エアコンに塩素系のカビキラーは危険!使ってしまったときの洗浄方法

エアコン×カビキラーは相性最悪!臭いやカビを安全に洗浄する洗剤や手順を解説/エアコンクリーニング

エアコンからカビ臭い風が吹き出してくる……。

そんなとき、カビはカビキラーで撃退できるよね?
と考える方は多いでしょう。

しかしエアコンにカビキラーを使うのはおすすめしません。

カビキラーはエアコンの部品にダメージを与え、最悪の場合故障につながることがあるからです。

ここではエアコンにカビキラーを使うことの危険性と、使ってしまった場合の対処方法を解説します。
適切な方法でエアコンをスッキリさせましょう!

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目次

エアコン内部の掃除にカビキラーなどの塩素系漂白剤は使えない

エアコン掃除の様子

カビキラーはキッチンや浴室など、一般家庭で大活躍する定番アイテムです。
できればエアコンのカビ対策にも使いたいところですが、残念ながら使用はおすすめできません。

それはどうしてなのでしょうか?

まずはカビキラーの成分からみていきましょう。

カビキラーの成分

カビキラーはジョンソン株式会社が製造・販売する「塩素系漂白剤」の代表的な商品です。
塩素系漂白剤には、カビキラーのほかに「カビハイター(花王)」がよく知られていますね。

そんなカビキラーには、おもに次のような成分が含まれます。
カビキラー以外の塩素系漂白剤でも成分はほぼ同じです。

カビキラーの主成分はたらき
次亜塩素酸塩カビの組織を分解
カビの色素を除去
漂白
水酸化ナトリウムアルカリ性
次亜塩素酸塩のはたらきをたすける
界面活性剤水と油をなじませる

汚れを水に移して落とす

カビキラーに代表される塩素系漂白剤は「漂白力」や「除菌力」にすぐれたアイテム! カビもスッキリ撃退できるんです。

ただ、その強すぎるパワーがデメリットになることも……。

塩素系漂白剤はエアコン内部を腐食させるおそれがある

塩素系漂白剤をエアコン掃除に使用した場合、水で徹底的に洗い流さなければ、内部で腐食が発生してしまうことがあります。

なぜならエアコン内部には、アルミなどの金属が含まれているからです。
塩素系漂白剤に含まれる塩素イオンは、金属に付着させたままにしておくと酸化がすすんで、サビを発生させてしまいます。

エアコン内部をのぞくと、アルミの薄い板が無数に並んだ「フィン」というパーツがあります。

フィンは細かいすきまに、ホコリやカビが蓄積しやすいパーツ! とくにカビキラーで何とかしたくなる場所です。

しかしそこへカビキラーなどの塩素系漂白剤をスプレーし、洗剤が残ってしまうとサビの原因となってしまうのです。
そのため、エアコンにカビキラーはおすすめしません。

塩素の臭いがエアコン内部に残ることがある

エアコンに、カビキラーを使うのがオススメでない理由はもうひとつあります。
それはカビキラーなど、塩素系漂白剤特有の臭いです。

掃除に塩素系漂白剤を使ったあとは、塩素の臭いが残るものです。
キッチン掃除や浴室掃除で慣れているという方もいらっしゃることでしょう。

ですがエアコン掃除の場合は、ちょっと要注意。
吹き出し口から出る風に、塩素の臭いを含んだ風が混じって吹き出してくるため、臭いがきつく感じられます。

臭いの感じ方については個人差があるもの、あの塩素の「ツーン」とした臭いが好ましいと感じる方は少ないでしょう。
逆に、身の危険さえ感じることも……。

ですので、エアコン掃除にカビキラーを使うのはおすすめしません。

エアコンにカビキラーを使ってしまった場合の対処法

万が一、エアコン内部の掃除にカビキラーを使ってしまった場合は、洗浄液が残らないように洗浄機でよくすすぎましょう。
手順は以下になります。

  1. コンセントを抜く
  2. カバーを外し、フィンをむき出しにする
  3. 基盤を養生をする
  4. エアコン本体を養生をする
  5. 洗浄機を使い、水でよく洗う
注意

エアコンの基盤に水がかからないように、養生はしっかりとおこないましょう。市販の壁掛け用洗浄シートを使うといいですね。

STEP
コンセントを抜く
エアコンのコンセント

コンセントを抜きます。

STEP
カバーを外し、フィンをむき出しにする
カバーを外したエアコン

エアコンのカバーを外し、フィンをむき出しにした状態。

STEP
基盤を養生をする
エアコン基盤の養生

養生テープとタオル、ビニールでエアコンの基盤を養生します。

STEP
エアコン本体を養生をする
エアコンの養生

エアコンを壁掛け用洗浄シートで養生。周囲に水や洗浄液が飛ばないようにしっかりと。

STEP
洗浄機を使い、水でよく洗う
エアコンの洗浄

洗浄機でエアコンのフィンを洗います。

エアコン内部の掃除はカビキラーより専用のエアコンクリーナーを使う方がいい?

