噴射するだけで簡単にエアコン掃除ができる!
市販品でコスパよくエアコン掃除ができる!
そんな理由でエアコン洗浄スプレーは、使ってみたいと思えるアイテムかもしれません。
しかしエアコン掃除のプロは
エアコン洗浄スプレーを使ってはいけない
といいます。
市販されているエアコン洗浄用のスプレーを使うのは逆効果!
エアコン掃除後に、カビが繁殖したり悪臭がひどくなったりするケースがあるのです。
しかも故障・水漏れ・発火など深刻なトラブルにつながることもあるのだとか。
この記事を読めば、
- エアコン洗浄スプレーを使ってはいけない理由
- 正しいエアコン掃除の方法
がよくわかります。正しい掃除方法で、エアコンをキレイに保ちましょう。
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エアコン洗浄スプレーを使ってはいけない!最悪の事態4つ
エアコン洗浄スプレーを使ってエアコン掃除をすると、さまざまなリスクがあります。なかでも最悪の事態は次の4つです。
カビや悪臭がひどくなる
エアコン洗浄スプレーを使ってエアコン掃除をするのは逆効果!
掃除したはずなのに、前より臭い!
掃除して2~3か月で、カビだらけ…
そのようなケースが少なくありません。エアコン掃除をしたのにカビや悪臭が発生するのは、内部に汚れや洗浄液が残っているのが原因です。
そもそもエアコン内部は、簡単に掃除できるものではありません。
市販のエアコン洗浄スプレーでは奥まで洗浄液が届かず、掃除は中途半端に終わることでしょう。また洗浄液を洗い流すためのスプレーではすすぎ洗いが十分できず、汚れを含んだ洗浄液が内部に残ってたまります。
エアコン内部にたまった汚れや雑菌、すすぎ残しの洗剤成分は、カビの栄養源となります。そのため掃除後に、カビや悪臭が発生するのです。
エアコンの故障
エアコン洗浄スプレーを使った自力掃除は、エアコンの故障につながることが多いです。
よくあるのが、エアコン洗浄スプレーを電気部品に吹きかけてしまうことです。エアコンの電源基盤が水でぬれると、動かなくなってしまうことがあります。
また洗い流し不足が原因で部品のサビや腐食につながることもあります。とくにアルミ板の集合体でできている熱交換器(フィン)は、しっかり洗い流したつもりでも、思った以上に洗剤成分が残っているものです。
プロのエアコンクリーニング業者は、洗浄成分がエアコンパーツに負担をかけることを知っています。そのため
- エアコンに負担の少ない弱アルカリ性や中性の洗剤を使う
- しっかり洗い流すためにエアコン専用高圧洗浄機を使う
といった工夫をするのです。エアコン内部の掃除は、エアコン洗浄スプレーを吹きかけるだけで完了するような簡単なものではありません。
エアコンから発火
エアコン掃除でまさか…発火?
