グリーンカーテンは毎年ゴーヤが大活躍、もちやぷらすライターの茶美代(チャミヨ)です。
夏は毎年のように最高気温が更新され、30℃を超える日も珍しくなくなってきましたね。
とくに暑い日はエアコンに頼りっきりになりがちですが、温度設定を低くし過ぎてはいませんか?
じつは、設定温度をたった1℃変えるだけで、10%前後の消費電力が削減できるんです。
このコラムでは、エアコンの消費電力を抑え、電気代を下げるコツを解説します。
エアコンを効率的に取り入れて、夏を快適に過ごしましょう。
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エアコンにかかる消費電力と電気代を把握しておこう
夏の冷房や冬の暖房を使う時期の電力や電気代は高くなりがちですが、エアコンだけでどれくらいかかっているのか把握している人は少ないのではないでしょうか。
節電&節約術を知る前に、エアコンの電気代にどれくらいかかっているのか知っておきましょう。
エアコンの消費電力と電気代の計算は意外と簡単!
エアコンが1時間あたりに使う電気代は、「消費電力(kW)×電気料金単価(円/kWh)」で求められます。
まず、消費電力を算出してみましょう。
1000W(ワット)が1kW(キロワット)なので、消費電力のWを1000で割ってkWに換算します。
例えば、消費電力が470Wのエアコンなら470÷1000で0.47kWです。
そして電気料金単価が25円(1kWhあたり)の場合は0.47×25=11.75となり、1時間あたりに使う電気代が11.75円ということが分かります。
さらに、1日にエアコンを使う時間と日数をかけ合わせることで、1カ月にかかる電気代も算出可能です。
1日に8時間、1カ月のうち30日エアコンを使った場合は、11.75(円/h)×8(時間/日)×30(日/月)=2820(円/月)で2,820円になります。
消費電力のワット数は、エアコン本体のシールや取扱説明書に記載があるので確認してみてください。
ただし、電気料金単価は、契約している電力会社や消費電力量によって変わり、基本料金などもかかってきます。
電気料金単価を知りたい場合は、契約中の電気会社のホームページなどを確認してみましょう。
エアコンの電気代を抑える節電のコツ5つ
ここでは、エアコンの使い方を上手に工夫して節電し、電気代を節約する5つの方法をご紹介します。
設定温度を変えるだけで消費電力が抑えられる
エアコンは、設定温度をたった1℃変えるだけで、10%前後の消費電力が削減できるといわれています。
環境省によると、夏は1℃上げると約13%、冬は1℃で下げると約10%消費電力が削減できるようです。
参考:「家庭でできる節電アクション」(環境省)
時間帯によっては自動運転でつけっぱなしがお得
エアコンは運転を開始すると設定温度に近づけるためにフルパワーで稼働します。
こまめに電源を切りながら使うと節電できるように思えますが、毎回フルパワーで運転するとたくさんの電力を消費します。
このため、外気温と設定温度の差が大きい時間帯は、自動運転でつけっぱなしにしたほうが消費電力は少なくて済みますよ。
つけっぱなしがいいといっても必要なときだけ使うことも大切です。
例えば、外出する予定があるなら出かける直前ではなく、早めに電源を切ることで節約になります。
タイマーを使って無駄を防ぐのもいいでしょう。
また、外気温と設定温度の差が少なくなると消費電力が抑えられるので、時間帯によってはこまめに電源を切るのが有効な場合もあります。
参考元:つけっぱなしがお得”という説は本当なのかを検証せよ!」(ダイキン工業)
帰宅後の冷房は換気をしてからつける
設定温度に到達するまでの時間が長くかかるほど、消費電力が多くなり、電気代がかかってしまいます。
閉め切った部屋に熱がこもっているときは、一度窓を開け熱気を逃がしてから冷房をつけるのがおすすめです。
換気をして室内の温度を下げることで、消費電力を抑えることができます。
電気会社や料金プランを見直す
2016年から電力の小売り自由化が始まり、さまざまな企業がそれぞれ異なるプランを提供しています。
電気代を抑えるには、電気料金の安い電力会社を探してみるのもいいでしょう。
また契約している電力会社によっては、電力の消費量で単価が変わることもありますので、料金プランを見直してみるのもいいかもしれません。
こまめにエアコンフィルターを掃除する
エアコンのフィルターにほこりがたまると、熱効率が悪くなり電気代も高くなってしまいます。
室内機の内部にカビが発生すると、イヤなニオイが発生したりアレルギーを引き起こしたりする原因にもなるんです。
しかし、フィルターの掃除は自分でできても、エアコン内部は自分で掃除することが困難です。
エアコンの内部を一度も掃除したことがない場合は、エアコンクリーニングのプロに洗浄を依頼するのもいいでしょう。