スプレー

エアコン内部がカビ臭いからといって、カビキラーを使うのが近道ではありません。

これまで解説したように、カビキラーはエアコン内部にダメージを与え、故障の原因になることがあるからです。

それでは、専用のエアコンクリーナーを使えば安全なのでしょうか。
応えは「ノー」です。

エアコン内部は、デリケートかつ複雑なつくりになっています。エアコンクリーナーを内部に噴霧したあと、洗浄剤を水でじゅうぶんに洗い流せないのであれば、やめておきましょう。
サビや劣化の原因になりかねません。
また基盤などに洗浄剤がかかってしまうと、エアコン本体が壊れてしまう可能性もあります。
フィンや送風ファンの掃除をしたい場合は、エアコンクリーニングに任せたほうがいいです。

エアコンクリーナーを使わない方がいい理由について詳しくは→「【プロが警告】エアコンスプレーは逆効果!悪臭・故障・発火の原因にも」

それでも自分でやってみたい。という方は、あくまで自己責任で下記の方法を参考に掃除をしてみてください。

【DIY】エアコン内部を自分で掃除する方法

エアコンの構造図

エアコン内部のおもな掃除場所は「熱交換器(フィン)」と「送風ファン」です。
どちらもカバーを外さないと見えない部品になります。

フィンの掃除方法

エアコンのフィンとは、フィルターの奥にある金属の集合体のようなパーツです。

フィンは別名「熱交換器」ともいわれるように温度の調整をするところですので、結露で水滴が生まれやすく、カビが生えやすいというやっかいなパーツなんです。

しかしフィンは基本、取り外すことができません。また金属部がデリケートなので、雑巾などで無理にこすると変形してしまいます。

そこで、専用のスプレーを噴射して、汚れを落としていくのです。汚れは外にあるドレンホースをつたって出ていく仕組みになっています。
くわしい方法や注意点は、こちらの記事で解説していますので参考にしてください。

送風ファンの掃除方法

エアコンの送風ファンは、吹き出し口からのぞくと見える、筒状になったパーツです。
エアコン運転中にはぐるぐる回転して、エアコン内の空気を吹き出しています。

エアコン内部で温度調整された空気は、必ずファンを通って吹き出してきます。
そのためこのファンをしっかり掃除しないと、悪臭発生の原因となるのです。

送風ファンも専用クリーナーを使用すれば、自分で掃除できます。
ただし洗剤がファンからエアコンの下へ落ちることもありますので、掃除前にしっかり養生しておくことが必要です。

送風ファン掃除の方法や注意点については、こちらの記事でもくわしく解説していますので参考にしてください。

フィルターなどの取り外せるパーツには中性洗剤が基本

エアコンフィルター

エアコンで取り外せることの多いパーツは、おもに次の3つです。

  • エアコンカバー
  • フィルター
  • ルーバー

これらのパーツは、取り外して掃除機でホコリを吸い取ったり、固く絞ったクロスで軽くふくのが基本です。

ただ汚れがひどい場合には、洗剤や水などを使って汚れを落としていきます。

メーカーでは塩素系漂白剤の使用を推奨していないところもあります。

そのためフィルターなどの取り外せるパーツには、取扱説明書を確認しつつ、よければ中性洗剤を使うのが無難でしょう。

エアコンクリーナーでも無理なカビや臭いはプロのエアコンクリーニング業者にお任せ

エアコンクリーニング業者

エアコン掃除は、頑張れば自力でおこなうことができます。

ですがカビや汚れが思ったよりもひどい場合や、エアコン掃除自体がむずかしいと感じるときには、無理をせずプロに頼むのがよいでしょう。

一般的には、掃除機や雑巾だけで簡単に掃除できるフィルター・ルーバーは自力で掃除し、内部の掃除はプロに任せるケースが多いようです。

エアコンクリーナーなどの道具を準備する費用や、エアコンクリーニングをプロの業者に任せる費用を比較して検討するのがおすすめですよ。

まとめ

エアコンにカビキラーを使うのは、故障のおそれがあるためおすすめしません。

ただ、がまんできないほどのカビ臭が吹き出してくるときには、エアコン内でカビが恐ろしく繁殖していると考えられます。

そもそもエアコンは、構造上カビが生えやすい家電です。
中を見ることができないし、シーズンオフには放置しているため、気づいたときにはかなりヒドイ状態になっていることが多いのです。

家の中で最もカビが多いのは、じつは浴室よりエアコン内!といわれることもあるほど。
エアコン内の掃除は定期的におこなっていきましょう。

ライター

もちやぷらす編集部のアバター もちやぷらす編集部 もちやぷらす編集部

家事の時短、分担、アウトソーシングをテーマにしたウェブメディアです。
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