セスキ炭酸ソーダとクエン酸は、どちらも掃除アイテムとして使われていますが、まったく異なる性質をもっています。
このため正しい使い方を知っておかないと、本来の効果が得られないだけでなく素材を傷めてしまうこともあるんです。
当記事では、セスキ炭酸ソーダとクエン酸の違いや正しく使い分ける方法などについて解説しています。
それぞれが得意な汚れや苦手な汚れについてもふれていますので、セスキ炭酸ソーダやクエン酸で掃除をしてみたいというかたは、ぜひ参考にしてくださいね。
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セスキ炭酸ソーダとクエン酸は逆の性質をもっている
セスキ炭酸ソーダとクエン酸は、さまざまな場所の掃除に使われる環境にやさしいエコ洗剤です。
どちらも液状のスプレータイプと粉末タイプのパックが市販されており、100円ショップやホームセンターなどで気軽に購入することができます。
粉末タイプは500gや1kgのパックで販売されており、コストパフォーマンスもよいので、掃除したい場所が多いときや長く使い続けたい場合におすすめですよ。
ただし、セスキ炭酸ソーダとクエン酸はそれぞれ性質が異なるため、正しく使うためには落とせる汚れに違いがあることを知っておきましょう。
・酸性とアルカリ性について
洗剤の種類は酸性とアルカリ性の大きく2種類に分けられ、pH(ペーハーまたはピーエッチ)という単位で濃度を表します。
0~14までの数値があり、0に近いほど酸度が高く、14に近くなればアルカリ度が高いというわけです。
水に薄めることでpHの数値は変わりますが、一般的にセスキ炭酸ソーダはpH9前後で弱アルカリ性、クエン酸はpH2くらいといわれています。
・汚れが落ちるしくみについて
洗剤と同じように汚れにも種類があり、酸性やアルカリ性の性質をもっています。
そして汚れが落ちるしくみには、その性質に関係があります。
アルカリ性の汚れに酸性の洗剤を使うといったように、逆の性質をもった洗剤を使うことで化学的な中和反応がおきて分解洗浄されるんです。
このため洗剤を効果的に使うには、汚れの性質が酸性なのかアルカリ性なのかを知っておくことが大切といえます。
また洗剤は人の皮膚につくと荒れてしまうことがあるので、セスキ炭酸ソーダやクエン酸を使う場合には、必ずゴム手袋を着用するようにしましょうね。
ここからは、セスキ炭酸ソーダとクエン酸のそれぞれがもつ特徴について見ていきましょう。
「酸性の汚れ」にはセスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性の性質をもっているので、酸性の汚れに効果があります。
掃除に使うときは、セスキ炭酸ソーダをスプレーボトルにつめ替えて使うと便利です。
スプレーボトルに水500mlを入れて、粉末タイプのセスキ炭酸ソーダを小さじ1~2杯加えたあと振り混ぜるだけでセスキスプレーの完成です。
汚れに直接吹きかけて拭き取るだけで、軽い汚れなら簡単に落とすことができますよ。
洗濯洗剤としても効果的に使える!
セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいので、洗剤と一緒に使えば汚れ落としにより高い効果が期待できます。
たとえば、ワイシャツの襟や袖についた汗ジミなどの皮脂汚れにスプレーを吹きかけて、時間をおいてからいつも通りの洗濯をすれば、汚れが落ちやすくなるはずです。
さらにセスキ炭酸ソーダには、消臭や除菌の効果もあるので衣類などに吹きかけておけば、汗のニオイを抑えることもできますよ。
セスキ炭酸ソーダが得意な汚れ
セスキ炭酸ソーダが効果を発揮するのは、おもに以下のような酸性の汚れです。
- 油汚れ
- 湯垢
- 手垢や皮脂汚れ
- タバコのヤニ汚れ
- 血液の汚れ
そしてセスキ炭酸ソーダの場合、同じアルカリ性の汚れでは中和反応がおきないため汚れを落とすことができません。
たとえば浴室周りの水垢や石けんカスはアルカリ性なので、セスキ炭酸ソーダにとっては苦手な汚れになるんです。
しかし水垢と湯垢では、性質が異なります。
水道水に含まれるマグネシウムと石けんに含まれる成分が化学反応をおこすと酸性になるんです。
少し複雑かもしれませんが、セスキ炭酸ソーダは落とせる汚れに得意と不得意があるということを覚えておきましょう。
セスキ炭酸ソーダが使えない素材
セスキ炭酸ソーダには、水垢や石けんカスのように効果を発揮しないものだけでなく、相性があることも知っておきましょう。
フローリングに使用するとワックスを剥がしてしまい、アルミ製品は黒ずんでしまうことがあります。
また畳や白木は変色するおそれがあるので、セスキ炭酸ソーダを使わないようにしてください。
また、セスキ炭酸ソーダはアルカリ性が弱く中性に近いため、ガンコなカビ汚れには向いていません。
もし深く根を張ったカビ汚れを落としたい場合は、塩素系の漂白剤をおすすめします。
スプレーボトル100本分作れる粉末タイプの大容量パックです。
掃除したい場所が多いというかたにはとくにおすすめですよ。
二度拭きが不要で手軽に使えるスプレータイプです。
セスキ炭酸ソーダを配合したアルカリ電解水というだけでなく、泡タイプなので汚れをしっかり包み込んで分解してくれますよ。
「アルカリ性の汚れ」にはクエン酸
セスキ炭酸ソーダが苦手とするアルカリ性の汚れには、クエン酸を使いましょう。
またクエン酸がない場合は、お酢でも代用することができます。
砂糖が含まれているすし酢などは拭いたあとべたつくことから、穀物酢をおすすめします。
クエン酸も粉末タイプを水に溶かし、スプレーボトルにつめ替えて使うと便利ですよ。
スプレーボトルに水400mlを入れクエン酸を小さじ2杯ほど加えたら振り混ぜて完成です。
クエン酸が得意な汚れ
クエン酸は、水垢や石けんカスなど洗剤とは逆の性質をもつアルカリ性の汚れを落とすのが得意です。
またクエン酸には、消臭や抗菌の効果もあります。
さらにクエン酸は重曹と混ぜることで、化学反応による発泡作用によって汚れを浮かせることもできるんです。
クエン酸の酸性とアルカリ性の重曹が混じることによる中和反応なので、泡自体には洗浄効果はありませんが、泡の力で汚れを落としやすくなります。
クエン酸が使えない素材
クエン酸にも相性のよくない苦手な素材があります。
たとえば、鉄や銅などにクエン酸を使用すると錆びが発生する可能性があるんです。
またセメントや大理石などにクエン酸を使うと、酸化によって劣化させてしまうおそれがあるので避けるようにしましょうね。
塩素系漂白剤とは一緒に使用しないこと!
