台風や強風などで傘が使えない日は、カッパを着用する人もいるのではないでしょうか。
カッパを長く使うには、定期的にメンテナンスして機能を維持することが大切です。
使ったカッパは、濡れたまま放置しておくとカビが発生しやすくなります。
もしカッパにカビが生えてしまったら、こびりついてガンコな汚れになる前に早めに対処するのがおすすめです。
この記事では、カッパについたカビの落とし方のほか、洗濯方法や撥水効果を回復させる方法を解説しています。
急な雨でカッパを広げたらカビだらけだった!というトラブルを防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。
\入居前の空室・入居中の在室も!家中丸ごとキレイ/
カッパのカビ落としは洗剤の使い分けがポイント
カビは、温度・湿度・栄養の3つの条件が揃うと発生し、温度20~30℃・湿度80%以上の環境で繁殖しやすいとされています。
カッパは濡れることが多いうえ、雨にはカビの栄養となるホコリなどの汚れも含まれています。
このため、使ったあとのカッパは、カビが繁殖しやすい条件が揃っているといえるでしょう。
カッパについたカビは、白カビと黒カビで洗剤を使い分けると効果的に落とせます。
ただし、カッパが濡れていると洗剤の効果が薄くなるので、カビ取りをするときは必ず乾かしてから作業を始めてください。
また、手肌を傷めないようにゴム手袋も着用しておきましょう。
白カビはアルコールで除去する
カッパについた白カビにはアルコールを使うのがおすすめです。
アルコールは70~80%の濃度で高い殺菌効果が得られるので、市販されている消毒用のものでかまいません。
ただし、素材によっては変色する場合もあるので、目立たないところで試してから使いましょう。
- ゴム手袋
- 消毒用アルコール
- キッチンペーパー(またはいらない布)
- タオル
白カビ落としの手順
- STEP1
-
カビが生えた部分にアルコールを吹きかけて15~30分ほど放置する
- STEP2
-
キッチンペーパーなどにアルコールを含ませてカビを拭き取る
- STEP3
-
タオルで水気を拭き取り風通しのよい日陰に干して乾燥させる
キッチンペーパーでカビを拭き取るときは、同じ面を使い続けないように注意しましょう。
一度拭き取ったキッチンペーパーにはカビがついているので、広げてしまわないように一度拭いたら違う面を使うようにしてください。
また、強くこすると素材を傷めるおそれがあるので、やさしく拭き取るようにしましょう。
黒カビは酸素系漂白剤で除去する
黒カビは、表面に付着する白カビと違って深く根を張ってガンコな汚れになります。
このため、黒カビ落としには酸素系の漂白剤でつけ置き洗いするのがおすすめです。
酸素系漂白剤なら色柄物でも色落ちしにくいので、安心して使えます。
- ゴム手袋
- 酸素系漂白剤
- 洗面器またはバケツ
- タオル
- 歯ブラシ(使い古したもの)
黒カビ落としの手順
- STEP1
-
洗面器などに40~50℃のお湯をためて酸素系漂白剤を適量溶かす
- STEP2
-
カッパのファスナーなどを閉じて30分~1時間ほどつけ置きする
- STEP3
-
歯ブラシなどで頑固なカビ汚れをこすり落としたあとよくすすぐ
- STEP4
-
タオルで水気を拭き取り風通しのよい日陰に干して乾燥させる
酸素系漂白剤でカビ落としするときは、水よりもお湯を使ったほうが高い洗浄効果を得られます。
歯ブラシを使うとき、強くこすると素材を傷めるおそれがあるので注意しましょう。
市販のカビ取り剤は素材を傷める可能性がある
カビが生えたのだから、カビ落とし専用の強力洗剤を使えばいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
たしかに、市販のカビ取り剤には、カビを落とすのに有効な成分が含まれています。
しかし、塩素系のカビ取り剤は素材を傷めるリスクが高く、色柄物は色落ちしてしまうので注意が必要です。
カッパのカビ取りをするときは、あらかじめ洗濯表示を確認して使える洗剤を確認しておきましょう。
カッパのカビ予防には定期的に洗濯することが大切
基本的にカッパには、水を弾く撥水加工がされていますが、使い続けると効果が低下して汚れがつきやすくなります。
カッパが雨に濡れると洗われたような気になるかもしれません。
しかし、雨粒にはホコリや排気ガスが含まれているため、雨で濡れたカッパを乾かしても汚れが落ちているわけではないんです。
また、カッパによっては湿気を逃がす透湿(とうしつ)機能がありますが、内側に付着した汗や皮脂をそのままにしておくと、その効果も低下してしまいます。
カビ予防や撥水・透湿の機能を維持するためにも、カッパは定期的に洗濯するのがおすすめです。
カッパを洗濯する前に知っておくべき注意点
カッパを洗濯するときは洗濯表示を確認して適した洗剤を使うことが大切です。
普段通りの洗濯をすると、素材を傷めたり撥水効果が低下したりするので注意しなくてはいけません。
