。しかしPh値が12~13と高く手荒れしやすいので、手袋の着用が必要になります。
- STEP1
-
コンセントが抜いてあるのを確認する
- STEP2
-
ファンにアルカリ電解水を噴射する
- STEP3
-
30分ほど放置する
- STEP4
-
汚れを洗浄する
- STEP5
-
送風運転でエアコン内部を乾燥させる
【1】コンセントが抜いてあるのを確認する
コンセントが抜いてあるのを確認してから、ファン掃除にとりかかります。ファンは高速回転する危険なパーツですので、掃除中にまちがって運転スタートさせないようにしましょう。
【2】ファンにアルカリ電解水を噴射する

ファンにアルカリ電解水をスプレーしていきます。ファンは円筒状になっているので、回転させながら噴射していくのがポイントです。
ファンに手が届かない場合は歯ブラシを活用するとよいでしょう。5~6回、手で回転させながら噴射したら全体にアルカリ電解水がゆきわたります。
全体に噴射し終わるころには、手がかなり疲れますが汚れ残りがないようしっかりスプレーをかけておくことが大事です。
【3】30分ほど放置する
ファンにアルカリ電解水をふきかけたら、汚れが浮くまでしばらく待ちます。待っている間に、外したパーツを洗うのが効率的ですね。
エアコンフィルターの掃除方法はコチラ
【4】汚れを洗浄する
汚れが浮いてきたら、霧吹きを使ってすすぎ洗いをしていきます。汚れが落としにくいときにはブラシや雑巾を併用するとよいでしょう。

汚水は下に落ちてたまっていきます。
水は、汚水がでなくなるまで(手がだるくなるまで)たっぷりふきかけて、すすぎ洗いをするのがポイントです。洗浄が終わったら5分ほど放置して、汚水を落としきります。

ホコリはとれてスッキリしましたが、ファン自体が黒いので、汚れが残っているかどうかはわかりません。白い雑巾で拭いてみて、黒い汚れがついてこなければ掃除完了です。
【5】送風運転でエアコン内部を乾燥させる

汚水が落ち切ったら送風運転で内部を乾燥させます。送風運転は熱交換機能を使わず、風だけを送り出すので、内部乾燥にちょうどいい機能です。
また電気代も冷房より安いので、エアコン内部の乾燥には送風運転が最適となります。
送風運転をはじめると、ファンから水しぶきが!!
中に残った水が飛んでくるので、もういちど養生をして送風運転をしてみました。すると送風の勢いでゴミ袋がバサバサうるさくなりますが、水しぶきを受け止めてくれました。

水しぶきが飛んでこなくなったら、養生を外しました。ただファン周辺にまだ湿気があったので、さらに半日ほど送風運転を継続!!
とにかく湿気は大敵です。少しでも水気が残っていたら、カビ発生の原因になります。何のために掃除したのかわからないので…。

完全に乾いたのを確認してから、ルーバーを設置して完了です。
エアコンフィルターの掃除方法
ファンの汚れを浮かせている間に、フィルターの掃除もしましょう。
軽い汚れなら、アルコール除菌ウエットシートでふき取るだけで大丈夫です。
気になる汚れを洗浄したいときには、浴室で洗うのがオススメです。温水シャワーで洗い流せば、簡単に汚れが落とせます。

ただし撥水コートなどが施してあるフィルターもあるため、固いブラシでこするのは厳禁。また洗剤は中性洗剤を使うと表面のコーティング剥がれの心配がありません。
ちなみに私は、バスマジックリン®を使います。
エアコンのパーツは、洗った後よく乾燥させておきましょう。

\プロの分解洗浄で!ニオイ・カビ・ホコリを徹底除去/
自力でエアコンのファン掃除をした感想
エアコンのファン掃除をした後は、ファンの気になる汚れはスッキリ。その後もエアコンは順調に動いています。
ファン掃除は、思ったより簡単にできましたが、一番むずかしいと感じたのは、ファン掃除そのものではなく、ルーバーを外すことでした。
エアコンは、パーツを取り外しさえできたら、掃除は何とかなるという印象です。
もちろん、取り外したパーツを戻すことも重要。
自力で「外す・戻す」ができるパーツについては、自力掃除が可能となります。

自力でのファン掃除にはリスクもある
エアコン内部の掃除は、メーカーでもエアコンクリーニング業者でも、推奨されてはいません。というのも、エアコンの自力掃除は次のようなリスクがあるからです。
- 分解したらもとに戻せなくなる
- 作業中にパーツが破損する
- 汚れを徹底洗浄できない
- 中途半端な掃除で汚れが排水経路につまる
- 電装部分が濡れて故障する
今回は自力でファン掃除をしましたが、見えない部分には相当汚れが残っていると思われます。その汚れはやはり定期的にプロに任せて掃除してもらう必要があると感じています。
ファンのほかに、エアコンの重要なパーツとして「アルミフィン(熱交換器)」があります。ファンとアルミフィンは名前が似ていて紛らわしいですが…。
アルミフィンは、熱交換の役割を果たす重要なパーツです。
熱交換をするための金属板が無数に並んでいて、その板は奥まで長く続いているのです。中途半端な掃除では汚れが取れず、逆にホコリや洗剤がたまっていきます。
アルミフィンは非常に掃除しにくく、素人では掃除できません。専用の洗剤と、エアコン掃除用の中圧洗浄機が必要です。
エアコン内部の徹底洗浄には、フィンの掃除が欠かせません。普段のお手入れに加えて、プロによるエアコンクリーニングは、定期的に利用するのがオススメです。
※マジックリン®は花王株式会社の商標登録です。