重曹は、掃除するときに洗剤として使ったり料理ではふくらし粉として使ったりとさまざまな用途で活躍します。
そんな便利な重曹ですが、性質を知ったうえで正しく使うことが大切です。
たとえば掃除で重曹を使うときには、弱アルカリ性の性質なことを利用して酸性の汚れに対して使用すると効果的なんですよ。
そこでこの記事では、重曹とはどんなものか特徴や得意なことをお伝えしていきます。
重曹には掃除や料理以外にもさまざまな使い道ができますので、かしこく活用してみてはいかがでしょうか。
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重曹とはどんなもの?性質や特徴について
重曹とは、別名炭酸水素ナトリウムとも呼ばれている物質です。
まずは重曹の性質と特徴についてご説明していきます。
重曹は弱アルカリ性
重曹は、弱アルカリ性の性質をもっています。
アルカリ性かどうかは、成分が水に溶けたときの状態でpHという数値によって計測されます。
pHの数値は0から14まであり、真ん中の数字の7前後が中性という位置づけになります。
重曹は種類によって一概にはいえませんが、pHの目安は約8.2~8.5で弱アルカリ性になるのです。
そんなアルカリ性の性質をもつ重曹は、反対の性質である酸性の汚れに対して効果を発揮します。
酸性の汚れは、油や皮脂などが挙げられます。
ほかにも生ゴミから発生する匂いや体臭なども酸性ですね。
酸性のものにアルカリ性をくわえることで、中和されて汚れや匂いを落とすことができるのです。
また、先ほどご説明したアルカリ性のくわしい数値については、下記の記事でも紹介していますので参考にしてみてくださいね。
人体や自然に優しい
先ほどご紹介したpHの数値ですが、7に近ければ近いほど中性で人体には優しくなります。
重曹は弱アルカリ性なので比較的肌にも優しく、口に入れられるうえに医薬品としても用いられているのです。
洗剤として水に流しても自然への影響も少ないので、エコ洗剤とされているんですよ。
ただし、いくら体に優しいからといって過剰摂取はやめておきましょうね。
重曹を過剰に摂取すると、塩分過多で健康を害するおそれがあります。とくに塩分に気を使っている場合は、控えたほうがよいでしょう。
加熱すると発泡する
重曹は、そのまま水に溶かしただけの状態では弱アルカリ性の性質となります。
ですが、加熱することで化学反応が起きてアルカリ性としての性質を向上させることができるのです。
pH数値は目安ですが、加熱すると約11になり、弱アルカリ性からアルカリ性へと変わっていることがわかります。
その分、加熱後の重曹は刺激が強くなっているので、直接手で触れると荒れるおそれがあります。
ゴム手袋などで保護して、重曹を使用しましょう。
重曹を加熱させて使用する場面は、鍋の焦げ付きなど、こびりついてしまった汚れを落とすときに用いられることが多いです。
重曹が苦手な汚れはアルカリ性
重曹はアルカリ性なので、酸性の汚れに強いです。
そのいっぽうで、同じアルカリ性の汚れは中和することができないので効果を発揮することができないんです。
続いては、重曹が苦手とする汚れやその対処法について見ていきましょう。
アルカリ性の汚れ
アルカリ性の汚れは、水垢や石けんカスなどが挙げられます。
また、便器にこびりついた尿石(尿が固まったもの)やアンモニア臭などもアルカリ性の汚れや匂いとされています。
このような汚れに対しては、重曹を洗剤として使っても落とすことはできないでしょう。
重曹はほかにも、畳や銅、アルミといった素材に対して使用すると変色したり、劣化したりするおそれがあります。
アルカリ性にはクエン酸がおすすめ
アルカリ性の汚れには酸性の性質をもつ物質を使用しましょう。
重曹と並んで、よく使われることがあるクエン酸がおすすめです。
クエン酸は、ミカンやレモンなどかんきつ類の酸味成分に含まれています。
食べ物に含まれる成分であることから、重曹と共にエコ洗剤として用いられています。
クエン酸も粉末状で販売されているので、水に溶かしてスプレー状にすると掃除で使いやすくなりますよ。
クエン酸は、酸性の性質をもっているので金属に使うと酸化してサビてしまいます。とくに、鉄や銅は酸化しやすいので使用するのはおすすめできません。金属に使用するときは、ステンレスなどサビにくい素材に使うようにしましょう。
重曹の用途は掃除や料理などさまざま
ここからは、実際に重曹を使用するときの用途についてご紹介していきます。
掃除や料理はもちろんのこと、生活のちょっとしたことにも重曹を役立ててみてはいかがでしょうか。
重曹を掃除で使う
重曹が酸性の汚れに強いことをいかして、掃除に活用してみましょう。
油や皮脂汚れが多い場所は、お風呂場やキッチンなどが挙げられます。
お風呂場は皮脂汚れが排水口に流れたり、浴槽に残ったりしますので重曹を活躍します。
キッチンは、料理で使った油汚れに使ってみるとよいですね。
ほかにも、電気のスイッチやドアノブなど人の手が触れやすい場所のお掃除にも効果的ですよ。
重曹を料理で使う
重曹は、料理でもさまざまな場面で活躍します。
- ふくらし粉代わり
- 山菜のアク抜き
- 野菜の発色効果
- 生魚のヌメリ取り
- 肉をやわらかくする
など、食材をより食べやすくしてくれる効果をもっています。
重曹は掃除用のものと食用のものがありますので、料理で使用するときには食用のものを使うようにしましょう。
ほかにも使える重曹の活用法
掃除や料理以外でも、重曹を活用することができます。
たとえば、お風呂に重曹をひとつまみ入れると重曹風呂の完成です。
重曹風呂は身体の皮脂を落としやすくし、体臭予防に効果的とされています。
また、研磨効果をいかして歯磨き粉も販売されています。
アルカリ性の性質をいかして、酸化したシルバーアクセサリーの黒ずみを落とすこともできるんですよ。
重曹には今回ご紹介した活用法以外にもさまざまな用途があります。
重曹自体にも、種類がたくさんありますので気になる方は下記の記事も参照してみてくださいね。
まとめ
こちらの記事では、重曹とはどういったものかについてご紹介してきました。
重曹は、弱アルカリ性の物質で天然成分です。
口に入れても問題のないので、エコ洗剤として人気があります。
油汚れや皮脂汚れを落とすための掃除用や、膨張効果を利用したふくらし粉代わりといったことに使えます。
ほかにも重曹には消臭効果や研磨効果などをいかした活用法がありますので、ぜひ使ってみてくださいね。