内部まで掃除できれば水漏れなどのトラブルを防ぎ、より長く使えるようになるはずです。
またエアコンの寿命は10年前後といわれており、最新モデルになるほど省エネの性能が上がる傾向にあります。
もし古い機種を寿命以上に長く使っているなら、買い替えを検討してみるのもひとつの方法かもしれませんね。
エアコンは使い方を工夫することで、かかる費用や熱効率が変わってきます。
いくらエアコンの電気代を節約したいからといっても、体調を崩してしまっては意味がありません。
推奨されている室温はあくまで目安であって、快適さを感じる温度も人によって異なります。
自分が快適だと思う温度を把握しながら、上手にエアコンを使いましょう。
エアコンの設定温度以外に工夫できる節電方法
エアコンを使いながら快適に過ごすには、温度設定以外にもいくつか工夫できることもあります。
ここでは、体感温度や体温を調整することで快適さを維持する方法を解説します。
エアコンの風向きやサーキュレーターで空気の流れを変える
基本的に暖かい空気は部屋の天井に、冷たい空気は床面にたまりやすくなります。
とくに冬は、床冷えが起きやすいので、暖房を使うときは風向きを下にしておくのがおすすめです。
逆に冷房の場合は風向きを水平にしておくと、部屋全体が涼しくなりやすいです。
またエアコンを使うときは、季節にかかわらずサーキュレーターや扇風機などを使うと、効率よく空気が循環して快適さが増します。
除湿機能や加湿器を使って湿度調整をする
梅雨時期や湿度が高くなりやすい夏は、エアコンの除湿(ドライ)機能を使うといいでしょう。
冬の乾燥する時期は、加湿器の併用や洗濯物の部屋干しで加湿するのがおすすめです。
温湿度計を置いておくと、温度と湿度が目で確認できるので管理がしやすくなりますよ。
断熱シートやカーテンで熱の出入りを防ぐ
せっかく冷房を使っていても、窓から直射日光が入っている状態では室温が下がりにくいものです。
冷房の効率をよくするには、すだれやカーテンなどで直射日光を防ぐ対策をしましょう。
ゴーヤやアサガオなど、つる性の植物を育ててグリーンカーテンを作るのもおすすめですよ。
また冬の寒い時期も、窓から熱が逃げてしまいやすくなるので、断熱シートなどを貼って気密性や断熱性を高めるといいでしょう。
服装で体温調整をする
体感温度は、着ている服によっても大きく変わります。
冷房を使うときは、できるだけ軽装を心がけるようにしましょう。
ただし、直接冷風に当たり続けると体調を崩すおそれがあるので、快適に過ごせる服装を選ぶようにしてくださいね。
暖房を使う時期は、靴下やスリッパをはいたりあたたかい服を着たりして身体を冷やさないようにすることが大切です。
快適に過ごすには「室温」と「湿度」が大切
最後に、エアコンの設定温度について説明します。
エアコンを使って室内で快適に過ごすためには、適した「室温」と「湿度」が大切です。
「室温」に合わせた温度設定をする
環境省では、適正な室温の目安として夏は28℃、冬なら20℃を推奨しています。
ここで注意したいのは、エアコンの設定温度ではなく「室温」ということです。
エアコンの設定温度は、必ずしも室温と同じになるとは限りません。
例えば、夏場に冷房の設定温度を28℃にしていても、強い日差しの入る部屋など環境によっては室温が下がりにくいことがあります。
なかには、家の中にいながら熱中症になってしまう事例も数多く起きているので注意が必要です。
だからといって設定温度を低くしすぎてしまえば、風邪をひいてしまうおそれもあります。
このため、室温や環境に合わせて2~3℃前後で調節しながら使うことが大切といえるでしょう。
参考:適正な室温とは(環境省)
「湿度」の調整も重要なポイント
室内で快適に過ごすためには、温度だけではなく一定の湿度を維持することも大切になります。
一般的に快適に感じる湿度の目安は、40~60%といわれています。
とくに冬は、エアコンを使うことで空気が乾燥しやすくなるものです。
湿度が40%以下になると、ドライアイ・乾燥肌などのトラブルや病気の原因となるウィルスも繁殖しやすいので、注意しなくてはいけません。
逆に、湿度が高すぎると窓や床に結露が発生しやすくなります。
また、湿度が10%上がると体感温度は1℃上がるとされています。
夏の場合、湿度が70%になると暑苦しさが増すだけでなく、ジメジメした環境ではカビなどが発生しやすくなるので注意が必要です。
このため、季節によって適した湿度に調整することが、快適さにつながるポイントといえます。
快適に感じる温度や湿度は人によって異なる
快適さを感じる温度は、性別や年齢のほか体型によっても異なります。
同じ室温でも湿度によって体感温度は大きく変わってくるのです。
このため、推奨されている数値だけを頼りにエアコンの温度を設定するのはおすすめできません。
あくまで推奨されているのは目安なので、無理をせず自分が快適だと感じる温度・湿度を調節しながらエアコンを使うのがいいでしょう。