そう思う方は多いでしょうが、エアコン洗浄スプレーを使ったことが原因でエアコンから発火することは意外と多いんです。
たとえば次のような事例を、消防局の公式サイトで見かけるようになりました。
【事例】
エアコンを稼働させたら異音がして、エアコンとその周辺から発火して火災になった。原因はエアコンの電装部品に付着した洗浄液。エアコン掃除に洗浄スプレーを使い、洗浄液を付着したまま放置したためトラッキング現象*が発生。
参考:福岡市消防局
エアコン洗浄スプレーを使用してから、実際に発火や火災が起きるまでにはタイムラグがあります。電装部品に付着した洗浄液を放置しておくと数週間から1年ほどかけてホコリや湿気がたまり、エアコン内部でトラッキング現象*が起きやすくなります。
またエアコン洗浄スプレーで内部清掃をおこない、火災に至った事故の再現映像もあります。電装部品に洗浄液が付着したことでトラッキング現象がおこり、発火している映像です。
引用元:(独)製品評価技術基盤機構(NITE、ナイト)公式YouTubeチャンネル
このような事故が起こらないよう、エアコン洗浄スプレーの使用はやめておいた方がよいでしょう。
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エアコンから水漏れ
エアコンからの水漏れとは、掃除中に洗浄液が液だれしてしまうことではありません。掃除後しばらくしてから、エアコンの運転中に水漏れが起きることを指します。
掃除をしてから数日後、または数か月後に水漏れが起きるケースが多いので、エアコン掃除が原因だとは気づきにくいかもしれません。エアコン掃除が原因で水漏れが起きる場合、水漏れ箇所はさまざまです。
エアコン内部の掃除をするときには、大量の水を使って洗い流さなければいけません。しっかり洗い流さないと内部に汚れがたまったままとなり、排水つまりを起こすからです。
市販の洗浄スプレーだけでエアコン掃除をした場合、すすぎ洗いが足りず、ドレンパン*に洗剤や汚れが残ることがよくあります。ドレンパンにたまった洗剤交じりの汚れは、水分を含んでスライム状になり、排水をせき止めるのです。
結果、ドレンパンやドレンホース(排水ホース)、またはその周辺など思わぬ場所から水漏れします。
ドレンパンの洗浄は、プロでも業者によって掃除方法がちがいます。
ドレンパンを洗浄したいときには、専門知識を持ったプロに任せましょう。
*エアコンの種類によってはドレンパンを外せないケースもあります。
メーカーはエアコン洗浄スプレー使用を禁止している
エアコンメーカーでは、市販の洗浄スプレーを使用した掃除をはっきり禁止しているところが多いです。各社、発煙・発火につながるおそれがあると記載しています。今のところ、以下のエアコンメーカーで洗浄スプレーの使用や自力でのエアコン内部掃除は控えるようにと書かれているので、確認してみてください。
(2023年1月現在 もちやぷらす調べ)
Panasonic
SHARP
DAIKIN
HITACHI
富士通ゼネラル
三菱重工
エアコンメーカーでは、フィルターのみ自力でお手入れするよう推奨しています。そのためフィルター掃除になら、洗浄スプレーを使うことは可能です。
ただしフィルターは、専用スプレーを使わなくても汚れは落ちます。バスタブ用や食器用の洗剤とお湯の組み合わせで、ホコリや雑菌は除去できるんです。
ですからエアコンフィルター掃除用の洗浄スプレーをわざわざ購入する必要はないでしょう。
現場の意見!エアコン掃除のプロに聞いてみた
エアコン掃除に洗浄スプレーを使うのはやめてほしい…
それが現場の切実な訴えのようです。
埼玉県で長く清掃業に携わっている「サンキュー」さんによると、エアコン掃除用の洗浄スプレーには反対とのこと。洗浄スプレーは弱アルカリ性のものが多く、熱交換器(フィン)に施されている親水性コーティングをはがしてしまうそうです。
コーティングがはがれてしまうと、水をはじかなくなり、サビの原因となります。また、洗浄スプレーが熱交換器(フィン)に残っていると、溶けて白い粉が出てくることがあるんだとか。
熱交換器(フィン)が劣化していたり、サビが発生したりしているエアコンは、過去にエアコン洗浄スプレーを使っているケースが多いそうです。