さきほど、カビ落としの方法として塩素系漂白剤を使うと効果的とお伝えしましたが、クエン酸と一緒に使うのは危険をともないます。
塩素系の漂白剤は、クエン酸など酸性の洗剤と混ざると人体に有害な塩素ガスが発生するんです。
たとえ一緒に使っていなくても排水管で混ざって塩素ガスが発生してしまうケースがあるため、併用することは避けるようにしてください。
以下でおすすめのクエン酸をご紹介しますので、クエン酸を使って掃除したことがないというかたは、ぜひ挑戦してみてくださいね。
粉末タイプはコストパフォーマンスが優れているので長く使い続けたいというかたにはおすすめです。
汚れに粉末のまま振りかけたりスプレーしたり便利に使えますよ。
スプレー式になっているので、水で薄めるような手間がなくすぐに使うことができます。
泡タイプなので汚れに張り付きやすく壁などについた水垢汚れを落とすのに効果的です。
セスキ炭酸ソーダとクエン酸を使い分けてみよう!
ここまで解説してきたように、セスキ炭酸ソーダとクエン酸は汚れの種類によって使い分けることがポイントです。
では実際にどのような使い方がよいのかを、それぞれ場所別で見ていきましょう。
作業する前には手荒れしないようにゴム手袋をするほか、洗剤が目や口に入るのを防ぐためのゴーグルとマスクも着用することをおすすめします。
(1)キッチン周り
コンロ周り・壁・換気扇などの油汚れにはセスキスプレーを吹きかけたあと30分ほど時間をおいてスポンジなどでこすり落とします。
もし五徳などに固くなった焦げがある場合は、シンクにセスキ炭酸ソーダをためて3時間ほど漬けこんでおけば、こびりついた汚れを落としやすくなりますよ。
また生ゴミの入ったゴミ箱や排水口などにはセスキ炭酸ソーダを粉末のまま振りかけるか、セスキスプレーを吹きかけておくと消臭にも効果的です。
そしてシンクにはクエン酸スプレーを吹きかけるか、キッチンペーパーなどをクエン酸で湿らせてパックのように貼り付けておくと水垢を落としやすくなります。
(2)トイレ
トイレは床や便器の座面、ドアノブなどにセスキスプレーを吹きかけて皮脂汚れを除去しましょう。
また便器内の水垢、黄ばみや尿石などはクエン酸を使うと除菌や消臭もできて効果的ですよ。
(3)浴室周り
浴室は体をキレイにする場所なので、いつでも気持ちよく使えるように清潔な状態を保っておきたいものですね。
とくに浴室は性質の異なる汚れがたくさんあるため、種類によって適した方法で掃除することが大切になります。
風呂桶やイスなどの小物類は、残り湯200Lあたりセスキ炭酸ソーダを1.5杯ほど入れて、掃除の前日に漬けおきしておくとよいでしょう。
小物類のヌメリや湯垢が落とせるだけでなく、浴槽もキレイになるのでおすすめですよ。
水垢や石けんカスにはクエン酸スプレーを吹きかけて、30分ほど時間をおいてからスポンジなどでこすると汚れが落としやすくなります。
浴室の汚れで一番気になるのは、ガンコなカビ汚れではないでしょうか。
ピンクカビや黒カビは、表面の汚れが落とせても根元に残っていればまた繁殖してしまいます。
ガンコなカビは、セスキ炭酸ソーダやクエン酸で完全に除去することは難しいので、塩素系の漂白剤を使うのがおすすめです。
また、セスキ炭酸ソーダやクエン酸が使用できない素材かどうかも事前に使用上の注意などを読んで確認しておくようにしましょう。
もし不安な場合は、目立たない所で試して問題ないか確認してみるのがおすすめですよ。
まとめ
セスキ炭酸ソーダとクエン酸は、それぞれアルカリ性と酸性の異なる性質をもっています。
どちらの洗剤にも汚れに対する得意不得意があるので、適した方法で掃除をすることがポイントです。
また素材によっては相性がよくなかったり傷めてしまったりする場合もあることから、洗剤を使う前には使用上の注意をよく読んでくださいね。
汚れの性質に適した洗剤を正しく上手に使って家中をキレイにしちゃいましょう♪
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