エアコンが臭う、ホコリっぽい、吹出口にカビが!
高温多湿な日本の夏にエアコンは必須。水分が溜まりやすい冷房運転を行うことで、エアコンのカビ汚れや匂いの発生はどうしても防ぎきれません。
事実、エアコンの汚れには多くの家庭が悩んでいる問題で、動画投稿サイトでは「自分でエアコンを分解洗浄」などの動画も多く見られ、再生数も伸びがちです。しかし、機械やクリーニングに詳しくない場合、DIYでのエアコンの分解・洗浄はおすすめ出来る方法とは言えません。素人が手を出すと大きなリスクがあるのです。
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見様見真似のエアコン分解クリーニングのリスク
エアコンは比較的水に強い家電で、きちんと構造を理解して養生すれば水をかけて洗うこともできます。
しかし電気が通う基板に水がかかると故障や漏電リスクがあり、熱交換を行うアルミフィンに洗剤残りがあると、腐食のリスクがあります。分解後に動かなくなってしまった、パーツを破損してしまった……。など、修理に高く付くケースや、周囲の家具が水浸しになるリスクもあるなど、家庭で行うには、リスクリターンの見合わない清掃と言えます。
やはり、エアコンの「分解」洗浄に関しては、専門のクリーニング業者にお願いするのが一番安全で、効率的で、高い効果が期待できるでしょう。相場としては1台あたり1万円前後(お掃除機能付きの場合2万5000円前後)で、専門家によるクリーニングを依頼できます。
家庭でできる分解不要ノーリスクエアコン清掃
前述のようにエアコンの洗浄は業者に任せた方が良い結果が得られますが、軽度な汚れの清掃であれば、家庭でも十分に行えます。
効果は分解洗浄には及びませんが、効果はゼロではありません。季節の変わり目ごとに行っておけば、ホコリっぽさや匂いを低減させ、汚れの蓄積を遅らせることができるので、定期的にメンテナンスしておきましょう。ここでは30分でできる、クイックエアコン清掃の方法を紹介していきます。
1.上部のホコリ払い
まずはエアコンの電源を抜き、ダスターや掃除機を使って、上部に溜まったホコリを払っていきます。いきなり水拭きしてしまうと、ホコリが水分を吸収して隙間に詰まり、塊になってフィンの上に落ちてしまうので、必ず乾いた状態でホコリを取り去りましょう。
なお、オフシーズン中にホコリが積もるのを防ぐ、エアコン室内機カバーもあります。日常的にホコリを防ぐ手段を用意しておくと、メンテナンスも楽になります。
東和産業 エアコン 室内機カバー OSW
2.フィルター清掃、洗剤洗い
フィルターは掃除機でホコリを吸い、浴室やシンクで洗剤洗いを行います。洗剤は家庭用中性洗剤(ウタマロクリーナーなど)、もしくは台所用洗剤を利用します。強くこすってしまうとフィルター破れの原因になるので留意しましょう。
*ウタマロは「株式会社東邦」の商標登録です
お掃除ロボット機能付きの機種はホコリは取り除いてくれますが完璧ではありません。シーズンごとにフィルターを取り外して洗浄しておくと良いでしょう。
洗浄後はタオルで水気を取り、風通しの良い場所で十分に乾かしましょう。
3.ボディ清掃
ボディはマイクロファイバークロスと、洗浄力が強くカビにも効果の高いアルカリ電解水、もしくはアルコールスプレーで拭き掃除を行います。エアコンに直接スプレーすると、液だれで家具や床を汚してしまうので、クロス側にスプレーしてから拭き上げるように清掃します。
4.ルーバー・吹出口清掃
カビによる汚れが最も目立つのが、吹出口や風向きを変えるルーバー、その奥のクロスフローファン。ここを清掃することで、カビの匂いや不快感も大きく減らすことができますが、狭く複雑な場所で、エアコン掃除の鬼門となっています。
吹き出し口の掃除はアース製薬の「らくハピ エアコンの防カビ スキマワイパーセット」がおすすめです。しなやかに曲がるワイパーに、汚れ除去・除菌・防カビ成分入りのシートがセットになっており、届きづらい吹出口の奥まで拭き取り、防カビコーティングを行うことができます。
らくハピ エアコンの防カビ スキマワイパーセット(アース製薬)
\筆者のYouTubeちゃんねるでも紹介しています/
ファン(クロスフローファン)は特に汚れが溜まりやすい場所です。しかし、稼働するパーツで、負荷をかけると破損の恐れもあるので、ゴシゴシと掃除するのは非推奨。
専門のクリーニング業者であれば薬剤と高圧洗浄により負荷をかけずに汚れを洗い流すことができますので、匂いや汚れが取り切れない場合は、クリーニング業者への依頼を検討すると良いでしょう。
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5.送風・試運転
外したフィルターをセットし、コンセントを差し込み、3分ほど送風運転を行います。この際、吹出口から剥がれたホコリやカビが飛び出してくることがあるので、運転はじめはタオルを当てておきましょう。これでエアコンの清掃は完了。いつでもエアコンを気持ちよく使うことができます。
なお、時間に余裕があれば、冷房・暖房とそれぞれ15分間ほど試運転して、冷風と温風が出ることを確認しておくと安心できます。
番外:フィン清掃は非推奨。夏場は低温運転での洗い流しがおすすめ
1点留意したいのが熱交換器(アルミフィン)の汚れ。こちらも気になるポイントですが、クリーニング業者に任せた方が良い場所です。
市販のフィンクリーナーでも簡易的な掃除は可能で、軽度な匂いであれば改善する可能性があります。用法を守って扱えば、エアコンが故障することはほぼありませんが、フィンの奥側まではスプレーが届かないので、汚れを取り切ることができません。ドレンパンに汚れが残ってしまうなど、満足の得られる結果にならないことも。そもそも、エアコン内部への洗剤の噴射はメーカー非推奨の掃除方法で、基板部に液剤がかかるとショートや発火のリスクもあるのです(詳しくはこちら)。
どうしてもフィンの匂いが気になるなら、気温の高い夏場に、窓を開けて最低温設定で1時間稼働させるというアプローチもあります。しくみとしては低温稼働させることで、フィンに結露が発生。フィンに付着しているにおい成分が結露水に溶け込み洗い流されるというもの。効果は汚れの程度によってかわりますが、リスク無く匂い除去が期待できます。
手が届く範囲だけでもクリーンに。手が届かないところはメーカーやクリーニング業者へ
エアコンで素人が掃除できる場所は限られていますが、これらのメンテナンスを定期的に行っておけば、汚れも付着しにくくなります。季節の変わり目を目安に余裕をもって掃除しておきましょう。
それでも汚れや匂いが気になるなら、エアコンメーカーのクリーニングや、専門のクリーニング業者への依頼も検討してみましょう。素人には難しいクロスフローファンや汚れを受け止めるドレンパンまで、匂いの原因となる場所を、専用の洗剤と高圧洗浄によってしっかりと洗浄してくれます。