内部にサビがついて腐食してしまったら、お掃除業者といえども元に戻すことはできません。最悪、交換となることも。そのためエアコン内部が汚れていたら自力で掃除しようとせず、プロに任せてほしいとのことでした。
埼玉県でハウスクリーニングを営んでいるサンキューさん。
業界歴15年、ハウスクリーニング士資格をお持ちです。
ご予約はこちらから
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どうしてもエアコン洗浄スプレーを使いたいなら洗浄を徹底
エアコン洗浄スプレーをどうしても使いたい!という方もいらっしゃるかと思います。そういった方のために、エアコン洗浄スプレーを使った掃除手順をお伝えします。
ただし、もちやぷらすとしては推奨していませんので、あくまで自己責任でお願いします。
まずはエアコン内のパーツの名前を確認しておきましょう。ここでは熱交換器(フィン)と送風ファンの掃除方法を解説していきます。
★エアコン洗浄スプレー(2種類)
- 熱交換器(フィン)用のエアコン洗浄スプレー
- 送風ファン用のエアコン洗浄スプレー
★用具
- 脚立
- 掃除機
- シャワーホース
- エアコン養生カバー
- 養生テープ
- 衣装ケース
- ビニール袋
- 古タオル
- クロス
- ゴム手袋
本来、エアコン内部の掃除には、高圧洗浄機が便利です。しかし、ご家庭にある方は少ないかと思いますので、今回はベランダや庭からシャワーホースを引き込んでしまう方法を紹介。もしシャワーホースが準備できない場合は、霧吹きで地道に水を吹きかけましょう。
エアコン掃除の手順
エアコン掃除中の危険を回避するため、はじめに電源プラグを抜いておきます。
パーツはなるべく外してしまったほうがキレイに掃除できます。ただし無理に外すと元に戻せなくなることがありますので、できる範囲でパーツを外すようにしましょう。
※ルーバーの外し方はこちらのコラムで解説しています→【メーカー別】エアコンルーバーの外し方!簡単分解して掃除してみた | もちやぷらす (mochiya.me)
掃除機ノズルをブラシタイプにつけかえて、細かいスキマのホコリを除去するのがおすすめです。熱交換器(フィン)の金属部は繊細で簡単に変形します。なるべく触れないよう注意しましょう。
電装部品に洗剤や水がかからないよう養生します。古タオルをかぶせて養生テープでしっかりとめておきましょう。この上からさらにビニール袋などで覆っておくと万全ですね。
エアコン掃除用の養生カバーやビニール袋でエアコン周りを隙間なく養生します。
隙間から水が入り込まないよう養生テープでしっかりとめるのがポイントです。また掃除中に流れ落ちる汚水をためるため、エアコンの下に衣装ケースを置きます。
熱交換器(フィン)は、エアコン内部の正面にある金属の部分です。
アルミ板のスキマに洗浄液が行き渡るよう、スプレーします。
金属部分にスプレー缶が触れないよう、5cmほど離れた場所から吹きかけましょう。洗浄液はたっぷりと吹きかけることが重要。スプレーはすべて使いきりましょう。
熱交換器(フィン)の洗浄液を洗い流します。
たっぷりの水を勢いよく流し、内部に洗剤や汚れを残さないことが大切です。
プロならここで高圧洗浄機を使います。自力掃除をする場合はシャワーホースや霧吹きで地道にすすぎ洗いをしましょう。
送風ファンはエアコン下部にありますので、洗浄スプレーを吹きかけるときには液だれに注意。
15分ほど放置して汚れを浮かせるのがポイントです。
送風ファンの汚れは下へ流れ落ちますので、ビニール袋や衣装ケースの中へ汚水を流しながら洗浄していきます。
エアコン内部の水気を送風、もしくは冷房で吹き飛ばします。このとき、水が飛びますので、養生はつけたまま乾燥させるのがコツです。
エアコンの外枠・フィルター・カバー・ルーバーを取りつけます。最後に「送風」または「内部乾燥」機能を使ってエアコン内部を乾燥させましょう。
自力でできるのはフィルター掃除まで
エアコン掃除に市販の洗浄スプレーを使うのはおすすめできません。そもそも内部の掃除方法は、エアコンの取扱説明書にも解説はなく、自力で掃除するべきではない部分ともいえます。