素材に適した洗濯方法を知るためには、カッパの内側にある洗濯表示を確認しましょう。
洗濯表示は、洗濯時の上限温度・漂白剤やアイロン使用の可否・乾燥のさせ方などが記号で示されています。
洗濯表示の意味については、以下の消費者庁のページを参考にしてみてくださいね。
参考:洗濯表示(消費者庁)
カッパを洗濯する場合は、使う洗剤にも注意が必要です。
柔軟成分や蛍光増白剤が配合されている洗剤は、撥水効果が低下するおそれがあるので避けてください。
カッパの洗濯には、中性洗剤や防水ウェア専用の洗剤を使うようにしましょう。
カッパの洗濯方法
カッパを洗濯する場合は、洗濯機よりも手洗いのほうがおすすめです。
洗濯機を使用すると、摩擦によって表地の撥水機能が低下しやすくなります。
とくに、脱水機能は素材が傷むだけでなく、洗濯機が故障する原因にもなるので避けましょう。
- 中性洗剤(または防水ウェア専用洗剤)
- 洗面器(またはバケツ)
- タオル
カッパの洗濯手順
- STEP1
-
ファスナーやマジックテープをすべて閉じる
- STEP2
-
洗面器やバケツなどに水をためて洗剤を入れる
- STEP3
-
押し洗いしたあと水を替えながら数回すすぐ
- STEP4
-
タオルで水気を取ったら干してよく乾かす
カッパを洗うときは、生地がすれて傷まないようにファスナーやマジックテープを閉じておきましょう。
粉末タイプの洗剤を使う場合は、水にしっかり溶かして数回すすぎをおこなってください。
カッパに洗剤が残っていると撥水などの効果が低下してしまうことがあります。
また、脱水のときカッパをねじって絞ると、素材が傷むだけでなく破れてしまうおそれがあるので避けましょう。
タオルでカッパを包むようにして、やさしく押さえながら水気を拭き取ってください。
洗濯してカッパを干す場合、日光に直接当てたほうが殺菌効果もあるし早く乾くのでは?と思われるかもしれません。
しかし、ナイロンやポリウレタンなどの素材は紫外線に弱く、傷んでしまうおそれがあります。
洗濯表示に干し方の指示がある場合は、それに従って乾かすようにしましょう。
もし洗濯表示ラベルがない場合や素材が分からないときは、風通しのよい日陰に干すことをおすすめします。
定期的にメンテナンスが必要といっても、使うたびにカッパを洗濯するのは少し大変ですよね。
泥汚れがついたときや湿度が高くて汗をかいたときなどのタイミングで洗濯するといいでしょう。
低下した撥水効果は回復させられる
撥水(はっすい)加工されているカッパは、使い続けると効果が低下していきますが、熱処理や再加工することで機能回復できる場合があります。
雨水のはじきが悪く、カッパがベタつくと感じるときは、ぜひ試してください。
アイロンを使って熱処理する方法
撥水力の落ちたカッパは、アイロンを使って熱処理すると撥水効果が復活できる場合があります。
ただし、熱処理をおこなう前に、アイロンが使用できる素材か洗濯表示を確認するようにしてくださいね。
熱処理するときは、アイロンを低温に設定して必ず当て布をしながらおこなってください。
当て布をしなかったり同じ場所に何度もアイロンをかけたりすると、素材が変質してしまうおそれがあるので注意しましょう。
市販の撥水剤を使った再加工
アイロンで熱処理をしても撥水性が回復しない場合は、撥水加工自体が失われている可能性があります。
その場合は、撥水剤を使って撥水の再加工をするのがおすすめです。
撥水剤には、直接吹きかけるスプレータイプや水に混ぜて使う液体タイプなどがあり、ネット通販でも購入できます。
プロに撥水処理を任せるのも一つの方法
カッパの洗濯は、適した方法でおこなわないと素材や変色してしまうリスクがあります。
100円で購入したカッパであれば、失敗してもあきらめはつきやすいかもしれませんが、数万円をかけて購入したレインコートはそうはいかないでしょう。
洗濯表示を確認して、自分でカビ取りや洗濯することに不安を感じる場合は、無理をせずクリーニングに出すことをおすすめします。
専門知識をもったプロであれば、カッパに適した洗濯方法でカビや汚れを落としてくれます。
なかには、撥水加工専門のクリーニングをおこなっている業者もあるので利用してみるといいでしょう。
使ったあとは汚れを拭き取り乾燥させてから保管しよう
カッパを長持ちさせるには、定期的にメンテナンスすることが大切です。
使った後は濡れたまま放置せず、汚れを拭き取ってよく乾かしカビがつかないようにしましょう。
また、カッパにはコンパクトにたためるタイプも数多くあります。
いつでも使えるようにと保存用の袋に収納している人も多いのではないでしょうか。
しかし、たたんだ状態で保存しておくと、折り目部分の生地が劣化する場合があります。
カッパを長く使わない時期や外に持ち出さないときは、ハンガーにかけておくのがおすすめですよ。
レイングッズは、日ごろのケアをしっかりして清潔な状態を保ち、長く着られるように心がけましょうね。