エアコンメーカーの取扱説明書によれば、自力でできる掃除はフィルターまで。それより内部が汚れないよう、こまめにお手入れしておくことが重要です。
エアコンのフィルター掃除手順を確認しましょう。
- STEP1
-
エアコンの電源を抜く
- STEP2
-
エアコンのカバーを開ける
- STEP3
-
フィルターを引き抜く
- STEP4
-
掃除機でおもなホコリを吸い取る
- STEP5
-
お湯シャワーで洗い流す(必要に応じて中性洗剤使用)
- STEP6
-
フィルターを乾燥させる
- STEP7
-
フィルターを設置する
- STEP8
-
エアコンのカバーを戻す
フィルターのくわしい掃除方法は、こちらの記事でも紹介しています。カバーやフィルターの外し方も写真付きでくわしく解説しています。
エアコン洗浄スプレーは安物買いの銭失い
もちやぷらすとしては、エアコン掃除に洗浄スプレーの使用はおすすめできません。
エアコンの寿命を短くするだけでなく、火災の原因にもなりかねないからです。たしかに、プロのエアコンクリーニングに比べると価格は10分の1ほどかもしれません。ただ、それに対するリスクが大きすぎるような気がします。
エアコンは電気製品です。配線などの知識がないまま、水分を噴霧して掃除をすることが、危ないのは明確。皆さんはパソコンが汚れたからといって、シャワーで洗ったりはしないはずです。エアコンの内部洗浄は、それくらいのことと考えてもいいかと思います。
安物買いの銭失いにならないように、よく検討してみてはいかがでしょうか。
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エアコン洗浄スプレーが余ったら
エアコン洗浄スプレーは、エアコン掃除に使わないほうがよいとわかったけれど、
- すでに買ってしまった
- 去年買ったものが余っている
という場合には、使い道に困りますね。
ここでは、エアコン洗浄スプレーのエアコン掃除以外での使い道や、捨て方について紹介します。
エアコン洗浄スプレーの他の使い道
市販されているエアコン洗浄スプレーには、大きく分けると中性(弱酸性・弱アルカリ性含む)・アルカリ性の2種類があります。余ったエアコン洗浄スプレーの液性を確認して、ほかの場所の掃除に活用するという手もあります。
中性エアコン洗浄液の使い道
中性洗剤は、界面活性成分が汚れを浮き上がらせて落とすのが特徴です。素材や肌へのダメージが少なく手軽に掃除に活用できます。
ただし泡立ちがあるので、よくすすぎ洗いすることが必要です。水洗い可能な場所の掃除に使いましょう。
エアコンのフィルター・カバー・ルーバー掃除に活用するのもおすすめです。
アルカリ性エアコン洗浄液の使い道
アルカリ性洗剤は、化学変化によって汚れを落とすのが特徴です。とくに次のような汚れに効果があります。
- 油汚れ
- ヤニ汚れ
- 焦げ付き
- 血液
- 黒カビ
ただし皮膚や素材へダメージを与えることがありますので、手袋などを着用して作業する必要があります。また強い洗浄力をもつため、素材の表面が剥離することがあります。
目立たない場所でためしてから使用してくださいね。
エアコン洗浄スプレーの使用期限と捨て方
エアコン洗浄スプレーの使用期限は、一般的に製造から3年。未開封の場合は、通常の保存状態であれば4~5年です。
参考サイト:アース製薬
正確な製造年月・使用期限は、メーカーに問い合わせてみましょう。
またエアコン洗浄スプレーが余ったけど使い道がない、開封時期が不明、といった場合には廃棄するしかありませんね。
エアコン洗浄スプレーを廃棄するときには、まず中身を空っぽにしてください。
中身はゴミ袋の中に新聞紙や古い布を入れてその中へスプレーし、燃えるゴミとして廃棄しましょう。このとき袋の中のガスがしっかり抜けたのを確認してから袋を閉じてください。
袋の中にガスが充満したまま閉じると、発火や爆発のおそれがあります。
スプレー缶を空にしたら、自治体のごみ処分方法にしたがって捨てましょう。
古いスプレー缶の捨て方は、こちらの記事でくわしく解説していますので参考にしてください。
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